映画フォロー・ミー。私の好きな映画で5指に入る、傑作中の傑作。ジョン・バリーの絶妙な音楽と共に描かれる、無言の優しいまなざし、寄り添い。互いを理解し合うのに言葉が必須とも思えない。人間関係の機微と、男女の愛情を描いた物語。
まず音楽をどうぞ
Follow Me (1971) ~ Follow, Follow [Long Version]
https://www.youtube.com/watch?v=UIKT_n7qTro
以下、ネタバレ注意、ここまでで興味を持った人、配信などあるかもです。これ以降は読まないで!! 十行空けます
物語:DVD付属のブックレットから完全引用です。ネタバレ再度注意!!
//物語
英国の上流階級に属し,地位も財産も申し分のない一流の会計士チャールス(マイケル・ジェイストン)には深刻な悩みが一つあった。それは新妻のベリンダ(ミア・ファロー)が、この頃、浮気しているのではないかという疑いにつきまとわれたからだ。
チャールスは私立探偵を依頼した。だがやってきた探偵のクリストフォル−(トボル)というのが、どちらかといえばうすよごれたレインコートにヒッピースタイルのカバンをさけた風変りな男であった。そして場所をかまわずマコロンをいつも口にほおばっていた。だがどことなく親しみと人間味があふれた男でもあった。
チャールスはとにかく結婚のいきさつを語った。ベリンダが小さなレストランで料理の名前すらよく覚えていない新米のウェイトレスをしていたこと、そのあどけない初々しさかロンドンの上流階級で育ったチャールスには特に新鮮な魅力を感したこと、そして互いに心をかあわせて結婚したことなど・・・クリストフォルーは調査依頼をOKした。
たがカリフォルニアでヒッピーの群に目を投したこともある自由人のベリンダにしてみれば、結婚後の彼の仕事一辺倒の生活には息のつまる毎日となった、馴れない社交や上流階級の生活をのがれて人間らしいささやかな愛と自由をもとめて、なんの変哲もない湖で夕陽をながめたり、サファリ公園でイルカを見ていたり、イーストエンドのバブで踊ったりしていた。
クリストフォルーはベリンダの追跡を開始した、いつものようにアイスクリームを食べたり散歩したりしていた。ベリングは初め彼を気味悪がっていた。だが次第に彼のやさしさと愛情にあふれたまなざしに心ふれあうものを感じた。決して詰ることしなく、ただみつめあいながらの追跡、幾日かの間に2人はまなざしとしぐさですっかりおたがいに通じあえるようになっていた。
十日後クリストフォルーはチャールスに報告した。彼女にやましいところはない、だがスラリとした二枚目の“恋人がいるかも知れない、というのであった。
それを聞いたチャールスはすごい剣幕で”他に恋人がいる”といってべリングを怒鳴るのであった。彼女は”家庭には愛が必要なのに、この家にはしきたりだけしかない”と悲しそうに言ったあと、自分の潔白を語るのだった”、ただ、マカロンをたべている男がいつも私をつけてきて、いつか心のふれあうようになったことだけは事実だがと。
チャールスは彼女のいう“男”におもいあたった、自分の頼んだ私立探偵である。チャールスはものもいわずに、家なとび出した、クリストフォルーのアバートへ飛び込んだチャールスは、しかし、見事に背負い投げをくらって抑えつけられた。そこへ後を追って来たベリンダが駈け込んで来てクリストフォルーに驚きの声をあげた。そして彼女は男の正体が自分の素行を調べていた私立探偵であることを知り大きく失望して、それ以来家をとびだしてしまった。2人はベリンダを探した。
やがてクリストフォルーが彼女をみつけたのは2人がかつて黙って歩いた熱帯植物園であった。いつしかベリングに恋こころを感じていた彼は彼女に言いよった。だが彼女がほんとうに愛しているのはやはリチャールスであることを彼は知った。クリストフォルーは二人がつまくいけるように心よく案をさずけた。語らずに互いをみつめあい、一定の距離をおいていつも一緒にいることを。
ある晴れた日、テムズ河の遊算船にはクリストフォルーの白いレインコートを着て、マカロンを食べながら、少しはなれたベリンダを見つめているチャールスの姿があった。//
この映画、テレビの深夜映画劇場で見、名画座で見て、いつでも見たい映画の最上位に位置したけれど、3倍速で録ったVHSのアナログ放送時代のクリアでない録画しかなかった。DVDが発売されて、飛びつくように購入した。
ミア・ファローって、とんでもなく魅力的な女優、とびきり美人というわけでもなく(ファニー・フェイス系、いや失礼)、演技が見る者の感情を揺さぶってくる。この女優を説明するとき、"ローズマリーの赤ちゃん"の女優ではちょっと悲しすぎる、が"ペイトンプレイス物語"というソープオペラ(TVドラマ)の最初のシーズンの主要キャラなんて言っても古すぎ。おお「ナイル殺人事件」(1978)のジャクリーン役、「華麗なるギャツビー」(1974)のデイジー役があった。
上流階級出身の、チャールスも、ベリンダと付き合い始めの頃は「自分の好きなモノ」を相手に目を輝かせて語っていたのに、生活がルーティン化して、相手の価値観に目が行かなくなる。アメリカでヒッピーをしていたベリンダにとってそんなとき、出会った後ろをついてくる変人クリストフォルーの優しいまなざしに心を慰められる。ここでロンドンの町並みや、映画(「ロミオとジュリエット」(オリビア・ハッシー版)、「ドラキュラ」(ベラ・ルゴシ版じゃなく、多分クリストファー・リー版))など、離れた席で見て楽しみを共有しあう姿が良い。
最後に、クリストフォルーが授けた夫婦修復の秘策、言葉を介さずに互いの好きなモノを見て、その価値観を受け入れ尊重すること。世界の人生の喜びを共有する事。水野晴郎じゃないけど、シメは「いやー、映画って本当にいいものですね」
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