ホラーにSF的な論理的解明を求めてはいけない。
先日ホラー作家の丸山政也氏とTwitter(旧x)でやり取りしたが、「もどかしさ」はホラーの重要な手法なのだな。そこにAIを絡める事に拠って、施錠の現代性が加わるが、事態はややこしくなる。
AIが怪異とどう関わるかに興味を持って読み進めたが、それよりもAIが人間をどう認識するか、AIが人間に対して見せる[性格]ほ描写は面白いと思った。
『不明廃村』
怪異と超高性能な自律汎用AIを搭載したアンドロイドの対決が始まる。どうやって霊とかを認知するのか興味深い。あくまで科学的・数理的に対する態度がいい。
あるかも知れない怪異を、オッカムの剃刀で切り裂け!
『対怪異アンドロイド開発研究室(1)』
本命の事件の合間に、如何にいかれた研究室であるが語られる。案件ごとに記述されるのだね。緊張感を緩めるし、背景事情を説明する役割を担ってもいて、いいバランスだ。
『回葬列車』
電車が怪異の場合もあるし、電車の走る路線や駅までもが異界の場合もあるが、アンドロイドでも入り込める設定。検知できるAIを搭載しているのだから当然だが。
それよりも、怪異に取り込まれる人間に異常だと思えることが重要なのだろう。
『対怪異アンドロイド開発研究室(2)』
怪異の正体は解明できなかったが、アリサは離脱する事は出来た。怪異電車に乗っていた人間は怪異である可能性は微妙だが、呼び込まれる性質を持っているのか?
物理法則が素直に通用しない世界を解明できるのか?
『共死蠱惑』
死者の怨霊か人外の者か、男に獲り付いて異界に誘う存在は多く記述されている。牡丹灯籠然り、聊斎志異にも同様の話は多い。
魔物登情を交わし、現世から逸脱する人間の哀れ。怪異は連鎖し拡散する。
『対怪異アンドロイド開発研究室(3)』
新島ゆかりは何か才能があるのだろうか? 怪異に好まれるのか?
白川有栖がアリサを作った理由、AI開発と機体の開発の目的が暗示される。異界とは何なのだろう? 実在しないが感知出来る何かなのか?
『餐街雑居』
雑居ビル全体が怪異に乗っ取られたのか、それでも現世に留まっているのか?
桶狭間の登場で事態は益々有耶無耶になって行く。怪異は描かれても、怪異の正体は解明されないもどかしさはホラーだからか? AIは味付でSFにはならない。
『対怪異アンドロイド開発研究室(4)』
何故ロボットは人型か? 鉛筆削り器が片手に鉛筆、片手に刃物を持って削る様には設計されない。目的の業務に合わせた携帯に機械は設計されるものだ。
人の心の闇を探るのに人の姿が必要なのだろうか。
『異界案内』
アリサは異界タクシーに乗って、現世と重層する大学に帰り着く。この事に拠って量子力学的な重ね合わせが現出するのか? 観測に拠って終息が検知されると云った問題には発展しない。
異界が積極的に緩衝していると思われる。
『対怪異アンドロイド開発研究室(5)』
異界と現世の接点になっている企業か。どっち側なんだろうか?
『非訪問者』
新島ゆかりの才能が発揮される。アリサと新島の関係が微妙になる。相変わらず怪異がどのような法則法って如何なる原理で発生するかが示されない。
AI研究にとって怪異とは何なのかの究明が本題ではないのか。
『対怪異アンドロイド開発研究室(6)』
白川有栖教授は「ぐひっ。ぐひっ。ぐひゃひゃ!」と笑い、ぞんざいな口ぶりでへこまないキャラの方が面白くなるんだが、弱みを見せて、怪異に対する姿勢が見えてしまう。
仕組みを理解しようとする方向ではない。
『幽冥寒村』
これまでの怪異調査で現出した事態が繋がった様に見えて、実は何も解っていない。盛上がりとしては怪談だが、伝奇的でもない。
それに恐怖間全く覚えない。
だから、何んでそんな事が起こるのか解明されないままだ。
『対怪異アンドロイド開発研究室(7)』
怪異をネタにしたパニック小説として幕を閉じる。多く飛交うネットロアを大形に総まとめした感じだ。
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