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2025年07月02日20:28

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【記録】二千六百八十六年(令和七年)五月に読んだ本

日本SFの古典が電書で復刊されているのは喜ばしい事だ。

2025年6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2908ページ
ナイス数:7ナイス

https://bookmeter.com/users/1615/summary/monthly/2025/6
■異星の人 (徳間文庫) [Kindke]
高校生だった頃に文庫が出ていたが、読みそびれていた一作。描かれる文物は半世紀前を基準にしているが、その訴えるものは普遍的で現在にも通じるものがある。人類は成長していないのか? 半世紀では僅か変化しか測れないのか? 何れにしろ、SFの典型的な設定で、日本人の感性に合わせてアレンジされた物語。二十一世紀になっても朽ちる事はない。
読了日:06月30日 著者:田中光二
https://bookmeter.com/books/21996132

■纏足探偵 天使は右肩で躍る (集英社文庫) [Kindke]
風変わりな設定ではある。清王朝の文物・風俗については纏足を中心に異国人から見た中華文化の視点だ。登場人物には実在の高官の名が見えるが、敢えて時代の違う人物と、まさにこの時代に権能を振るった人物名がぶつかっているのは面白かった。王朝が隆盛を迎える前の闇の部分も描かれているのは好みだ。
読了日:06月25日 著者:小島環
https://bookmeter.com/books/22717627

■扇谷家の不思議な家じまい [Kindke]
伝奇ロマンで超能力者を生む一族の百年ほどに渡る物語り。SFと云えばSFである、充分にそう呼ばれる資格がある。血脈の異様さに起因する陋習に中で喘ぐ人達が、緩やかに拡散していく群像劇。外部の人間が取り込まれていく過程でもあり、最後は結束を解いて拡散していく。語り口が緩やかで最後の場面は幻想的で美しく、希望が見える。作者の他の作品が気になる一作だ。
読了日:06月22日 著者:実石沙枝子
https://bookmeter.com/books/22690332

■ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒 (電撃文庫) [Kindke]
設定と人物造型が魅力的だ。だ「アミクス」の語源が書かれていないのが掻痒感。肉体的な活劇よりも、脳神経的、情報工学的な攻防が面白い。エチカは小柄でチッパイで、軽快な服装を好む自閉症傾向の強がりだな。続きが書かれているのでワクワクしながら巻を進めよう。新人にしては文章力が高くて落ち着いている。表現で違和感を覚えた箇所が少なかった。
読了日:06月20日 著者:菊石 まれほ
https://bookmeter.com/books/17666588

■P+D BOOKS 燃える傾斜 [Kindke]
自分が生まれた頃に書かれた、戦後日本SF。古臭さはあるけど、これが基本だ。作者らしい組織と個人の問題、異種族間交流と宇宙戦争の様相は今でも切り口を変えて作品が成立する設定だ。敗戦後、欧米の文化を取り入れて発達した日本SFの源流には、日本人独自の視点がしっかりと据えられている。後世に残すべき文化だな。
読了日:06月17日 著者:眉村卓
https://bookmeter.com/books/22306151

■ヴァンパイア・シュテン [Kindke]
徐福が日本へ漂着した伝説と陰陽師や大江山の鬼退治の説話を組み合わせて下敷きにした伝奇ロマンアクションSF。緩急の制御されたテンポの良い文章で引き込まれた。日本人にとって鬼とはと云う問題の考察が深い。鬼と化したものに比べて、人のまま無体な事をする奴らとどちらがましか。様々な伝承・説話を盛り込んでいる。茨木童子女性説は実際にあるのだし。話は一段落したが、終わりではない。瑞祥がこの後どうするかが気にかかる。その視点での続編を望む。うん、面白かった。
読了日:06月14日 著者:福田 和代
https://bookmeter.com/books/22646056

■妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom― (電撃文庫) [Kindke]
発想は面白い。世界設定は無理気味だけど、そこは勢いで押し切った。基本的にラノベの作りだけど、根底でトンデモ物理学が炸裂している。記述の粗は目立つけど、手を入れていないならこんなものか。残念な事に作者は亡くなっているそうだ。もっと修業を積んで突っ走った作品を読みたかった。敵と味方が入れ替わり交錯する構造はなかなか良かった。そして、ちっぱいは正義だ!
読了日:06月11日 著者:電磁幽体
https://bookmeter.com/books/22676843

■マルドゥック・アノニマス 10 (ハヤカワ文庫JA) [Kindke]
オフィスとハンター一味、そしてシザースがそれぞれの生き残りを賭けて熾烈な争いを繰り広げている。ウフコックの在り方が愈々重要な要素になる。複雑な社会/組織運営の論議、訴訟に関する問題が入り組んで、会話劇が進む。でも、やっぱり鬱憤を晴らすようにエンハンサーの熾烈な戦闘が描かれる。正に人間離れした元人間の異様な能力と加虐嗜好が炸裂する。果して此の先、人造の生物であるウフコックは人間とどう関わるのだろうか?
読了日:06月06日 著者:冲方 丁
https://bookmeter.com/books/22688699

■超機動音響兵器ヴァンガード (創元SF文庫) [Kindke]
ハチャメチャに面白かった。勿論トンデモが炸裂している。人類社会の問題点の洞察も深い。個人のキャラも立っている。三部作の始まりで、この先、超越的な敵との本格的な戦闘が始まるのだ。音楽で巨大ロボットを操る(?)場面は緊張感がある。でも、日本には般若心経を唱和して巨大ロボットを操るネタがあったりする。いずれにしろ続刊が楽しみだ。星雲賞に推した一作だな。
読了日:06月02日 著者:アレックス・ホワイト
https://bookmeter.com/books/22660081


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