言葉遊びあり、
言葉の律動があり。非常にふざけたと批判される内容あり、幻想的な抒情があり、不条理な超現実あり。
『宵興行』
何というのか、黒テントや大駱駝艦を思い出す様な世界観。筒井文学が、そう云った嗜好を孕んでいるんだな。
不条理な出来事が日常に入り込んでくる感覚。
『離婚熱』
小説の描写なのか。夫婦にありきたりな不満の羅列が作内の作家夫婦にも実は横たわっているんだろうか?
なさそうでありそうなリアルな虚構。現実と虚構の入れ子構造。メタ文学だな。
『武装市民』
いったい何があってこの様な事態になったのか、説明は一切なく読者を突き放している様でいて、描写される状況に引き摺り込んでしまう叙述テクニックが凄い。
作者は銃の所持免許を取得していたんだよな。その辺の影響だろうか、銃撃が書きたかったのか。
『手を振る娘』
フェティシズムとアニマと妄想と勘違いと錯視。
作者の過去作品『講演旅行』が何と無く思い出される、関連は無い話だけど。幻想文学と思えるな。
『夜来香』
薬にもなる植物の蔓がこの作品名の由来。何とも末期の上海租界の一場面が悲しい。満洲でも同じような場面があったのだろう。
森川久美の作品群を思い出しちゃうね。情緒溢れる一編だ。
李香蘭の楽曲にも言及されている。
『コロナ追分』
言葉の律動を羅列しつつ、決して無意味な文言ではない。
作家がやるべき当て擦り、批判、揶揄をやっている。内容はかなり真実を衝いている。あの狂乱が如何に虚しかったか、日本政府が如何に無策で愚かだったか。
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