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2024年05月25日21:52

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刑事何森 孤高の相貌/刑事何森 逃走の行先

丸山正樹「刑事何森 孤高の相貌」創元推理文庫

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埼玉県警の何森稔は、昔気質の一匹狼の刑事である。
有能だが、組織に迎合しない態度を疎まれ、所轄署をたらいまわしにされていた。
久喜署に所属していたある夜、何森は殺人事件の捜査に加わる。
障害のある娘と二人暮らしの母親が、二階の部屋で何者かに殺害された事件だ。
階段を上がれない娘は大きな物音を聞いて怖くなり、ケースワーカーを呼んで通報してもらったのだという。
県内で多発している窃盗事件と同一犯だろうという捜査本部の方針に疑問を持った何森は、ひとり独自の捜査を始める――。
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丸山正樹さんのデフ・ヴォイスシリーズのスピンオフです。
人気キャラクター何森刑事を主人公とした連作短編集。これは面白かった。
何森が魅力的なのとミステリ的によく出来ているのがいいですね。
どの短編もよく出来ていますが、特に最後の中編は力作。
事件の哀しいラストと何森の辛い過去が交錯し思わず涙してしまいました。
東野圭吾さんの最良の作品に匹敵すると言ってはちょっとほめすぎでしょうか。
お勧めです。

丸山正樹「刑事何森 逃走の行先」東京創元社

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優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔。
翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。
実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げた、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。
技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。
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デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ2作目。
面白いですが、前作が傑作だっただけにそこまでではないかな。
非正規滞在外国人という弱者をテーマにするあたりは丸山さんらしいです。
デフ・ヴォイスシリーズの主人公の妻で刑事の荒井みゆきとのコンビは前作以上にいい感じなんですが。
でも面白かったので続編希望です。
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