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2023年10月24日19:44

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青山美智子『リカバリー・カバヒコ』は優しい、心温まる話

SFではない。ファンタジーなのかと云うと、魔法も怪物も出てこないがファンタジーなのかな。
寂しい公園のおんぼろなカバ型のアニマルライドが、とげぬき地蔵の様に体の悪い所を癒してくれると云う都市伝説。実はクリーニングの老女店主が導いているのかもな。
自分にも心当りがある、心のバランスの崩れが、体に不調を呼び込んだのを、如何に回復するか。内面を見つめる連作短編だ。

『奏斗の頭』
何かしら自分自身との向き合い方に躓いた人々の話。最初は成績に悩む男子高校生。
蓄積では点数が振るわないのはは良く解る。僕はそれで焦る事は無かったが。
自分から壁を作ったことが、自分に跳ね返った事に気付く、カバヒコの汚れを取る事で。

『紗羽の口』
ママ友との距離を測りかねる幼稚園児の母親。嘗ては仕事に自信を持っていた事で巧く馴染めない。押しの強い相手に引き摺られてしまう。
こういう人間関係は難しいな。どうしても自分がどう見えるかを気にしてしまうものだ。

『ちはるの耳』
現役のキャリアウーマンがストレスを溜め、聴覚に異常を来す。自意識過剰が齎したの異常だ。
クリーニング店の老女店主が教えてくれる、カバヒコに向かう様に。
相手がどう思っているのかを勝手に想像してしまい、自分を追い込む事は苦しい事だな。

『勇哉の足』
この物語の視点人物達は、自分を測りかねて、他人との触れ合い方に支障を来す例ばかりだ。小学生と雖も例外ではない。
仮病が本当に疾病を誘発してしまう。意識が一か所に向かってしまうと、他の事が見えなくなってしまうのは大人にもある事だな。


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