mixiユーザー(id:415360)

2023年12月03日18:28

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斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』を読み終っている

何のかんので中間の日記をサボってしまった。
しかし、描写の中には繊細な人類社会を見つめる視線が窺える。標準的なSFガジェットを鏤めながら、作者独自の(猟奇的な)世界が広がっている。
冒頭と締め括りは、肺のある本が主人公。文学に対する愛着が滲み出ている。

11/30:『痛妃婚姻譚』
こっそりと時間を隔てた世界の交流譚。痛みを他者に転送する技術を持った時代と、痛みの引き受け手を送り出す時代。
痛みを引き受ける痛妃は代償に名誉を得る。絢爛師は幼馴染み。そんな二人の愛の物語。あくまで残虐で猟奇に彩られる。

12/1:『金魚姫の物語』
八十年代のに十歳代の女流漫画家が描いたような描写。
だけどこの作者なので、やっぱり猟奇で残酷な現象が語られる。滅びに向かう我が身を曝す女性とそれを記録し展示する男子の不思議な恋情のやりとり。
金魚の写真は事態を解消しない。

12/1:@『デウス・エクス・セラピー』
時空移動が出来る時代から来た救済者の行動は制限される。タイムパラドックスの回避としてその解釈があったか。
登場人物が皆異常者で、異常者が異常者を破壊する作者らしい残虐描写が心地好い。
百合SF要素も仄かに香る。

12/1:『本は背骨が最初に形成る』
冒頭作の前日譚。版重ねの興奮を観覧して、自ら望んで本になった少女の話。他の本達も自ら望んだのか。
冒頭作の主人公「十」はどうなんだろう。目を潰す事に拠って高みを望んだ様でもある。
物語の伝承が狂った世界の異常さよ。

本であるとは云え、血肉を具えた存在が生きながら焔に呑まれる残虐さよ。この作者の嗜好は、思いっ切り異常だ。やはりネクロフェリアなんだろう。そして、SF的猟奇な世界の創造力の豊かさよ。この人の作品世界に惚れた。


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