連日35℃を超える猛暑日がつづく。あまりの暑さにエアコンが1台壊れた。その他いろいろ弱っているのでまだあと1週間も10日も熱帯夜が続くと体力に自信がない。例年ならうるさいほどの蝉の鳴き声も心なしか弱々しく感じる。
ふとこんな疑問が頭をよぎる。猛暑の大都会でのオリンピック開催は大丈夫なのだろうか?
東京オリンピックは確実にそうなる。競技する選手も運営側も観客も対象に猛暑対策は考えているのか?猛暑でインフラにダウンが生じたら?東京外から押し寄せた人が熱中症でバタバタ倒れたら病院のベッドは足りるのか?
2年前、2020年オリンピック招致が決まったとき、私はここで祝福のブログを書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1911448107&owner_id=168303
そして2015年夏、いよいよプロジェクト始動!・・という段階になって、次々と問題が噴出してきたのにはなにか理由があるのか、ないのか。
さっさと国立競技場を潰すだけは潰したけどそのあとはグダグダだ。もとの場所に建て替えるという案はどうして誰も頭になかったのだろう?
総工費2520億というバカ高い建物そのものも問題ありだが、そもそも今度立つ予定の場所はアクセス面などでとても問題があるらしい。なんで建物を決める前にそういう事前協議がされなかったか。
組織委員長の森喜朗氏が、オリンピックの前の2019年にラグビーのW杯をこの新国立競技場で開催したいと言ったため工期が縮まったとか。また、ザハ氏のデザインを採用した新国立競技場選考委員長(建築家・安藤忠雄氏)は「私が携わったのはデザイン選考だけ、費用のことは関知しなかった」と言う。
もちろん開催後の利用価値を考えて、可動式の屋根がいるやら、コンサートができるよう音響施設がいるやらと、各方面の人たちが次々と装備を盛る。そのどれも採用したら費用が膨らむのは当たり前。
何を採って何を捨てるか。誰もそれを決断せず誰も責任をとらない。なんとも日本的というか日本人のよくない傾向が出た結果かもしれない。
だが、一度正式発表したあとはもう撤回できない、動き出したのだからもうやめられない、という共通認識(プライド?あきらめ?)や通例みたいなものはいますぐ改めないといけないと思う。
日本はいったん始めた戦争を終結することができなかったためにあれだけの犠牲を払った。
今上映中の映画「日本のいちばん長い日」は、どうやったら戦争を終わらせることができるかと天皇の玉音放送に奔走する政府と最後まで終戦に抵抗する軍部の抗争を描いている。
ポツダム宣言のあと速やかに(あと10日早く)終戦していれば、広島、長崎に原爆を落とされずに済んだのに・・・。
国立競技場は、安倍首相が「白紙に戻しゼロベースで・・」と宣言してザハ氏の案を断念し、新案採用に動き出したが、、ほどなくして東京オリンピックのエンブレムが盗作ではないかとの疑惑が持ち上がった。ベルギー人のデザイナーがデザインしたリエージュの劇場のロゴに酷似しているのだ。先日作者の佐野研二郎氏が会見を行って断じて盗作でないと釈明したが、スキャンダルだらけの東京オリンピック・・ちゃんとうまく行くんだろうか?
1年前は祝福ムード一色だったが、国民の熱はどんどん冷えてきている。
「オリンピックは儲かる」と誰が言ったか。みんなが漠然とそんな気分にのせられているが、経費はちゃんと回収できるのか。
ゼネコンや広告代理店がそろばんをはじいているだけで、我々小市民には全然メリットが感じられない。純粋なスポーツマン精神や理想にのっとった「スポーツの祭典」の意義も形骸化している。
そう考えれば1964年の東京オリンピックは素晴らしかった(らしい)。私は記憶にないが、それこそ日本国民一丸となってオリンピックを盛り上げたからだ。戦後復興のインフラ整備もオリンピックのためという名目で急ピッチで進み、結果「新幹線」など素晴らしい日本の技術の結晶が世に出た。
今回2020年は国民は一丸とならず意見もバラバラで、指揮官が誰かもはっきりしない。
安倍首相はここぞというときだけ出てきて英断とかいうが、だったらもっと早く英断すべきではないか。結局自身の政治に利用しているだけだ。
たぶん2020年東京オリンピックは、1964年を超えられないだろう。その確信だけはしっかりある。
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