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2026年07月28日05:21

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個人的な「アニマ」

ユング心理学には「アニマ」という概念がある。
男性の無意識のうちにある女性像、あるいは感情・直感・受容性の象徴、と大まかに理解している。

最近ふと考えた。
私のアニマは、たぶん二人の女性像にかなり近い。
しかも、どちらも昭和のテレビ番組から来ている。

一人は、ドラマ『雑居時代』で、最後に主人公の大場十一(石立鉄男)と心を通わせるヒロイン、栗山夏代(大原麗子)である。

夏代は気が強い。
しかも、詩人として脚光を浴びそうな場面があり才気もある。
だがその一方で、男やもめの父(大坂志郎)と妹たちを慮り、家の中で母親役を引き受け続ける。
本来なら自分の人生をもっと前へ押し出してもよいはずなのに、そうしない。
損な役回りであることを知りながら、それでも引き受ける覚悟がある。
この、強さと温かさ、自己主張と自己抑制の同居した女性像を、大原麗子が実にうまく演じていた。
これが、私の中の一つ目のアニマである。

もう一人は、とあるSFドラマに出てくる、紫の髪のクールな女性士官である。
ここでNERVの葛城ミサトを思い浮かべた人がいるかもしれないが、それは平成のアニメなので、私のアニマとは少し違う。

正解は『謎の円盤UFO』のエリス中尉(ガブリエル・ドレイク)である。
紫のウィッグでムーンベースを指揮し、総司令ストレイカーに並ぶ沈着冷静さを見せる。
しかも、コンピュータの指示の誤差を脳内で補正して、正しいコースを指示する。
あの「人間が機械より一段上で判断する」感じが、実に格好いい。
感情を表に出しすぎず、しかし冷たいだけでもない。
理性と判断力が、そのまま魅力になっている人物である。

こうして並べてみると、私のアニマの輪郭はかなりはっきりしている。
一方には、夏代のような母性的な温かさ、引き受ける強さ、生活を支える情。
もう一方には、エリス中尉のような理性的な冷静さ、判断の速さ、危機の中でも崩れない知性。
つまり私の中では、アニマは単なる「優しい女性像」ではなく、
温かさと冷静さ、包容力と判断力の両方を備えた女性像として形を取っているらしい。

考えてみれば、これは少し面白い。
一般に「男性の心の中の女性像」と言うと、やわらかさや癒やしの側に寄せて考えがちだが、私の場合はそこに、かなりはっきりとした理知の線が入っている。
母性だけでは足りず、知性だけでも足りない。
夏代とエリス中尉という、まるで別方向のように見える二人が並んで、ようやく輪郭が出る。

たぶん私にとって魅力的なのは、
ただ優しい人でも、ただ有能な人でもなく、
人を受け止める温かさと、状況を見切る冷静さが同居している人物なのだろう。
そう考えると、アニマというのは単なる好みの女性像というより、
自分の内面が「こうありたい」と感じている心のかたちの投影なのかもしれない。



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