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2024年03月31日17:58

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日本SF作家クラブ企画『少女小説とSF』を読み終った

編者の解説にある少女小説の変遷を読んで、半分以上知らない事象があるな。やはり、コバルトとそれ以前と云う認識が抜けていない。その後のライトノベルなどでは少年小説と少女小説が曖昧になっているとは感じていたが、SFとファンタジーが癒着してもいるな。やっぱりハードSFは入り込めない所もジャンルとしての要件だろう。そうは云っても奔放で自由な発想が花開く舞台として存続していくことだろう。

kindle版、ええとなあ、目次や扉を画像にするんじゃない! テキストデータを取り出せないじゃないか。設計者が無能だな。

『この日、あたしは』新井素子
新井素子も進化しているんだな。少しズレてるかも知れないけど、AI開発について結構具体的な記述になってる。
AIが自我を持つか、人間はAIの成長と自分の変化を同等に扱えるのかの考察。新井素子らしい文章は健在だ。

『ぼくの好きな貌』
特に科学的なネタを仕込まれていない。まー、双子の共鳴問題がそれっぽいか。サイコホラーだね。どこかで姉と妹がひっくり返ってないか? 混乱させに来てるな。〈彼〉って怪しい奴だ、ヘタレだ。あ、人面瘡はトンデモ科学っぽいな。

『わたしと「わたし」』ひかわ玲子
人類とは見た目は似てるけど、全く違い発生メカニズムの生命体、でも交配可能。
二人が一人になる通過儀礼が一人だけだと違う過程を辿る。しかし、やはり違う生物で、残酷な未来が暗示されている。流石に巧い作者だ。

『ロストグリーン』若木未生
最初読み始めて、音楽って案外そんなもんだな、既存の物の切り張りだと感じた。実際人類文明は再発明で成り立っているのかも知れない。少女小説だからって女性が中心である事は必須ではなく、男(と思える)だけで成り立つんだな。

『守護するもの』津守時生
宇宙SFで、こう云うのも少女小説なんだ。バディものとしてはちょっと風変りに思える。展開と云うか、設定は作者の中には出来ていて既存作の読者にはわかるけど、初読だと記述が唐突に思える。でも、嫌いじゃないよ、こういうノリ。

『あなたのお家はどこ?』榎木洋子
偏見かも知れないが、ここまで読んだ中で一番少女小説らしい。しかもSFで、AIで、友達の関係や親との触れ合いに戸惑う少女の心理描写が生き生きと活写されている。勿論今はもっと幅広く展開しているんだよな。

『一つ星』雪乃紗衣
ずっと厳しい、夢の無い描写が続くけど、成る程そう云う設定か。何か清原なつの『銀色のクリメーヌ』を連想した。
途中道具の記述があるので惑わされるのがあざとい。
気になるのは片仮名語の振り仮名が多過ぎて読み難い。

『或る恋人達の話』辻村七子
少女小説の広がり・多様性は凄いものだな。
歴史改変でSFで社会制度批判でBL小説だ。主人公の二人が最後に飲み込んだ言葉は深いな。社会の変遷は巧く描写されている。なナポレオンは嫌いと云う程でないけど厳しいな。


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