今、日記のストックが二つ、つまり二日分ある。
多すぎると、毎日の気づきを文章化しようという動機が薄くなる。
逆にゼロだと焦る。
いまの二つという数は、危機感と安心感のちょうどよいバランスなのだと思う。
これは、収入と貯蓄の関係などにも一般化できる感覚かもしれない。
余裕がまったくなければ不安に追い立てられるが、余裕がありすぎると緊張感や工夫の動機が鈍る。
人は、完全な欠乏でも完全な充足でもなく、その中間のどこかで最もよく動けるのではないか。
ただし、本のストックは少し事情が違う。
積ん読人間の私にとっては想像の世界でしかないが、未読の本の残りが数冊という段階になると、活字中毒者には焦りを通り越して、ほとんどパニック寸前かもしれない。
直ちに図書館か書店へ駆け込まねば、という行動を促されるだろう。
ここには正反対の構図がある。
生産する側のストックは、過剰になるとかえってインセンティブを弱める。
だが、消費する側のストックは、底が見え始めると焦燥を生む。
同じ「ストック」でも、それが自分の行為を蓄えているものなのか、自分を支える燃料なのかで、心理的な働きはまるで違うのである。
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