機動戦士ガンダムの外郭については、前項を参照
https://mixi.jp/home.pl#!/diary/6231411/1981453655
という事で、勢いが残っている内に
表題の話を進めて行きたいと思う。
まだ僕が幼い頃1979年に世に放たれ、
その後はテレビ局で再放送する度に人気が高まり、
最後は社会現象化し今なお続編が作られるなど、
本来のオリジナル作品も根強い人気を誇る我が国の代表的ロボットアニメ
「機動戦士ガンダム」は、その作品の誕生から放映、
拡大再生産を繰り返しながら、
より強固なプロットで過去の歴史と
近未来の予想図を表現した一大SF叙事詩である。
大袈裟に聞こえるかも知れないが、
そういう事が出来る、とだけ主張しておく。
予め断っておくと
本項で取り扱うのは
初期のテレビ版の本作「一年戦争編」〜その劇場版である「機動戦士ガンダム�靴瓩阿蠅△け�宙」までをベースに置く。
また制作したサンライズ社が発行した「記録全集1」には矛盾しない。
また本項は良いトシこいたおっさんが、
幼き頃に有耶無耶に或いは良く分かりもせずに
分かった振りをしてスルーしてきた幾つもの謎を
真剣に解明していくものである。
また冒頭で断るのは幾つか理由がある。
1つはテレビ版オリジナル作品は視聴率不振から放映期間を短縮しており、
後半部分はどう解釈してもストーリーが破綻しており、
作画監督だった安彦良和の病気離脱により
画像の作風も破綻し、
その結果、劇場版で時系列その他を再構成しており、
また劇場版も三部作にまとめたものの、矛盾点が多数あり、
後年解釈が分化したにも関わらず、
さらに後継作が誕生しているため、そこを有耶無耶にしている点。
更にはこれを整える目的で漫画作家でもある安彦が
スピンオフ的に“正史”作品「ジオリジン」を出版したため、
更に解釈が分かれてしまっている事で
「正史」が混乱状態であるからである。
そしてリリースから40年余りが経過した現在だからこそ
好き放題言えるタイミングを見計らった、という事もある。
但し1979年に「リリース」された作品なので
宇宙観が当時のままであり、現代の宇宙観とは
若干違うのは致し方ない事である。
しかしながら、当時構想されたスペースコロニー論とは
1960年代末にオニール博士が発表したものに依拠しており、
その当時のパースがもろ、ガンダムのスペースコロニーの外観となっている。
「シリンダー型コロニー」と呼ばれるタイプが
少なくともサイド7には採用されているが、
一番最後に建造されて「作りかけ」という設定にしては
最も初期型の形態をしており、
「そんなに早く技術革新は起こらない」事を暗に示唆している。
ここは重要なポイントである。
と同時に、「密閉型コロニー」と呼ばれ
より多くの陸地面を作り出すコロニーは
サイド3などには採用されているようなので、
当時の科学力で最も「合理性が高い」のは
開放型シリンダー型コロニーなのかもしれない。
さて、物語冒頭にあるように
「宇宙世紀」という概念がいきなり提示される。
★★★
●テレビ作品と劇場版の差異
当時のアニメ作品は宿命的に物語や作品のリアリティよりも、
タイアップ商品の売れ行きの方が重視されており、
敵のメカ(本作ではモビルスーツ。以下MS。またはモビルアーマー。以下MA)は、
カラーリングがミリタリー基調であるのに対し、
主人公サイドのMSなどはおよそ兵器には似つかわしくない、
赤や黄色を使った“目立つ”色を使用している。
また同じ理由から超合金の玩具よろしく合体、
離脱可能な不必要な機能も多数付されている。
劇場版では、明らかに玩具タイアップの為に登場させた
「Gファイター」を三部作の第3段から排除し、
代わりの戦術重火力戦闘機「コアブースター」を登場させ、
宇宙での戦闘には明らかに無意味な
戦車型MSの「ガンタンク」を「ガンキャノン」に置き換えた。
また、作品後半に病気離脱した作画監督不在時に編集された
極めて低品質の映像はリマスタリングされるなど、
大幅な“改修”が施されている。
これにより更に深まる矛盾点(さらなる説明が不可避だが端折るなど)と、
時系列や戦争兵器としての整合性の調整が加わり、
マニアが「深掘り」する悦びが増える事になる。
特にテキサスコロニーの所在地は
サイド3に最も近いサイド5「ルウム」と呼ばれるコロニー群に
所属している事になっている。
理由は主人公の一人であるシャア(・アズナブル)と、
その妹セイラ・マスが住んでいた場所であることにある。
この兄妹はジオン共和国の国父である「ジオン・ズム・ダイクン」の遺児で
キャスバル・ダイクン→エドワウ・マス→シャアと変名し、
アルテイシア・ダイクン→セイラと変名した結果、
父と兄と妹はそれぞれ別姓を名乗っている。
作中では、ジオン軍の士官であるランバ・ラルが、
セイラ=アルテイシアを見抜き、
ジオンから逃亡し変名したあと面倒を看たジンバ・ラルの息子だと名乗る場面がある。
※また、どういうわけかエドワウの墓もテキサスコロニーに所在している。
ところが劇場版では、
ソロモン要塞攻略戦前にホワイトベースとシャア隊はここに立ち寄り遭遇している。
ナレーションでも示されているように
「地球から最も離れたコロニー群」がサイド3=ジオン公国であり、
その最終防衛線を宇宙要塞ア・バオア・クーと月面都市グラナダで形成しているわけだから、少なくともサイド3や月に近い場所にサイド5が
無くてはならないのだが、
テキサス→ソロモン(サイド1のあった場所の近く)→ア・バオア・クー
という道のりは些か、いやかなり遠回りなのである。
●位置的関係
文字または言葉で示されているのは、
前述「地球から最も離れたコロニー」は、
サイド3(ムンゾ)即ちジオン公国であり、
そのすぐ近くに所在しているのがサイド5(ルウム)である。
これらは地球と月の間にある
重力均衡点である「ラグランジュポイント」を基点に建設され、
月と一緒に地球上空を周回しているのである。
公式設定資料でも、この位置関係については大きなブレがあるが、
スペースコロニーは基本的には重力バランスの為に月周回上にある
上記ラグランジュポイントを基点にする他はなく、
またコロニーは建造初期は有機物を地球から運びこまねばならないので、
それ以上の距離を地球から取る事は不可能である。
また作中ではロケットのような「マスドライバー」を利用して
宇宙空間に物資を積んだ機体を射出、
宇宙空間でこれを回収して資材にするという流れである。
地球からは必要以上の有機物は持ち出せないし、持ち出すべきじゃないのだが、
本編では月や木星や小惑星からも資源を集めているほか、
有機物は光合成などを通じて自己調達する筋書きになっている。
それで事足りているのか、或いは有機物をそんな大量に
地球から取り出しても何か大気や地殻変動に繋がっていないのか、など
気になる点は多数である。
また地球に近い惑星の火星には余り言及しないのは、
鉱物資源などの調達に既に不向きとの認識からかも知れない。
以下、次項。
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