mixiユーザー(id:19073951)

2015年04月26日09:40

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天から舞い降りてくる音の粒

20代の頃,クラシックはピアノソロかオケ曲ばかり聴き,室内楽というのはどうも苦手だった。
管弦楽曲や協奏曲,独奏曲と比較し,どうも中途半端に思えたから。

しかし年をとると,時々オケ曲の壮大な響きに耳が負けてしまう時もあるし(同じ理由で,最近,いわゆるロックが聴けなくなってきた(-_-;)),ピアノソロの和声の精緻さを分析しようと,曲を聴きながら楽譜と首っ引きで向き合っていると,「音」を「楽」しむという本来の目的を見失ってしまうなんてこともある。
そんな時,室内楽がちょうど良く響くのだ。

今日はフォーレのピアノ五重奏曲。
冒頭の,天から音が降ってくるかのような美しいピアノのアルペジオから始まって約30分間,音楽の響く空間は平穏な空気に満たされ,余計なことは考えずに済む。
ただ音楽に身をゆだね,夢の中。

作曲時,フォーレは既に聴覚に障害をきたしていたという。
耳からではなく,天から舞い降りてくる音の一粒一粒を聞き取り,音楽にしたのではないかと思う。




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