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日記一覧

 八大龍王伝説【458 モンバリート襲撃(三) 〜ヒドラとの邂逅(後)〜】〔本編〕 そして、その守護龍アハトコプフヒドラの反ウバツラ陣営への転身は、ウバツラのリーダーであるコンガラ――、さらに厳密に言えば、コンガラを操っている蟲にとって致命

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 八大龍王伝説【457 モンバリート襲撃(二) 〜ヒドラとの邂逅(中)〜】〔本編〕「それは良かった! 私はアハトコプフヒドラ――貴殿との邂逅を深く望んでおりました。ここにこのような形で出会えたことは、今、大変な喜びです」「……」 アハトコプ

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 八大龍王伝説【456 モンバリート襲撃(一) 〜ヒドラとの邂逅(上)〜】〔本編〕 第二龍王バツナンダと第七龍王マナシの霊体が天界の城塞都市の一つであるモンバリートの地に到着するおよそ一時間前。第三龍王シャカラは、そのモンバリートに単身で襲

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 八大龍王伝説【455 マナシの状況説明】〔本編〕「バツナンダ。貴女の役割は至極簡単です! ここに向かってくるであろうウバツラことコンガラを仕留めればいいのです! それで全てが片付くかもしれません!」「えっ! コンガラが直接、自分の足でモン

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 八大龍王伝説【454 無謀な賭け】〔本編〕 マナシが話を続ける。 ここから核心部に触れる部分であるとバツナンダは予感した。「シャカラがモンバリートに攻め込んだとして、そんなに全てがあっさりと終わるとは思えませんので……」 霊体のマナシが少

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 八大龍王伝説【453 バツナンダ、天界へ】〔本編〕「……」 数秒の沈黙の後、マナシがまた話を始めた。「それでは、わらわは、その天命を貴女に持ってきたということになりますかな? いや、この天命は可能性としては非常に脆く危うい類のモノですね。

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 八大龍王伝説【452 驚くべき伝言】〔本編〕 龍王暦一〇六一年一月三日午前三時過ぎ。霊体化した第七龍王マナシからの驚くべき伝言を第二龍王バツナンダは受け取った。 その時、バツナンダは何回目かの模擬戦の最中であったが、それはマナシによって中

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 八大龍王伝説【451 バツナンダの修行(十) 〜急転〜】〔本編〕 ワシュウキツの投影物を創造して、その投影物が活動を開始するまでの間に、一分間のインターバルを置いた。 そして、その一分の間に、疑似ワシュウキツの目の前に見えない単独運用でき

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 八大龍王伝説【450 バツナンダの修行(九) 〜真剣の持続〜】〔本編〕 そこで続いて思い至るのが、今度は霊体への物理的干渉の能力を有していない大多数のモノからは、バツナンダの見えない右の掌は、物理的干渉を受けるのか否かという点である。 こ

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 八大龍王伝説【449 バツナンダの修行(八) 〜試み、そして気づき〜】〔本編〕 しかし、今回バツナンダが実験的にしたかったことは、別にある。 それを疑似シャカラとの第九回目の模擬戦開始から三分後に実行に移した。 バツナンダは、思念を送り、

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 八大龍王伝説【448 バツナンダの修行(七) 〜次なる段階〜】〔本編〕 しかしバツナンダにとって、ここまでは、右の掌(てのひら)を失う前のバツナンダの状態に戻っただけで、いわゆる今回の修行の第二段階に到達したに過ぎなかったのである。 兎に

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 八大龍王伝説【447 バツナンダの修行(六) 〜見えない手〜】〔本編〕 三回目の模擬戦は二十分間。四回目が四十分間。そして五回目の模擬戦は八十分間を戦い抜くことができた。 それも回を重ねるごとに、模擬線の対戦相手である疑似シャカラへの攻撃

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 八大龍王伝説【446 バツナンダの修行(五) 〜対戦相手の考察(後)〜】〔本編〕「――第四龍王ワシュウキツ。他を圧倒させる膂力に加え、最高級の攻撃の要である緑龍刀とこれまた最高級の守りを構築する牡牛の盾。むろん、一度対戦しているので、投影

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 八大龍王伝説【445 バツナンダの修行(四) 〜対戦相手の考察(中)〜】〔本編〕 さすがに、八大龍王達も神の一人である以上、滅多なことで反乱を起こすとは考え難い。 しかし、長い歴史の中で一人ぐらいそのような考えを持つ者が現れてもおかしくな

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 八大龍王伝説【444 バツナンダの修行(三) 〜対戦相手の考察(前)〜】〔本編〕 模擬戦とは、具体的にはバツナンダが仮想敵を想像して、それと実際に実戦さながらに戦うということである。 想像した敵と戦うというイメージトレーニング的な要素の訓

