海外作品が極端に少なかったな。『マーダーボット・ダイアリー』の新作は嬉しかった。
2024年10月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2290ページ
ナイス数:25ナイス
https://bookmeter.com/users/1615/summary/monthly/2024/10
■知能侵蝕 4 (ハヤカワ文庫JA) [Kindke]
これまで作者は地球文明と地球外文明とが出合い、諍い、理解し共存する物語を紡いで来た。宇宙SFの王道だ。そして今作では王道を踏み越えた。相手は絶対にコミュケーション不可能な状況の存在だった。観察による知見から地球人は何も得なかったが、対応策を取る中で組織形成の新しい方針を得た。そして、地球人が干渉した事で新たなオビック人が生成された。いつか地球人類と出会う事だろう。しかし新たなオビックの精神構造は地球人由来である、どんな接触になるのだろう。新たな作品世界の地平が開けた問題作だ。
読了日:10月28日 著者:林 譲治
https://bookmeter.com/books/22279342
■【デジタル限定】千歳まち写真集「クールビューティなヒール」 (週プレ PHOTO BOOK) [Kindke]
カッコいい! スレンダーで過激で美しき攻撃者!
読了日:10月27日 著者:千歳まち
https://bookmeter.com/books/22287318
■その果てを知らず (講談社文庫) [Kindke]
自分が生まれる前からSFに携り、構築してきた人の辞世の長編小説だ。一度お会いしたのは三十年以上前、まだ初老で恰幅の良い如何にもやり手ビジネスマンな雰囲気だった。容姿も声も森山周一郎さんの様に渋く落ち着いてた。いきなり地方SF大会を訪ねて来て、そのまま宴会に参加して一緒に楽しい時間を過ごした思い出がある。ああ、この人があの大作を書いたのか、と感銘したものだ。そんな人がこの現世の終焉に残してくれた大きな遺産だ。SFの一つの方法がここに示されている。
読了日:10月24日 著者:眉村卓
https://bookmeter.com/books/22260164
■大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (宝島社文庫) [Kindke]
ミステリ畑から出た作家だけど、どうしてSFも染み込んだ人だとわかる。江戸時代に二十世紀以降の知見を持ち込んで捕物帖と云う手法は確立している。そこは新しい切り口と云うものがあり、見事に成功している。描写も丁寧で、江戸の風俗とか、現代技術の先端は敢えて詳細には記述せず、人物描写と場面転換で仕上げている。タイムパラドックスの問題は言及しつつも迂回している辺りは、あまりハードSFには行かない為の配慮だろう。終劇のもう一人の時間跳躍者の部分はスッキリしないんだな。軽妙な時間SFミステリーとして続刊も楽しめそうだ。
読了日:10月21日 著者:山本巧次
https://bookmeter.com/books/14508747
■システム・クラッシュ マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) [Kindke]
『ネットワーク・エフェクト』の続きから。
「弊機は壊れました」と宣言がある。でも戦闘による損傷などではなく、生体組織・意識面に何か起こったらしい。変質していく。
自分の意志で人間と関わり、自分で任務を決める[暴走した]マーダーボットの先行きは苦難苦難に満ちている。
ARTとの陰険な漫才も面白いし、冷静で皮肉に満ちた独り言がいい。
そして、これはサイバーパンクで、認識戦を戦っているな。
まだまだシリーズは続く。続刊が楽しみだ。星五つの面白さ。SFファンで良かったとつくづく思うよ。
読了日:10月18日 著者:マーサ・ウェルズ
https://bookmeter.com/books/22208012
■タヌキとキツネ 10 (リラクトコミックス)
何ともほんわかした気持ちになるな。
狼さんは、言葉少なだけど目で語っているのがいい。
読了日:10月15日 著者:アタモト
https://bookmeter.com/books/22124696
■海賊忍者 (角川書店単行本) [Kindke]
表題から想像するほど忍者ものでもないし海賊ものでもない。山田風太郎や真田十勇士的な忍術は一切ないし、通りかかる船を襲って略奪するような場面も無い。地方豪族が生き延びる為に知識と技能を積み上げて世を渡る姿を描いている。若い主人公が成長していく冒険物語であり、内面と向い合う青春小説として捉えると入り込める。その分戦国から安土桃山時代には無い倫理観・世界観も入っているが、登場人物の書き分けが巧く気にならない。剣戟もそこそこに面白いし史実を巧妙に取り込んでもいる。良作である。
読了日:10月13日 著者:諏訪 宗篤
https://bookmeter.com/books/22193020
■日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白 [Kindke]
日中合作の素晴らしいアンソロジー。いろんなことを思う。漢詩に親しむと云っても、唐の時代の物が多かったりする。そう云えば漢は莽新に簒奪され分断され、唐は武周に私されているな。奔放な発想で歴史改変されたもろこしの姿がある。そう云えば『光る君に』の頃には唐は滅亡しているんだったなとか。中国人にしろ、日本人にしろ交流は深くあり、大唐帝国に対する思いの深さはそれなりに持っているのだな。また違ったラインアップで、違う王朝のはなしを読んでみたいもんだ。
読了日:10月07日 著者:円城塔,十三不塔,立原透耶,灰都とおり
https://bookmeter.com/books/22204042
■マン・カインド [Kindke]
地に足のついた推測に拠る近未来の技術的描写が心憎い。AIについてはあり得る状況に思える。AIだけでは技術は成り立たない。それを組み込んだ機器類の使い方が肝なのだ。AIに対抗するかの様に遺伝子編集された新世代人がドローンや兵器を操る未来。生殖能力と遊泳特性を奪われた新人類の未来はどうなるのか? 個々のアイデアは現在と地続きで、それをどう組み合わせるかの妙味を見せてくれた。悪意があれば実現してしまうかもしれない悪夢だ。ある意味作者の原点回帰プラスミリタリーSFとしても楽しい。
読了日:10月02日 著者:藤井 太洋
https://bookmeter.com/books/22189622
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