これは、第二次大戦中のイタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニに関する実話を基に映画化したもの。
主演は「シチリアーノ 裏切りの美学」のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。監督は「堕ちた希望」のエドアルド・デ・アンジェリス。
映画邦題はちょっと首を傾げるもの。原題は「コマンダンテ(指揮官の意)」なので、邦題の「潜水艦」は余計だし、艦名にするなら「コマンダンテ・カッペリーニ」としないと……
1940年10月、イタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜け、大西洋方面へ出撃。
作戦行動中、船籍不明の貨物船に遭遇。砲撃戦にて撃沈するが、それは中立国・ベルギーの貨物船カバロ号だった。
「我々は敵船を容赦なく沈めるが、人間は助けよう」サルヴァトーレ・トーダロ艦長はカバロ号の乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの中立国まで運ぶ決断を下すのだが……
コマンダンテ・カッペリーニは、数奇な運命を辿った潜水艦で、数多の戦場を経て、1943年には日本への連絡潜水艦となるが、イタリア降伏により帰国出来なくなり、ドイツに接収された後、日本海軍に移譲されて「伊503」となりながらも戦争を生き延びた。
(この日本への連絡航海は「潜水艦カッペリーニ号の冒険」としてTVドラマにもなっている)
これは、そのコマンダンテ・カッペリーニが初めての撃沈戦果を挙げた際のドラマとなる。
映画は、イタリア版「Uボート」とでも言うものなのだが、何とも雰囲気が変……1940年と言う枢軸国にまだ勢いがあった頃なのに、まるで生還が望めないような悲壮な出港の様子、詩的ではあるが、イタリア人らしからぬ陰鬱なモノローグ……戦争映画が序盤で描く、勇壮な出撃シーンや、戦場に臨む高揚感など皆無で、これは何とも妙な戦争映画。
面白くなるのは、ベルギーの貨物船を沈め、その乗員を救出してからで、そこからは、狭い艦内で戦った者同士が顔を突き合わせる中で生まれる濃密なドラマが生まれ、潜水艦映画らしくなる。
ただ、ここも、ドラマとして盛り上げるならば、遭遇した英国軍艦に「中立国船員救助のため停戦」を申し入れ、それが受け入れられるのを物語のクライマックスとしてドラマティックに描いて欲しかったように思うのだが、そこでも淡々とした描写で、これはさすがに物足りないもの。
最後までそんな感じで、これはどこを面白がればよいのやら……何とも奇妙な映画だった。
PS
エンドロールは、潜水艦炊事兵の台詞で、航海終盤、食事が質素になって行くと、その給仕の際に様々な料理の名を連呼する、その台詞が引用されている。
そこで、数分に渡って料理名が語られるのだが……こう言う所はさすがイタリアだなぁ……
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