校條剛「ザ・流行作家 笹沢佐保 川上宗薫」講談社
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エロ小説の大家・川上宗薫と木枯らし紋次郎の笹沢左保。
今や懐かしさすら漂う二人の流行作家。
銀座に通い複数の女性と関係を持ちつつ月産1000枚超の小説を書き続けた豪傑たち。
今は絶滅した「流行作家」という豪傑種と長年密接につきあってきた著者が、人となりから知られざるエピソードまでを縦横に書き下ろす。
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小説新潮の編集長だった校條剛さんが、笹沢佐保と川上宗薫という二人の流行作家を取り上げた本です。
二人と長年つきあった著者らしく、二人の人となりやエピソードを詳しく描いています。
二人の女性関係や亡くなる経緯など様々な話が興味深かったです。
今野緒雪「雨のティアラ」集英社オレンジ文庫
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竜田メグムは高校一年生。大学生の姉と、小学生の妹がいる三人姉妹。
穏やかな父としっかり者の母の五人家族は、明るく平凡に暮らしている。
だが、近頃メグムの心は晴れない。理由は進路に関わることなのだが…。
そんな時、長いこと空き家だった近所の洋館に、不思議な人物が引っ越してくる。
そしてそれは、思いもかけない形で、メグムの「家族」と関わってきて…!?
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友人に借りた本です。
「マリアさまが見てる」の今野緒雪さんの新作です。
新しく創刊された集英社オレンジ文庫です。
主人公の近所の洋館に引っ越して来た人物が意外な形で関わってくるという話です。
いかにも少女マンガの典型みたいな話でした。
それほどボリュームもないのでさらっと読めます。
やはり今野さんはうまいですね。
竹宮惠子・内田樹「竹と樹のマンガ文化論」小学館
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日本のマンガはなぜグローバルになったのか?
マンガ家で大学のマンガ教育を築き上げてきた竹宮惠子氏と、思想家でマンガのヘビー・リーダーである内田樹氏は思いがけない理由をあげる。
独自の進化をとげたマンガの7つの力とは?
読者をわしづかみにする「作品力」、複雑で深い描写のための「表現力」、新しい手法を共有し高めていく「集合知の力」、何でも「マンガ○○入門」で学べてしまう「教育力」と人材の厚み…。
優れた描き手と読み手が日本マンガのスゴいところを解き明かす、ユニークなマンガ文化論。
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マンガ家で今は京都精華大の学長の竹宮惠子さんと、思想家の内田樹さんのマンガに関する対談本です。
内田樹さんの本はいくつか読んで割と面白かったのですが、マンガ論を読んで首をかしげてしまいました。
特に少女マンガに関しては思い込みや勘違いが多かったので。
この本ではそのあたりが竹宮さんの正しい知識でフォローされて納得感は高かったです。
竹宮さんのマンガがオープンソースで手法を業界で共有しているという指摘はとても面白かったです。
竹宮さんの代表作「風と木の詩」は当時連載するのは難しいという事で、その前に「ファラオ墓」をヒットさせてから連載したという話は初めて知りました。
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