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2014年07月17日07:18

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「マレフィセント」

ディズニーの手にかかると、「眠れる森の美女」もこんな話に変わるのかと言う作品だ。
「アナと雪の女王」に続く、悪役フィーチャリングシリーズの第2弾と言ったところか。

「アナと雪の女王」はアニメと言う事もありコミカルに描かれていたが、今回は実写なので生々しいのかなと予想していた。
実際、予告編のアンジーはかなり迫力があって、子どもが観たら泣くんじゃないかと思った。
だがさすがにディズニー、序盤でややおどろおどろしいシーンが続くものの、全体を通してはきちんとファンタジー作品に仕上げられていた。

妖精の国と人間の国は隣り合っていて、非常に仲が悪かった。
その妖精の国を治めていたのが、猛々しい翼を持つマレフィセントだった。
マレフィセントは小さい頃人間のステファンと出会って仲良くなり、マレフィセントが16歳の誕生日にステファンが真実の愛のキスをプレゼントしたのだが、大人になって二人は違う立場になり会う事がほとんどなくなっていた。
しかもあろうことか、ステファンは人間国の国王のために、マレフィセントを騙して彼女の翼を盗んでしまう。
その褒美として、王女と結婚して次期国王となるステファン。
マレフィセントは翼を奪われた悲しみとステファンへの恨みで、ステファンの娘オーロラ姫に呪いをかけるのだった。

ここまではかなりシビアな展開である。
特に、マレフィセントがオーロラ姫に呪いをかけるシーンは、かなりおどろおどろしくなっている。
だがその後の展開はディズニーらしい。

そもそもマレフィセントの設定は、無垢でピュア、どこまでもノーブルな妖精である。
一度は悲しみと恨みでオーロラ姫に呪いを掛けてしまうが、少しずつ冷静になって、自分の行為を後悔し始める。
ステファン王の命により森の中で育てられているオーロラ姫の事が気になり、目を離せなくなってしまうのだ。
そしてこのオーロラ姫を育てる3人の妖精の、間抜けぶりも面白い。
3人がいい加減で適当な部分を、陰でマレフィセントがカバーする。
オーロラ姫もその事を感じていて、「フェアリーゴッドマザー」が自分を守ってくれている信じていた。
やがてマレフィセントと出会うと、彼女をフェアリーゴッドマザーと呼び慕うようになる。
オーロラ姫は16歳の誕生日になったら、3人の妖精に育てられた家を出て妖精の国で暮らす事を決意するが、マレフィセントがかけた呪いはマレフィセント自身にも解く事ができない。
このマレフィセントの後悔と焦りを、アンジーが見事に演じている。
エル・ファニングのオーロラ姫の、ピュアな演技もいい。
妖精の国やクライマックスの城内でのドラゴンなどCGも素晴らしく、見応え充分だ。

唯一、ステファン王の末路がちょっと残酷かなという気もする。
そこまでハッピーエンドにしてしまうとやり過ぎなような気もするが、オーロラ姫がステファン王を実の父だとわかっているだけに、父が悲惨な目に遭っているのにラストでオーロラ姫がニコニコ笑っているシーンでやや違和感を覚えた。
夏休みに親子で観に行く家族も多いと思うが、微妙な空気にならないか。
また非常に細かい部分で言えば、マレフィセントが羽を盗まれて痛みを感じないのかと不思議にも思う。

とは言え、そこはファンタジー作品。
オーロラ姫が目覚めるシーンはかなり感動するし、ラストもほとんどの登場人物がハッピーエンドを迎えるので、大人も子供も楽しめる作品と言う事でいいのかもしれない。


90.マレフィセント
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