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2021年09月16日00:02

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映画「スザンヌ、16歳」

ひさびさにため息が出るほどすてきな映画に出会った。若き才能の誕生に出会う、そんな感じ。上映の前に、スザンヌ・ランドン監督のメッセージがある。二十歳という年齢よりもさらに幼く見える。ちょっとはにかんだ感じのだけどうれしそうな感じがはじけ出るような、滑らかな英語で「私の作品が日本で上映されることになってうれしい。ほんとは日本に行きたかった。COVID19のせいで行くことが出来ないので、このビデオメッセージを送ります」と話し始める。まず、ここで彼女に心をつかまれてしまう。

映画の中のスザンヌは、学校の友だちは何となく退屈だと思っている高校生。家の近くの劇場前で見かけた30代半ばの舞台俳優ラファエルに心引かれる。ラファエルもスザンヌに気づき、言葉を交わすようになる。カフェの外のテーブルで飲む赤いグレナデン・ソーダ。一緒に聞く音楽から湧き出るダンスのような動き。らせん状の階段。子どもでもない、大人でもない、この年頃にしかない、ある一つの季節を見事に切り取った短編小説のような作品。

なんと、彼女は高校に入る前の15歳の時にこのシナリオを書き、高校卒業後、19歳で自身が主演、監督した。現代演劇、ダンス、クラシック音楽などの要素が取り入れられ、小道具にボリス・ヴィアンの小説の本が使われる一方、今どきの若者の必需品、スマホやパソコン、いや、電話すらも登場しない。それが、何とも言えず爽やかで上品な雰囲気を醸し出しているのかも知れない。

ランドン監督の父は、俳優のヴァンサン・ランドン、母も俳優(サンドリーヌ・キベルラン)だそうで、七光りと言われそうなところだが、本人もそう思われるのを嫌って、最初から女優を目ざそうとせず、まず、シナリオを書いて、その作品に出演するという口実を作ったのだそうだ。
父のヴァンサン・ランドンの出演作のうち、記憶のある映画は20年くらい前のコリーヌ・セローの「女はみんな生きている」くらいだな。

ちょっとシャルロット・ゲンズブールが14歳の時の作品「なまいきシャルロット」を思い出したんだけど、日本でもフランスでも、それに言及したレビューがけっこうあり、インタビューによると監督自身も好きな作品なのだとか。シャルロット・ゲンズブールもセルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの娘だから、境遇もちょっと似ているかも。次の作品も楽しみな監督だ。
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