mixiユーザー(id:1742219)

2014年07月16日22:22

25 view

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

原作は日本の小説「All You Need Is Kill」。
だから邦題もそのまま「オール・ユー・ニード・イズ・キル」なのだが、ちょっと内容がイメージしずらいタイトルだ。
英語はニガテだが「お前が求めるすべては殺戮だ」になるのか。

近未来、地球は突如地球外生命体の襲撃を受け、あっという間にドイツ、フランスを占領されてしまう。
人類は全世界合同防衛軍を編成、敵を「ギタイ」と名付け迎撃するものの、まったく歯が立たなかった。
しかしそこに、リタ・ヴラタスキ軍曹(エミリー・ブラント)という女性兵士が現れ、鬼神のごとく活躍し一気に形勢を逆転してしまう。
戦場の女神と呼ばれるリタを先頭に、防衛軍は巻き返しのためのノルマンディー上陸作戦を展開しようとする。

その作戦に無理やり放り込まれたのが、米軍少佐のウィリアム・ケイジ(トム・クルーズ)だ。
彼はそもそも広告代理店に勤務しており、戦意高揚のPRを担当していた。
ところが、合同防衛軍の将軍の命により、いきなり最前線に放り込まれてしまう。
しかも上陸作戦の前日で訓練の期間もない。
必死に自分は戦闘要員ではない事を説明するも、パワードスーツを着せられ上陸作戦に参加させられてしまうケイジ。
安全装置の解除の仕方もわからないまま戦場に立ったケイジは、右往左往している間に大きなギタイに襲撃され、地雷でギタイを倒すものの自らも死んでしまう。
だがその次の瞬間、ケイジは最前線に送り込まれた時間に戻って目を覚ます。
何度戦場で死んでも必ず同じ時間に戻って時間はループするため、しだいにケイジは能力を高め、少しずつ戦場で生き残る時間が長くなっていく。
ある時リタの命を救うのだが、死ぬ直前に彼女が「私を訪ねてきなさい」と言う。
リタが何かを知っていると直感したケイジは、次に目覚めた時にリタに会いに行く事にした。

ストーリーはアドベンチャーゲームに近い。
シナリオを進んでゲームオーバーになると、ある時点まで遡って前回のミスを避けて次のシナリオへと進む。
いわゆる「覚えゲー」というヤツである。
ケイジは自分が置かれた状況を理解するものの、上陸作戦の戦闘が厳しいため何度ループしてもなかなか先に進む事ができない。
時には軍から逃げ出したりもするのだが、それも根本的な解決にはならなかった。

この映画の秀逸なところは、このループする演出が素晴らしい事。
「今度はこういう展開になるのか」「でも、また元に戻るのか」というループが、非常に分かりやすく、かつクドくなく展開する。
また、CGも素晴らしい。
近未来的なメカ、そして戦場の迫力も違和感がまったくない。

唯一の欠点は、ストーリーの基本となる「ループ」の整合性だ。
ケイジが死んで最初の時間に戻る事を、ケイジとリタは「リセット」と呼ぶ。
だがタイムリープ物で常に問題となる、「主人公が違う時間に行った後の世界はどうなるのか」という部分にまったく触れられていない。
あまり詳しく書くとネタバレになるので書けないのだが、「ループ」自体が地球外生命体との戦闘のカギにもなっているので、単純にパラレルワールドとして処理する事もできない。
そのあたりが気になる人なら、映画を見終わるまで若干モヤモヤした気持ちが残るかもしれない。
しかしスピーディーな展開と画面の迫力で、映画としては十分楽しめた。

いかにもハリウッド的な作品で、夏休みに観るにはもってこいの映画と言えるだろう。


89.オール・ユー・ニード・イズ・キル
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する