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2010年09月14日18:33

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八大龍王伝説 【093 朱雀騎士団(一) 〜ヘルテン・シュロス堕つ〜】

いつもお読みいただいている皆さま、ありがとうございます^^

今回も先に改訂版をアップします 今回で改訂作業も終了します 微細の改訂をはじめてしまうときりがないので、今回で終了することにしました

【011 黄金の戦士グラフ】
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【012 回想バクラの戦い(一) 〜白銀の竜・漆黒の一角獣〜】
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【013 回想バクラの戦い(二) 〜開戦〜】
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それでは、今回分の八大龍王伝説をはじめます


【093 朱雀騎士団(一) 〜ヘルテン・シュロス堕つ〜】


〔本編〕
聖王国復活から遡(さかのぼ)ること十日以上前の龍王暦一〇五〇年一〇月一五日、バルナート帝國四神兵団の一つ朱雀騎士団は、クルックス共和国を降伏させ、そのままクルックス共和国とゴンク帝國の国境付近の地で軍を休息させていた

そしてその六日後の一〇月二〇日の夜、バルナート帝國の宰相マルダクルスが瞬間移動の術で朱雀騎士団の陣営を訪れ、その日の昼に発せられたロードハルト帝王からの勅令(ちょくれい)を伝えた

いわゆる『十日以内にゴンク帝國を平定し、その後(のち)マルシャース・グールを占領せよ!』というものである

朱雀騎士団の軍団長であるナンダはこの勅令を受けた時、大声で笑ったと多くの史書は伝えている

そして翌二一日、朱雀騎士団はゴンク帝國に向けて進軍を開始し、その日のうちにゴンク帝國の帝都であり王城でもあるヘルテン・シュロス−別名「堅き城」と呼ばれている城に攻めかかった

ゴンク帝國のヘルテン・シュロスはヴェルト大陸一堅牢な城と呼ばれ、直径十キロメートルという途方もない大きさの円形の城であった

収容人員は十万人

噂では『百万の兵で攻めて十年の期間を要して尚、落とすことのできない城』とまで言われている

ナンダはそのヘルテン・シュロスをわずか一万の兵で攻め、五日後の一〇月二五日にはその城を陥落させた

ゴンク帝國の帝王は翌二六日に朱雀騎士団に無条件降伏をした

ヘルテン・シュロスの攻防はわずか五日間であった

信じられないような事ではあるが、これが史実である

ヘルテン・シュロスは既に現在には実在しないのでなんともいえないが、おそらく噂が先行したきらいがある

大陸一堅牢な城

百万の兵でおとすのに十年以上かかる城

この噂が強烈過ぎて、実際ナンダによって攻められるまで、一度として攻められたことがなかったのである

また、ナンダ軍の進軍速度が速すぎて、ヘルテン・シュロスの城内には兵がほとんどいなかったと伝えられている

ゴンク帝國の兵は朱雀騎士団に対して、クルックス共和国との国境付近の砦に兵の大部分を割いていた

ナンダはその砦を無視していきなり、ゴンク帝國の中心部のヘルテン・シュロスに攻め寄せたのである

確かにゴンク帝國の国力では兵を全て動員しても三万人が限界である

実際、この時帝都に常駐している兵は、信頼できうるある史料によると二千人程度と言われているので、急いで前線から兵を呼び寄せたとしてもせいぜい三〜四千人ぐらいの兵しか間に合わなかったと考えて間違いないであろう

そうなると直径十キロメートルの城では大きすぎる

城全体に守りの手が割けなくなり、結果、落城の憂き目をみたと思われる

それにしても、五日間で陥落できたのは、同年三月に行われたバクラの戦いで鬼神の如き働きをみせたナンダの存在が大きいであろう

そのような大将に率いられた兵士は負ける恐れを一切抱かず、軍全体が信じられない力を出すのであろう

とにかく朱雀騎士団はゴンク帝國の降伏を受けた後、半分の五千の兵をゴンク帝國の帝都ヘルテン・シュロスにとどめ、残りの五千を率いてソルトルムンク聖王国の王城マルシャース・グールに進軍をはじめた

龍王暦一〇五〇年一〇月三〇日−まさにソルトルムンク聖王国が復活したその日である



〔参考一 用語集〕
ナンダ(バルナート帝國四神兵団の一つ朱雀騎士団の軍団長)

マクダクルス(バルナート帝國の宰相)

ロードハルト帝王(バルナート帝國の帝王)

ソルトルムンク聖王国(大陸中央部から南西に広がる超大国 第八龍王優鉢羅(ウバツラ)の建国した國)

バルナート帝國(北の強国 第七龍王摩那斯(マナシ)の建国した國 金の産地)

クルックス共和国(南東の小国 第四龍王和修吉(ワシュウキツ)の建国した國 唯一の共和制国家 大地が肥沃)

ゴンク帝國(南東の小国 第三龍王沙伽羅(シャカラ)の建国した國 ドラゴンの産地 『城塞帝國』の異名を持つ)

マルシャース・グール(ソルトルムンク聖王国の首都であり王城)

ヘルテン・シュロス(ゴンク帝國の帝都であり王城 別名「堅き城」)


〔参考二 大陸全図〕
フォト



〔参考三 あらすじ〕
龍王暦〇〇〇一年 八大龍王によって八つの國(くに)が建国される

龍王暦一〇四九年八月 ソルトルムンク聖王国にあるクルス山でハクビが発見される ハクビは記憶喪失

龍王暦一〇五〇年二月一五日 ソルトルムンク聖王国のコリムーニ老聖王とバルナート帝國のロードハルト帝王がバクラにて会談 その席上コリムーニ老聖王が急死する

同年三月一〜三日 ソルトルムンク聖王国とバルナート帝國が国境の町バクラで交戦、ソルトルムンク聖王国側大敗(バクラの戦い)

同年同月一〇日 ソルトルムンク聖王国の王城陥落 聖王国滅亡 ジュルリフォン聖王子は大陸最南端のツイン城に逃げ込む

同年五月三日 コムクリ村にバルナート帝國軍が襲撃、ハクビが白虎騎士団のバルゴー隊長を倒す 以後、グラフ将軍に助けられ、残党軍の拠点であるアユルヌ渓谷に到着する 

同年八月初頭 バルナート帝國とミケルクスド國連合軍がジュリス王国を滅ぼす

同年九月四〜五日 聖王国軍と帝國軍がツイン盆地で激突(ツイン城の戦い)、帝國軍、ツイン盆地より撤退

同年一〇月一〇日 マルシャース・グール奪回の戦いにおいて、聖王国軍が勝利する

同年同月一五日 バルナート帝國とカルガス國連合軍がクルックス共和国を滅ぼす

同年同月二六日 バルナート帝國がゴンク帝國を滅ぼす

同年同月三〇日 ジュルリフォン第四十九代聖王誕生 ソルトルムンク聖王国の復活
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