・はじめに
福島市の餃子探索も一段落する時が近づいてきた。もはや初見の店は残りわずかだ。
最初に店を探す段階では、検索サイトを調べるのが基本だが、それだけではない。
電話帳も調べている。インターネットの圧倒的な普及が進み、大抵は調べられるが、
電話帳にしか載っていない店もないわけではない。
ここの店は、某サイトにも一応載ってはいるが、殆ど情報がない。
とりあえずは行ってみようと今年の2月に足を運んだが閉まっていた。
店を畳んだのかと危惧したが、この日は昼に電話をかけて確認。話し中…
ということは、使われているのだと希望をもって再度かけるとつながった。
そしてやっていますよとの返答。行きましょう。
場所は腰浜町という、住宅や学校が多い地域である。児童公園という施設もある。
・対象
営業時間：12時前後〜18時前後 定休日：月曜
餃子6個250円
店は築30年は軽く超えていそうな2階建ての小さなアパートの1階に入っている。
車は、店の北側のスペースに停めて良いそうだが、奥には別なアパートがある。
そこへの通路にもなっているようなので、心配ならば確認したほうがよさそうだ。
さて、店内だがカウンターが6席のみ。えらく狭い。
なので、トイレもない。アパートの一角の店だから、奥にはあるのだろうが、
基本的には客用にはしていないように思える。
色褪せた赤に塗られたカウンター上には醤油・ラー油・胡椒とあるが、酢がない。
メニューはラーメンや炒飯以外にカレーやカツ丼もある。
そして、全てのメニューの価格は何らかの改定がされている。
かく言う餃子も、漢数字の三を五に書き直した跡がみられる。
そんな店を切り盛りするのは70代ぐらいに見受けられる男性。
店内はスペースが狭いので何の飾り気もないが、
福島商工会議所と薬局のカレンダーが狭い壁を埋めるように貼られている。
・結果
餃子を頼むと店の奥の冷蔵庫から餃子を取り出して焼き始める。冷凍だ。
皮は薄めで大きさはやや中程度、やや細長い形をしている。
餡はややとろみがあり、甘みがある。野菜主体である。
餃子のタレは店主が小皿に入れて出してくれる。
筆者の注文を作り終えた店主は、引き続き餃子を新しく焼き、炒飯を作っていた。
その合間に餃子のタレを作っていたが、フライパンの近くに置いてある、
中華スープの素？やラー油を瓶に入れてかき混ぜて完成、であった。
・考察
店内のポスターだが、これは所属している商工会と、店主のかかりつけの薬局のものか。
後から作っていたメニューは多分、筆者が最初に電話をかけた際の話し中の相手からか。
餃子であるが、この餡のとろみのある食感はどこかで食した記憶がある。
群馬県太田市界隈の、市街地から離れたところの店であったように思える。
餡に甘みが感じられるのは、野菜由来のものなのだろう。
・まとめ
評価は3である。しかし、一度は訪問してみてほしい店である。
味のある店だ。古びた内装に年季ある什器類、店主の胸ポケットにねじ込まれた煙草。
あらゆるものから、長年そこにずっとあり続けている、という印象を受ける。
しかし、店主が一人でやっているのだとしたら、この店に入れるのも10年そこそこだろう。
ということで、ここの近隣の皆さま、月に1回ぐらいは食べに行ってはいかがですか。
そして、隣の福島東高校の生徒よ、君たちもせめて年に1回ぐらいは行きたまえ。
教諭も、学校の外に出るななどと野暮なことは言わず、生徒と一緒に食べるんだ。
学校内は禁煙かもしれないが、ここの店内には灰皿も置いてある。何の不足があるのか。
もっとも、ここの食事の量は食べ盛りの胃袋には少々物足りないかもしれない。
しかし、このような昭和の時代を感じさせる店の構えを経験する機会はなかなかないし、
何より、母校の近くにあった食べ物屋という話題で卒業してからも話題にできる。
あそこの炒飯が好きだった、いや、自分はカレーが美味いと思う、と必ず盛り上がる。
筆者が通っていた高校の近くにあった店のことは、やはり今でも覚えているわけで。
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