●近所の居酒屋が看板を下ろし、職人さんたちが所謂原状回復工事をしている。ははあ、そこそこの年数続いてて軌道に乗ってたかなと思ってたが店じまいか…。この店は二三度行ったことがある程度で特に思い入れも深くないが、それでも知ってる場所がなくなるってのはやっぱり少々物寂しい。
外装を取っ払った店舗の壁面に、かすれたペンキ文字で「メガネ・カメラ」とある。なるほど、居酒屋の前はそういうメガネ屋さんか何かだったんだな。…記憶にねーなー!? この店なんとなく新規開店の時の記憶があるからめっちゃ昔ってワケでもないはずだが、その前ってメガネ屋だったっけ…?
まあ古いメガネ屋店舗が廃業してその何代かあとがこの居酒屋であり、だから覚えてないって可能性もある。がしかし、改めて考えてみれば居酒屋以前の状況がそもそも思い出せないのであり、つまり我が判断も記憶も論理も全くあてにならない。よく「潰れた店は思い出せない」とか言うけど(言うか?)そういうことにしてここにはメガネ屋があったとしておこう。こっちが「しておいて」も何の効力もないけれども。
●…そうよな、店は終わるんである。その期限はこっちの寿命や引っ越しと比べても決して長くはない。だから自分のエエ感じな外食状況を維持するにはコンスタントに新たなメシ屋や酒飲み屋を開拓する…そんな人跡未踏なものでもなく、多くの他者が知っている場所を自分も知識として加える…そんな行動がどうしても必要になるのだろうけれど、トシ行って気力体力衰えて開拓力が枯渇するんだよなあ。
好みの外食店が無くなってしまい探すこともできなくなる、そんな寂しい未来はなるべくなら避けたい。だからこそ早く電脳化してデータで快楽や情報を扱える世界が来るといいですね。万事解決です。…そんな時代に生まれなかったわが身をちょっとだけ呪ったりする。いいなあ、後の世代は。俺もサイバーパンクしたかったよ。なんだこの結論。
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