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2017年10月13日19:15

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唯一の希望が実は絶望だったと知った時

唯一の希望が実は絶望だったと知った時、人の心は折れる(笑)

長兄との対局を開始。
相手の出方に応じて対応できるように複数の作戦を用意していたが
長兄は全くの正攻法の居飛車だったので
結局、阪田流向かい飛車+筋違い角に落ち着き教科書通りの序盤になる。
幸先よく相手飛車先の一歩を掠めとり、あと一手、銀を進出させて押さえ込めば
こちらの優勢を拡大できるというところで、当然ながら長兄からの反撃が始まった。
「その反発も織り込み済みだ。勝利への道は見えてる!」
例によって例のごとく、たぶんこちらの対応間違いがいくつかあり、地力の差で押し込まれ始める。
格上相手にどうにかしようとするなら不利になるのは当たり前のこと。
劣勢になってうろたえる程度の覚悟では番狂わせなど起こせない。
少しずつ削られ、押し込まれながらも「自分なりの最善」を続け、被害を最小限にとどめる努力はあきらめない。
格上相手に必死で粘る時間帯が
将棋を指していてもっとも好きな時間帯だ。生きている実感がある。
ガードを固めつつ、そのガードの下では虎視眈々と「戦機」が生じるのを待つ。

格上相手に不利な展開で、いつ反撃に転じるのか?の判断はきわめて難しい。そしておもしろい。
焦ったり、我慢できなくなって相手に動かされるのでは勝利は覚束ない。
かといってジリ貧なまま「逆転限界点」を超えてしまっては反撃の意味がなくなる。
どこかで反撃に転じなければ「力の差のままにすりつぶされて」「ごく順当、平穏無事に負ける」だけだ。
自分のhpやmpの損耗具合と相談しながら、相手のミスを待つ。
・・・あるいは自分のミスを待つ。
実は自分のミスも「戦機」にはなる。悪手は悪手を呼ぶということがあるので、あながち馬鹿にはできない。

懸命に「自分なりの最善手」で応じ続けるが、長兄の巧みな歩の手筋によって結果的に私の桂馬が捕獲された。
「そろそろか」
追い詰められてこそ限界まで力が発揮され、一筋の光明を見出すこともある。
「これしか・・・ない!」
私は桂馬を捨て、角を切り、飛車をぶった切り、長兄の玉を必至(次に私の手がくれば詰み、受けもない)に追い込んだ。
こちらの玉は無傷の金美濃。攻めの決断前に、あらかじめ入手した金を打ち付けて補強してある。
長兄は「ほう」とでも言う感じで少し表情が変わるだけであった。

長兄の指がしなり、連続王手が始まった。23手詰め。瞬殺。渡した飛車角桂馬を全部活用されてピッタリの詰み。
長兄「ここの逃げ方を間違えたな。本来は27手詰めだ」
意気消沈する私に長兄の容赦ない追い討ち(笑)
ハナー「でも一手違いだったわけで。今迄で一番追い詰めたというか接戦だったよね?」
長兄「(心底意外そうに)ん?何行ってるんだ? 完全に読みきってたから一手違いは『安全勝ち』だぞ?」

私が闇の中で唯一見出した・・・と思っていた光明。
私はそれを「希望」だと思い飛び乗ったのだが、それこそ局面を単純化し、長兄の読みのうち、手のひらの上にのってしまう「絶望」の選択だった。
「次元が違う」「見ている景色が違う」わけだ。
これはさすがに自分の心がへし折れる音が聞こえた(笑)。20年前のこの体験が今の私に与えている影響は甚大である。
唯一の希望が実は絶望だったと知った時、人の心は折れる(笑)。ハナー、覚えた。

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