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2015年06月10日01:06

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なんのために大学へ?

地下鉄梅田駅の広告。 「音楽で、はたらこう」

半年ほど前、広告代理店の知り合いが、クライアントの女子大学の学校案内を作るのにいいアイデアはないかと聞いてきた。どこの大学も生徒集めに苦慮している。そこで「この大学に入ったらこんな職業につけるというような具体的なものがないと今は生徒は集まらないよ(大学の専門学校化や就職予備校化が顕著だから)。
君の「なりたい」を応援!レッツ・デザイン・ユア・ライフ・オン・キャンパス!みたいなキャッチコピーにしたらいいんじゃない?」とアドバイスした。

今日この広告を見て、これって私が言ってたことじゃん・・って思った(笑)。

はたらくために大学へ???
大学に入るときからはたらくことを考えてるの?・・・って一瞬思うが。

「大学に入ってなにかを学ぼう」ではなく、「将来こういう仕事をしてはたらくために大学に入ろう」と具体的に職種をあげることで生徒を集めようとしているのだろう。
いま、一流大学以外の大学は生徒が集まらない。

就活がヒートアップしている昨今、大学で勉強したことは何か社会に出て役に立つの?と問われる。実際エントリーシートでは自分が大学で学んだことを会社でどのように活かすかを具体的に書かないといけない。

実社会で役に立たない人文学系の学部などは大学にいらないのでは?という議論まで出ている。http://newclassic.jp/23916

ある職業に就くために役立つことだけを学ぶなら、職業訓練校やら専門学校と同じだ。大学とはそういうところではないと思うのだが。

そもそも一流でない大学に入る生徒で、大学に入って学びたいことが具体的にある若者は少ない。親にも言われるし、ちゃんと就職できるかどうかで大学や学部を選ぶ傾向が強いのかも知れない。
そんなことは私達の時代から言われていた(文系でサラリーマンになるなら経済か経営、文学部だと学校の先生になるくらいしかないとか)。私は文学部に入ったが、将来それをどう役立てようなんて考えたこともないし、大学に入ったらただ遊ぶぞ〜と思っていただけだった。得意科目が多く自分が一番興味のある分野ではあったが。



こんな記事がある。
理系に行くほうが就職に有利だから、今の子は数学ができなくても理系に行こうとするのだろうか?

【文系でも行ける?受験に数学が必要ない理系大学】

理系に行きたいが数学が不得意な受験生もいるだろう。だが、実は「数学が必須受験科目ではない理系」も少なくないのだ。職業直結の資格系として人気の高い「薬学系」では、意外に数学を必須にしない大学が多い。関東では、国際医療福祉大、日本薬科大、帝京大。関西では、摂南大、神戸薬科大などだ。
「薬学部は近年、6年制になって、実務を重要視するようになりました。学問内容に直結する生物・化学などの科目は大事ですが、数学はそれほど重視されなくなったのかもしれません」(代々木ゼミナール入試情報センター統括本部長の坂口幸世氏)
 女子生徒に人気の高い「看護学系」は、大筋において数学を必須としない大学が多い。慶應大、順天堂大、上智大などの人気の難関大も総じて数学を必須としていない。
驚くのは、数学が必須でない医学部もあることだ。帝京大医学部は、「英・国・数・物・化・生」から3科目選択となっていて、数学なしでも受験できる。
「いまの世の中、臨床医になるなら、患者とのコミュニケーションも重要ですので、文系力も大事だと思いますよ」(大学通信の安田賢治ゼネラルマネージャー)との言葉もある。数学が苦手の医学部志望者は、一考の価値ありだろう。
「歯学系」も、関東では日本大(松戸歯)や、鶴見大など、いくつか存在する。学部数も学生数も多い「工学系」では、「数学なし」で受験できるところは少ない。坂口氏はこう解説する。
「建築などのデザイン的要素も関係してくる学科だと数学なしでも受験できるところはあります。また、人気のある芝浦工業大は、システム理工学部、デザイン工学部で数学を必須としていない学科がありますね」
「理学系」では、数学なしで受けられる大学はそこそこある。なかでも名門女子大の日本女子大を推すのは、安田氏だ。「日本女子大理学部は、数学は苦手だが、理学系に行きたい女子生徒におすすめです。女子大で理系の学部が単体として存在するところがそもそも少ない。入学後に充実した勉強が期待できます。日本女子大は就職時に面倒見がいいですし、就職率も高い」
「農学系」は、人気の明治大や近畿大も数学を必須としておらず、獣医学科をのぞくと数学を選択しなくても受験できる傾向にある。
 
            ※週刊朝日  2013年10月11日号


また、以下は、「英語の試験がない入試もアリ」だという記事。実際は英語の試験を外部委託するということらしいが、大学入試もずいぶん様相が変わってきている。

【大学入試で英語の試験なし。来春に新しい入試方法はじまる】

受験生獲得を競い合う私立大は、さまざまな入試改革を進めている。大きな動きは英語の外部試験利用だ。上智大は新しい入試方法を導入する。2月3日に、英語の試験を行わない「TEAP利用型入試」を国際教養以外の全学部で実施。上智大と日本英語検定協会が共同開発したTEAP(アカデミック英語能力判定試験)を受験し、学科ごとに設定した基準スコアを満たせば出願できるというものだ。スコアは合否に影響しない。文系学部は原則、地歴・公民・数学から1教科と国語、理工学部は数学と理科2科目の点数で合否が決まる。
「英語学科や看護学科など2次試験がある4学科は併願できませんが、それ以外の24学科は、指定された選択科目が共通していれば、一度の試験で複数学科を併願できる。そのうえ、2学科以上だと受験料が併願割引になります」(代々木ゼミナール入試情報センター統括本部長の坂口幸世氏)
 河合塾の「全統マーク模試」での上智大の志願者数は、前年比で文105、総合人間科学107、法108、経済119、外国語121、総合グローバル134など、人気を集めた。
TEAPを利用した入試は上智大だけでなく、立教大、中央大、関西大、立命館アジア太平洋大でも実施予定だ。これらの大学の志願者は、ホームページで利用学部などを確認したうえで、12月14日にTEAPを受験してみては。申し込みは11月25日までだ。
15年からTOEICやTOEFLなどの外部試験を利用する入試を始めるのが、首都大学東京、国際基督教大、山口大、長崎大など。
「今後、英語外部試験を利用する入試は増えていくと思います」(駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一氏)

      ※ 週刊朝日  2014年10月31日号より抜粋



さる8日、文部科学省は 全86 の国立大学に、既存の学部などを見直すよう通知した。主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を 育てられていなければ、廃止や分野の転換の検討を求めた。国立大に投入される税金を、ニーズがある分野に集中させるのが狙いだ。

文科相、国立大に教員養成系など学部廃止を要請
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HCT_Y5A600C1CR8000/

これに対して神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏はこう反論している。

でも、国立大学が自国の歴史や文化に対する愛着も関心もなく、ひたすら「グローバル資本主義」に自分を最適化させ、高い地位と年収をめざす学生たちの競争 と格付けのためだけの場になった国に未来はあるのでしょうか。私が会った韓国の教育者たちはそのことを強く懸念していました。そんな人間ばかりになった ら、国に明日はないからです。「次世代を担う成熟した市民」は、自分の共同体に対する強い愛情や帰属意識を持ち、国の制度や文化を支え続ける責任感の持ち 主でなければならないからです。
   
          〜国立大学改革亡国論「文系学部廃止」は天下の愚策 〜内田 樹


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