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 八大龍王伝説【443 バツナンダの修行(二) 〜三つの弱点〜】〔本編〕 そして、今回のバツナンダが戦う相手は、そのバツナンダの右手を切り落とした張本人であるウバツラなのである。 つまり、右の掌が偽物であると気付かないはずがないのである。 

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 八大龍王伝説【442 バツナンダの修行(一) 〜投影された右拳〜】〔本編〕 さて、八大龍王第二龍王バツナンダは、第四龍王ワシュウキツの地下要塞の深層部にいた。 昨年である龍王暦一〇六〇年の五月からであるから七か月程の期間である。 傍らには

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 八大龍王伝説【441 共犯の存在】〔本編〕「しかし……」 それでも信じられないカリウスは、シャカラとマナシに向かって質問を投げかける。「たかだか一匹の蟲の力で、そんな人型のサイズのものを容易に操るなど、考えにくい。それにウバツラは神だぞ。

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 八大龍王伝説【440 ドロスの告白(後)】〔本編〕「……ザムイーロからお願いされたことは……」 今は亡き天界の少女であるドロスが話を続けた。「赤子であられる今のウバツラ様の飲まれる聖なる乳に、ある丸薬を混ぜるということでした。私はザムイー

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 八大龍王伝説【439 ドロスの告白(前)】〔本編〕 むろん、霊たちは死んでいるので、本当の意味での死はない。 しかし、一般の生きている者が生から死へと存在形態が変わるという意味合いと同義の死は霊たちにも存在する。 つまり、霊に直接干渉でき

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 八大龍王伝説【438 ヒドラ】〔本編〕 むろん、天界を全て支配下におくのは、天界における数日なので、地上界ではそれより長い日数となるが、それでもこの時点(龍王暦一〇六〇年)で、来年に当たる龍王暦一〇六一年中には全て片付いているであろう。 

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 八大龍王伝説【437 一億規模の人海戦術】〔本編〕 龍王暦一〇六一年一月一日。八大龍王の一人である第三龍王ことシャカラは、第四龍王ワシュウキツが造ったヴェルト大陸の地下要塞のある地点にいた。 むろん同じ地下要塞にいる第二龍王バツナンダや、

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 八大龍王伝説【436 宰相ザッド(四) 〜テンガードの地方長官〜】〔本編〕「小生は数度、テンガード地方に赴きイデアーレ殿とお会いしている。むろん非公式な会談ではあったが……」「いつのことでございますか? 宰相閣下」「クルックス共和国の共和

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 八大龍王伝説【435 宰相ザッド(三) 〜黒蛇将軍グロイアス〜】〔本編〕 むろんセイタカには、天上界に戻りコンガラに終生従う生き方もあるが……、――それであれば存在は許されるが――、ただそれだけである。 性格としてかなり野心家なセイタカに

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 八大龍王伝説【434 宰相ザッド(二)】〔本編〕 清浄比丘(ショウジョウビク)がジュルリフォン聖王子として、聖皇国の中心的存在となり、実際に矜羯羅(コンガラ)のヴェルト大陸支配の目標に向けて動くのはザッドこと制多迦(セイタカ)である。 実

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 八大龍王伝説【433 宰相ザッド(一)】〔本編〕 同月一六日。ソルトルムンク聖皇国の宰相ザッドは、馬(ホース)に乗って、一人、ミロイムス城を後にした。 いや、正確には一人だけ付き従った者がいた。 いや、さらに正確にいえば、付き従わされた者

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 八大龍王伝説【432 剛毅者】〔本編〕「何?!」 ジュルリフォン聖皇に付き従っていた重臣の一人が、このダードムスの言葉に気色ばんだ。「どういう意味だ! ミロイムスの領主殿!!」「言葉通りですが、何か……。城内は狭いので、宰相閣下をはじめ重

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 八大龍王伝説【431 外交大臣クレフティヒ(後)】〔本編〕「そうですか。クレフティヒ殿の言い分ごもっともです。……しかし、今一つ分からないことがあります」 ユングフラの言葉であった。「なんでしょう。ユングフラ姫」「何故、ンド殿のご遺体まで

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 八大龍王伝説【430 外交大臣クレフティヒ(前)】〔本編〕 同年一二月九日の朝方。ンドが息を引き取った。 ンドは、龍王暦一〇六〇年にあたる今年、九十歳である高齢であった。 ンドはグラフ、クレフティヒと同様にスキンムル城で処刑されるところを

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 八大龍王伝説【429 逆臣グラフ】〔本編〕「それでは、陛下にご進言申し上げます!」 重臣の一人が口を開いた。「今回のグラフ殿の行動は、必ずしも我がソルトルムンク聖皇国に対する反旗とは言えないと思われます。グラフ殿は陛下に諫言申し上げたいの

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