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2015年05月21日11:52

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映画「愛・アムール」を見た。


先日テレビで放映した「愛・アムール」を見た。
以前この映画に出演して話題になったエマニュエル・リヴァのことについて日記を書いたことがあったが映画は見てなかった。
2年ほど前にこのことについて書いた日記。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1901530922&owner_id=39904538

ところが先日テレビでこの映画が放映されたため見る機会を得た。
老夫婦役で主演したエマニュエル・リヴァとジャン・ルイ・トランティニアンは昔若者の時代の映画は見てたので、老夫婦という役とどうしてもイメージが合わず、別人に見えて仕方がなかった。

物語をかいつまんで話すと、かなり残酷な内容で身につまされる話だ。
二人はかなり裕福な生活を送っている音楽家という設定で、あるとき妻(ピアニスト)が脳梗塞で倒れ寝たきりになってしまう。
別のところに住んでいる娘は介護施設に入れようと父と相談するが父は妻と約束したと自分で介護する。看護人を雇ったりしていたが看護人が妻を理解出来てないと、介護を断り、一人で食事からおむつの世話までする。
夫は妻に語り掛け、娘も入ることが出来ないような濃密な時間が流れる。
しかし夫も妻が何を思っているのか理解できず、妻も献身的な夫を理解することが出来ない。病状は日に日に悪化していき、昼間はほとんど寝ていて夜中に目を覚ますという生活になっていく。
娘が訪ねてきてもそのような姿を見せたくないので妻のへやの鍵をかけて合わせないようにする。

あるとき夫は妻に子供のころの話を語りかけたあと、突然妻に枕をかぶせて殺す。
その後夫が手紙(多分遺書)を書くシーンがあり、眼が覚めたときキッチンで音がするので行ってみると、全く正常になった妻が洗いものをしており、妻が「終わったらすぐ出かけるから靴を履いて用意して」と言うので靴を履いてると妻が来てコートを着て2人で出かける。あとにはがらんとした部屋の中があり、娘がひとりぽつんと座っているところで終わる。

この映画のなかで気になったところがあった。それは夫がたばこを吸うのでときどき窓を開けてある。その開けた窓から鳩が部屋に入ってくる。夫はその鳩を窓から追い出す、しかし2度目のときは窓を閉めてその鳩をつかまえていつくしむように撫でる。

この鳩はなにを表しているのだろうか? 最初は2人の間に入ってきたものを追い出し、その後は受け入れていつくしむ。
はじめは拒否し、のちに受け入れる。・・・どうも二人の「死」を象徴しているように思えてきた。


私もそのような年齢になってきたので重くのしかかってくる話であった。


この映画はカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)を受賞している。

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