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2026年07月01日19:53

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【記録】二千六百八十六年(令和八年)六月に読んだ本

冊数も少なかったし、SF濃度は薄かったな。そんな月もあるさ。

2026年6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1659ページ
ナイス数:23ナイス

https://bookmeter.com/users/1615/summary/monthly/2026/6
■ロボットが泣いた夜(新潮文庫) [Kindke]
骨盤として人工知能心理学と脳神経科学があるSFだ。でも、背骨は情念的な方向に傾いている。家族、兄弟、人間とロボットとの恋愛、人間がロボットに抱く感情と、ロボット(AI)が人間をどう捉えるかだ。舞台となる社会は在り得る地続きの未来だな、朝鮮半島が統一国家に一応なっている。他の国の事はあまり言及されないが、考え得る技術の発展がみられる。背骨が骨盤に深く食い込んでいる構造だな。しかし、ロボットは愛を抱く対象たり得ないと云うのが結論だな。
読了日:06月25日 著者:シルヴィア・パク
https://bookmeter.com/books/23399147

■観覧車を育てた人-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作 [Kindke]
クロガネソウと云う架空の植物が技術史を書き換えた世界でのちょっとセンチメンタルな家族の物語が紡がれる。賞を獲っただけの事はある描写力だ。クロガネソウの発想の元は、ヨコジュンさんの琴平牛蒡が一種の植物で作れるとか、象牙成分を含有した竹で麻雀牌用だとか云ったアイデアに触発されたんだろうか。社会背景の書込みは足りないが、植物の特性と遺伝子編集とかぶっ飛んだトンデモ科学がいい。勿論余剰的な物語自体が好もしい。
読了日:06月17日 著者:雨露 山鳥
https://bookmeter.com/books/22875412

■密林の語り部 (岩波文庫) [Kindke]
ラテンアメリカ出身の作家の作品で、アニミズムや神や悪魔や魔法について語られるが、バルガス・リョサは魔術的リアリズムには与していない作家だ。欧米的価値観や耶蘇教的倫理感の現実を突き詰めて文明批判をするうえで、対比的に「原始的な」文化を挿入している。これは中南米だけに限った問題ではなく、人類社会全体の病巣を明らかにする文学だ。彼より先に魔術的リアリズムでノーベル賞を受けた作家がいるが、彼の受賞はそれに対するものなのだろう。ある意味SFで使われる手法である。
読了日:06月16日 著者:バルガス=リョサ,西村 英一郎
https://bookmeter.com/books/12730869

■氷鉄のフロンティア 〜転生ロボット工学者、ゴーレム直してたら技術革命起こしちゃった〜 [Kindke]
ずっと個性的なSF作家としてSFマガジン上で読んで来た作家が初めてライトノベルをものしたと。大分前だが、あるライトノベルレーベルで作品を出している作家が「如何に編集者の目をかすめてSFを盛り込むかに苦労している」と云っていたが、今はこんなにはっきりと剣と魔法の世界を科学と数学で冒してもよくなったんだな。続刊ではさらに技術革命が進む事だろう。魔法が数理的に説明される事を期待。
読了日:06月09日 著者:十三不塔
https://bookmeter.com/books/23419047

■長野怪談 (竹書房怪談文庫) [Kindke]
怪談に語られる現象は実際に起こった事なのかと云えば、幻覚や誤認識の作用を指摘せざるを得ない。熱力学の第二法則に違反する現象が現実であるわけがない。禁忌の為の作り話や客観性を欠いた伝承が伝えられた上に、認知バイアスが影響して怪異を見ているの現実で、そこに拠ってモキュメンタリー系ホラーは成り立っている。徒然草第八十九段の猫叉の話が典型だろう。あくまで想像力と作家の力量としての怪談小説は楽しめる。巻末の参考資料の多さと語り口の妙で、悲鳴をあげる様な事はないが背筋がぞっとする話を楽しめた。
読了日:06月05日 著者:丸山政也
https://bookmeter.com/books/23438731

■マルドゥック・アノニマス 11 (ハヤカワ文庫JA) [Kindke]
非常に複雑な状況になって来た。場面転換も熾烈な殺し合いと、ハンターを巡るノーマの策略。また、薬害訴訟に纏わる手続きなど。バロットがライムに対して感じてしまうのは恋情ではないだろうが母性的であるし、アビーの成長を見守る視線は姉の様だ。愈々根底の対立構造が見えてきたが、この先どの様な展開になるのか? 百鬼夜行の血塗ろ戦闘を期待したい。しかし、ハンターの物言いは慇懃無礼だな。
読了日:06月03日 著者:冲方 丁
https://bookmeter.com/books/23421011


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