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2025年06月23日20:25

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アニメ話・小市民/シングレ/ラザロ

●小市民シリーズ・最終話。主に小鳩さんがいろんな方向から報いを受ける話。好奇心と虚栄心で他者一家を引っ掻き回した彼の所業は、しかし今の法律では裁けない種類の「悪行」である。だからこそ、小鳩さんを轢いた犯人は自らの手で復讐する必要があった。…それが、全ての根っこにある弟の望むものではなかった、としたらどうなるか。

ひょっとして、被害が小鳩さんに限定されていたら、ひょっとして…最後の瞬間に彼は「報い」として犯人の意思を受け入れていたかもしれない。問題はここに小佐内さんが噛んできちゃったことですかね。お陰で小鳩さんは危機を回避し、日坂弟さんとの対話にて心の大きなわだかまりを少しなりとも解消させることができた。一人だけ救われていない犯人にも、弟からのフォローがあるといいのだけれど。

結局小鳩さんは、犯人からの報いを回避し、代わりに小佐内さんからの報いを得る。そういう話である。

最後、なんやかんやで眠ってしまった小鳩さんに掛ける小佐内さんの言葉のなんと優しいことか。…別の言い方するならば、小鳩さんはもう何があっても来年の京都に行って、小佐内さんの迷路に惑わんならんワケですね。今後の京都の安寧の為にも、ゼヒともお二人で互いに束縛しあっといて頂きたい。うん、その方が世界の幸せの総量は高くなるでしょう。ゼヒ。

●総評。同じ作者の古典部シリーズと比べて、こっちは放火や轢き逃げなどマジモンの犯罪度合いが高めで少々剣呑な味付け。そうなると主役たちもそれに対応できるくらいには「強い」人でないと話が立たないのだが、特にヒロイン・小佐内さんの強さ、この質がかなり独特なのがいいな。ちんちくりんの非力な女子なんだけど、全編通して見た者には「確かにこの子は狼だわ…」と思わせるキャラとしての強さ。突発的な暴力にはそりゃ弱いが、そういうシチュエーションにはまず陥らないだろうな、というキャラ。

もう一人の主人公・小鳩さんは割と脇の甘い造形で、とんでもなく周到で頭も回るがいささか軽率、そして人情の機微には疎いにも程がある…というね。過去の大ポカでそこに自覚的にはなっているが、しかしその弱点も含めて彼の総体ではある。ちょろちょろといらん事考えがちな彼を、しっかり押さえこめるのが小佐内さんであり、そうしてる間は小佐内さんも危険度が減衰する。ううん、やっぱり割れ鍋に綴じ蓋。

1期の頃にはちょっとした演出的な違和感があったという感想。いや、思索や会話のパートで心象風景がシームレスに出てくるのは個人的には異化効果としてアリで、2期にもなれば更にこなれてきた感じだったし、そこは割と好きなところである。実際長尺で推理状況を話しっぱなしだとアニメとして画面持たせるの大変だし、まあ上手いことやってたと思っている。

違和感の主体は全体的な「温度の低さ」かなあ。堂島さん含めた主要キャラが冷静でカッチリした硬質さがあるのはいいし、作品のカラーとして落ち着いた雰囲気にディレクションするのは普通なんだけど、なんつーか…おちゃらけて上っついたキャラは存在できないような、ちょっとした世界の狭さを感じる。場面が限定的な「舞台感」とも言えて、それがフォトリアルに近いアニメ作品の見た目とちょい齟齬を覚えたのよね。まあその違和感は個人的な好き嫌いに近い。作品の瑕疵にはならんだろうなと思います。

全体通して、とても楽しみに見てました。原作はほぼ使っちゃったらしく、あとは短編集があるだけと聞くが…特別編とかでやってくれませんかね。そのくらい、主役三人に親しんでしまった。小鳩さんと堂島さんの妙な距離感の関係、なんかいいなあ。なんか事件があってしぶしぶ絡むといい。そんな感じです。

●シンデレラグレイ・12話。満を持しての秋天、今までの回で割とトントンとテンポよく進めてきたところを、ここで目一杯ぐっと引き切る。それを視聴側にダルだと感じさせない積み重ねと書き込みがあり、その自信もあるってことだろう。葦毛で下積みの長い経歴という共通点を持ちながら、ノンシャランの朴訥・打てば響くホットスパーと対照的な位置に居る、主役二人のキャラ造形もおいしい。レース前に、そこまで落ち着いて見せる。

レース開始後も各ウマ娘たちの思索や動揺をつぶさに描く。展開に合わせそれぞれにドラマチックなモノローグを振ってはいるが、実際は主人公…ではなくライバルのタマモがメインとなる。ずっと後方からまくってきた彼女が先行して走る、その積極性にくっついてくるのが見えない後方からの怪物じみたプレッシャー…つまり、オグリその人である、と。この段階ではオグリはどちらかというと、キャラというよりシチュエーションを形成する舞台ギミック側の存在なんだよな。

てことで、秋天決着は次回へとヒキ。…あんなけキャラ立たせたシリウスシンボリは、史実とは言え悲しいね。あとアバン、幼少時のタマさんの姿が天真爛漫ながら判りやすく赤貧家庭で割と辛い。本人のキャラを明朗系のカンサイ人に設定したのは多少なりともその辺をマイルドにする恩恵があっただろうか。ま、アプリの時点でそこまで考えてねーとは思います。とりあえず次回待ちで。

●ラザロ・12話。ラストに向けていろいろ話が収束してくる感じは悪くないし、そのキモに居るはずのスキナーまであと少し、というサスペンスもある。障害物としてのラス敵が陸軍情報局と謎の殺し屋、ってのはちょっと格落ちで、過去のスキャンダルをついでに暴露されちゃたまらんし…という行動理由もショボいけど、そういうタチの悪い小物っぽさもアクションものらしいっちゃらしいんだよな。

とりあえず前回の予想通り、エレイナさんとデカ女ウィザードさんはハッカーとしての特殊な仲間意識があるので大状況なんかあんまし関係なく仲良くなる。仲良く? まいいや。んでその大状況、上で書いた米国部局間の内輪もめ…世界でいちばんデカい内輪もめだが、それを打開するにアベルさんの個人的ツテで大統領令を得る、というギミック。あと1日かそこらで世界が破滅するのに大統領令というラベルが必要ってのも皮肉でいいけどね。

アクセルさんは寝たっきりだけど一命は助かってんのが幸い。どうやらまだ彼には役目があるようで、しかし動いたら死んじゃいそうだけどな。…死んじゃうんだろうな。
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