先日、法事があって、義父宅で久しぶりに孫に会った。まだ二歳とすこし。
義父の家で、少し急で踏みしろの狭い階段をいっしょに上がり、二階でしばらく遊んでから、また一階へ下りてきた。するとその二階がよほど気に入ったのか、孫が「うえ、いこ」と大人を誘いはじめた。
ここでおもしろかったのは、その誘う順番である。まず自分の父母ではない。最初に声をかけたのは、ひいじいちゃん。次がおばあちゃん。どうも幼いながらに、「このへんはちょろい」という見立てが、かなり正確にできているらしい。もちろん言い方は悪いのだが、要するに「自分の言うことを聞いてくれそうな順」に当たっているのである。なかなか大した観察眼で、可笑しいやら可愛いやら。
こういう様子を見ていると、人はずいぶん早い時期から、相手ごとの反応の違いをちゃんと見ているのだなと思う。昔、学校現場にいたころのことも思い出した。高校生くらいになると、相談を持ちかける相手を案外よく選んでいたものである。慰めてほしいときに行く先生、少し甘めの答えをくれそうな先生、逆に厳しくても筋の通ったことを言ってくれそうな先生――そのへんの使い分けは、なかなかしたたかだった。
もちろん、二歳の子と高校生をそのまま並べるわけにはいかない。けれども、相手を見て、誰にどう頼めば通りやすいかを考える、その人間らしい知恵の芽は、案外ずいぶん早くから出ているのかもしれない。
それにしても、こちらはただ階段を上がって遊んだだけのつもりなのに、孫の中ではすっかり「もう一回やってくれそうな大人ランキング」が出来上がっていたらしい。油断ならないが、まことに可愛い。
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