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2022年08月21日23:29

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夏休み5日目

 夏休み5日目。
 今日も映画2本。
 1本目は、横浜シネマリンで、
 「ぜんぶ、ボクのせい」。

 これは、松本優作監督によるヒューマンドラマ。
 主演は、本作のオーディションで抜擢された15歳の新人・白鳥晴都。共演は「ある船頭の話」の川島鈴遥と、オダギリジョー。

 児童養護施設で暮らす13歳の中学生・松下優太は、施設でも学校でも、いつもひとりぼっち。母の梨花が迎えに来てくれることだけを心の支えに日々を過ごしていた。
 だが、偶然母の居場所を知った優太は、母に会いたい一心で施設を抜け出す。母の住む家を訪ね、再会するが、母は同居する男に依存し自堕落な生活を送っていた。そして優太を施設に送り返そうとする。絶望した優太は、施設職員の追手を逃れ、当てもなく辿り着いた海辺で、軽トラで暮らすホームレスの男・坂本と出会う。何も聞かず自分を受け入れてくれる坂本と共に、日銭を稼ぎながら寝食をともに過ごす優太は、やがて、坂本の元を訪れる少女・詩織とも顔見知りになり、徐々に心を開いて行くが、穏やかな日々は突如終わりを迎える事になる……

 この話だが、タイトルにもなっている最後の優太の言葉が全てだと思う。
 希望を失い、そして、居場所と心の拠り所を失った人間の心境――それを、その言葉に込め、その思いを壮絶な表情で表わした白鳥晴都には息を呑む……正に、人を捨てた、いや捨てさせられたモンスターの誕生を見る思い。
 そして、連想したのは、阿部元首相銃撃犯の山上徹也だ。彼も、このように追い込まれ、この世の悪行を背負い込む覚悟をしたのではないか、と……

 残念に思えたのは、優太の追い込まれている描写が少なく、何故、母の元へ逃げようとしたのかが納得出来ないこと、施設でも学校でも、そこまで酷く苛められている感じでもない。少なくとも、施設で飼っていたウサギの死因の濡れ衣を着せられるくらいの描写は必要だろう。
 そうした描写があってこそ、坂本との日々が大切なものになる筈なのだ。この映画。優太に感情移入させ、一体にさせる為の描写とのバランスが欠けているように思う。物語としては悪くないものに思えるだけに残念だ。


 映画の後、伊勢佐木町商店街で遅めの昼食にし、それからブルク13へ移動。
 本日の2本目は、
 「野球部に花束を」。

 これは、クロマツテツロウの同名漫画を「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」の飯塚健監督が映画化した青春コメディ。
 主演は、「天気の子」で声優を務めた醍醐虎汰朗。元プロ野球選手の里崎智也が野球部あるある解説役として出演。

 中学時代に野球部に所属していた黒田鉄平は、高校デビューしようと髪を茶色く染めて入学。バラ色の高校生活を夢見ていたのも束の間、うっかり野球部の見学に行ってしまい、新入生歓迎の儀式で早々に坊主頭に逆戻りする。
 強くはないものの弱小ではない、並の都立高校野球部であるが、そこは典型的な上級生によるパワハラ世界。更に、野球部のヒエラルキーの頂点には、どう見ても堅気に見えない鬼監督・原田が君臨していた。
 黒田ら一年生はそんな奴隷同様の日々を生き延びていくうちに、恐れていたはずの“伝統”に染まっていき……

 コンプライアンス遵守とハラスメント排除が声�發房臘イ気譴觚渋紊如▲僖錺魯藾干�の体育会系部活動を描こうなど、時代錯誤が酷くてブラックコメディにもなりはしないのではないだろうか?
 しかも、そうしたパワハラ被害者たる1年生が2年生に進級すると、「やられた分はやらないと損」とばかりに、後輩に同じ事をする……となっては、旧陸軍の内務班の初年兵イジメと変わらない、旧態依然とした日本社会の暗部であり、こんなものを描こうとする意図を疑う――飯塚健監督は、「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」でも、日本スポーツ界のメダル至上主義と言う歪んだ価値観を曝け出して見せていたが、こうした体育会系の体質を憎悪しているのではないか?と思ってしまう程だ。

 パワハラ社会の中にも、胸が熱くなる感動や、心温まる人間関係がある、と言う描写も言い訳にようにしか思えず、1年生から見ると、3年生が、強面俳優の小沢仁志に見えると言う描写も、笑えないギャグ――実際、現在の高校生が小沢仁志を知ってるとは思えない――であり、滑り気味。原田監督を怪演した高嶋政宏も、さすがにやり過ぎとしか思えない。

 体育会系体質をお笑いネタにするなら、時代をずらして回想にするとか、対比させるものを置くとか、もう一工夫必要だったのではないだろうか?
 これでは、痛くて寒いだけだ。


 映画の後、今日は父親が「カツ丼を食べたい」と言っていたので、最寄り駅前でカツ丼をテイクアイトして帰宅。
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