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2026年09月27日23:29

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白玲の価値

前にも述べたが、囲碁の世界ではプロに男女の区別はないが
将棋の世界には「棋士」と「女流棋士」の二通りがあり、
「棋士」は、男女の区別なく一定の基準を満たせばなることが出来るが、
「女流棋士」は女性しかなることは出来ない。
そして現在の棋士制度になって以来、女性が「棋士」になった事はない。
「棋士」を目指した女性は数多あったが、
「奨励会」と言うプロの卵が集まる会に入会し、そこの最高位である
三段の棋士が争うリーグ戦で上位にならないとプロ入りは出来ないのだ。
昨日の対局で対戦した西山女流四冠と福間女流四冠は、
奨励会の三段リーグでともにプロ入りを目指したが
規定によりプロにはなれず「女流入り」したという同じ経緯がある。
その後、奨励会の三段リーグ突破以外のプロ入り方法である、
編入試験にもどちらも挑戦して失敗している。

日本将棋連盟の会長に就任した清水市代女流七段が
就任直後に打ち出した女性の「棋士」への道の新機軸がこの
白玲戦五連覇での特別入会である。
因みに編入試験の挑戦権を獲得する条件は、
直近の「棋士」を含む棋戦での勝率が65%以上、という
棋士としては充分の実力を担保した上での挑戦に対し、
女流棋士(=棋士になれなかった人たち)だけとの対戦で
圧倒すれば「即入会」という制度においては
「プロ足り得る実力の担保が無い」と今を時めく藤井聡太六冠が
疑義を呈した事で知られている。
藤井が言うのも尤もで、編入試験で幾度も入会失敗している彼女たちは
その実力が伴っていないと目されても仕方が無いのである。

おや、と思われた方はきっと将棋にお詳しい筈だ。
直近の棋士との対戦勝率が10勝以上かつ直近の対局で65%以上、という
まあまあの実績があれば編入試験でいつかプロ入りが可能ではないか、
と一見思えるかも知れない。
だが、編入試験の対戦相手が新四段5人と対局して3勝すること、
という極めて高いハードルであることが、彼女たちを阻むのである。
奨励会の三段リーグと言う極めて狭い門をくぐったばかりの「新四段」は
段位こそプロの最低位だが、棋力は最も充実した時期にある棋士という事であり、
まさに彼女たちを直近で退けていた実力上位者が相手なのである。
むしろ、ベテランの低段位者も含む「棋士」相手で勝率は稼げても
新四段相手に勝ち越すことが出来るのなら、奨励会三段リーグも突破出来よう。
決められた年齢制限までにそれが達成できなかった彼女たちが
その後実力を上積みして、プロの実力を担保、という事は考えにくいのである。

そこで女性初の会長職となった清水会長が、
ここにひとつ穴をこじ開けた形になったのである。
同じ関西人として西山にはプロになって貰いたいし、活躍もして貰いたい。
一方で、ここからが「茨の道」であり、過酷な勝負の世界で彼女たちが
大きな実績を上げるにはあまりにも険しいと言わざるを得ない。
その理由の一つに彼女たちがプロの世界では圧倒的に不利と言われる
「振り飛車党」であることも理由している。
棋士の世界では「振り飛車党」の活躍はいつの時代も人気があるが、
「居飛車党」が圧倒する今の時代は余り採用されない。
お分かりあろうか。
彼女たちは「女性でもプロになれる」
「女性でもプロで通用する」を証明するだけでなく
「振り飛車党でもプロで通用する」も示さねばならないのだ。

出来事だけをなぞると西山が女性初の「棋士」に再度肉薄したことになるが
将棋ファンの興味はそれだけではないのである。
福間の産休問題から始まる対局規定問題だけでも
かなりややこしいところに、
西山のこの出来事はかなり興味深いのである。

■女性初の棋士に王手=西山女流四冠―将棋・白玲戦
(時事通信社 - 09月26日 19:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=8964740
 将棋の第6期白玲戦7番勝負の第4局が26日、京都市で指され、先手の西山朋佳白玲(31)=女流名人などと合わせ女流四冠=が125手で福間香奈女流四冠(34)に勝ち、シリーズ3勝1敗として防衛に王手をかけた。

 10月10日に金沢市で指される第5局で西山女流四冠が防衛すれば、白玲通算5期となり、女性初の「棋士」となる権利を得る。

 女流棋士と棋士は別制度。これまでに、棋士養成機関「奨励会」を勝ち抜くなどして棋士になった女性はいない。 

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