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2023年11月14日20:14

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筒井康隆『カーテンコール』を読了

本当に最後なのか?
まだまだ長生きする意思は作中に書かれている。役者が舞台の上で所外を終える様に、まだまだ書き続けて欲しい。

『塩昆布まだか』
何か世界にこの二人しか生き残ってないんじゃないかと思う様な会話劇。
どうにもズレた会話が哀愁を纏う。静かな滅亡の風景に思える。作者は全然違う意図なのかも知れないけど。

『横恋慕』
人魚を釣り上げる顛末。伊勢のあかねと名乗る幼い姿態の人魚はやけに積極的だ。
でも、鮑・島の十郎と恋仲で、あかねは十郎を追いかけて来たのだった。男はあかねに惚れてしまって何やかや。
ファンタジックな場面も挟まる。こう云うのをたまに書く人だな。

「ますますもって帆立貝」とか懐かしい文言が出てきちゃうよ。
鮑と人魚を磯に戻した男は、その後成長して立派なブリになったアカネをみかけるが、何とも奇妙な恋愛譚だな。

『文士と夜警』
現実と虚構が混淆する私小説的手法の一編。作家ならこんなことを体験してもいいんじゃないだろうか。
作品の構想を練る内に、作品世界が現実に滲出してしまうメタ文学だ。メタ構造は作者の得意技だな。

『プレイバック』
作者の過去作品の主人公達が、入院した作者を訪う。作品を振り返って様々な会話が交わされる、走馬燈現象の様な回顧録。
遺言とかじゃなくて、長生きしてやる宣言がなされる。次の作品刊行はいつだろう、楽しみにしよう。

『カーテンコール』
架空対談とでも云うべきか。
映画に対する思いを談話する。作者自身の映画体験と役者体験を振り返る。本当に何か人生の蹴りを点けようとしているのか?
カーテンコールが捌けたら、次の舞台の準備だよ。

『附・山号寺号』
最後にオマケで言葉遊び。かなり言葉のリズムに無理がある文言もあるけど、作者は好きなんだな。
これで終わりの筈はない。


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