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2014年04月17日21:25

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「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」

チームバチスタシリーズの最終章と銘打たれている。
本来「チーム・バチスタ」は、シリーズ第一作に登場したバチスタ手術を得意とするメンバーに与えられた称号で、原作のシリーズは田口・白鳥シリーズと言われていた。
それがフジテレビがドラマシリーズ化した際に、この二人をチームバチスタと位置付けたため、今回が最終章という事になったのだろう。
実際、原作も田口・白鳥シリーズは、この「ケルベロスの肖像」が最終作になっているようだ。

東城大学医学部付属病院にAIセンターが設立されるのだが、その設立に尽力した厚生労働省の役人と大学病院の医師併せて9名が地下室に閉じ込められてしまう。
発見されたときには8名が死亡し、唯一助かった1名も意識不明のままだった。
そんな中、大々的にAIセンター開設のセレモニーが行われようとしていたが、東城大学に対してテロを匂わせる脅迫文が届く。
地下室の事件とともに、テロに対しても真相を解明すべく、田口・白鳥コンビが動き始めた。

田口・白鳥シリーズの過去の映画2作品は、TBSにより制作されている。
田口を女性にして竹内結子が演じ、白鳥は阿部寛だった。
そして監督が中村義洋と言う事でどちらも秀逸、特に「ジェネラル・ルージュの凱旋」は堺雅人の演技にしびれた。

フジテレビのドラマ版も「チーム・バチスタの栄光」は素晴らしかったが、それ以降は今一つ感は否めなかった。
そして今回の映画も、かなり頑張ってはいるものの過去2作のTBS版の映画には残念ながら及ばない印象だ。

とは言え、映画自体が面白くなかった訳ではない。
今回はキャスティングが抜群で、特に東堂役の生瀬勝久の演技が素晴らしかった。
「ストロベリーナイト」を見たばかりなので井岡のイメージが残っていたが、怪しさは残したまままったく逆の説得力のあるキャラを見事に演じている。
さすが生瀬勝久である。
その他にも、松坂桃李の押し殺した演技も巧い具合にストーリーの伏線になっていたし、桐谷美玲もよかった。

一方、過去のシリーズから引っ張ってきたキャラクターの使い方が、ちょっともったいない感じがした。
西島秀俊の速水はそこそこ出番があったものの、その他の「ジェネラル・ルージュ」のメンバーは顔見せ程度の出演だけ。
非常に消化不良で、この程度の出演だったら、逆に「ジェネラル・ルージュ」のメンバーはスッパリ切り離した方が良かったと思う。

また、直前まで放送していたドラマの「螺鈿迷宮」から栗山千明の桜宮すみれが登場したが、クライマックスに一瞬盛り上がりを見せるものの、その絡み方が強引なため不発感が漂ってしまう。
ドラマの「螺鈿迷宮」自体、本来登場しない田口を絡ませるために主役の天馬大吉を脇役にし、さらにこの「ケルベロスの肖像」からは天馬を消し去ってしまっている。
その代わりとして桜宮すみれを登場させたのだと思うが、彼女が逃げのびた先で、かつて東城医大の手術でミスをされた患者が発見されるなど、展開そのものがちょっと強引過ぎた。

テーマ自体は悪くない。
逆に、桜宮すみれを登場させなければ、ストーリー展開ももっとスムーズで違和感を感じなかったかもしれず、、もっと評価も高かったかもしれない。
ドラマシリーズの製作者目線で制作された結果、過去のシリーズにとらわれ過ぎ、単体の映画としてまとめきれなくなってしまったような気もする。


60.チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像
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