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原始仏教コミュの三学  共通カリキュラム

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三学は男女共通・在家出家共通のカリキュラムです。







1.戒学


 Lv.1 五戒   殺さず盗まず不倫せず、嘘をつかずに酒飲まない。

 Lv.2 在家八戒 殺し・盗み・不倫をしない。     [正業3戒]
         嘘・告げ口・不快語・無駄話をしない。[正語4戒]
         邪悪な生計の立て方をしない。    [正命1戒]
         人・肉・酒・毒・凶器を売らない。
         詐欺・盗み・暴力・拘束・監禁・強盗などもしない。
         ここに「酒飲まない」を含めても可。肉食OK。

 Lv.3 八斎戒  殺し・盗み・性的行為・嘘・飲酒をしない。
         一日一食・娯楽お洒落をしない・贅沢寝具を使わない。
         (新月と満月の日に行いたい人は行なう。毎日も可)

 Lv.4 沙弥十戒 20歳以下の出家である沙弥(しゃみ)のための戒。
         殺し・盗み・性的行為・嘘・飲酒をしない。
         一日一食・娯楽しない・お洒落をしない・贅沢寝具を使わない。
         お金を受け取らない。(八斎戒の娯楽お洒落が分割)

 Lv.5 出家八戒 真の出家者である比丘。出家も一つの戒に過ぎない。
         最低限の服と鉢と薬と歯ブラシなど以外は完全放棄。
         基本はボロ服・乞食・樹の下で寝る。精舎・接待・肉食OK。
         在家八戒が出家八戒にLv.up。(不邪淫→不淫。正命→Lv.up)
         単独出家(無律)とサンガ出家(有律)の二種類がある。
         戒[シーラ ]=自発的なもの。罰なし自ら悔いるのみ。
         律[ヴィナヤ]=サンガの罰則ある規律。四人以上の集団規則。

 Lv.6 頭陀戒  衣:糞掃衣(お尻拭いた布など)。三枚だけ着る。裸足。
         食:托鉢食のみで接待を受けない。真の乞食。
         住:林・森・墓場・洞窟などの奥地。真のホームレス。
           さらに自分に厳しくしていっても可。
           (頭陀行[ずだぎょう]は戒であり律ではない)
 
 Lv.7 無学戒  学ぶ必要のない阿羅漢の戒。阿羅漢になれば無学戒の成就となる。
        「故意の殺し・盗み・性行為・嘘・在家的欲望享受」が
         阿羅漢は不可能とされるが、これは戒というより実行不可能事。
         阿羅漢でもバカな真似をするとゴータマに叱られます。

  

  【八戒 Lv.up】

 正業 1.殺さない   → 非暴力[隠し戒律 Lv.up]
    2.盗まない
    3.不倫しない  → 不淫 [八斎戒からLv.up]
 正語 4.嘘つかない
    5.告げ口しない
    6.不快なことを言わない
    7.駄弁をしない
 正命 8.邪悪な生活をしない  (どんどんLv.upする)
      五戒・・・・・酒飲まない。肉食OK。
      在家八戒・・・人肉酒毒凶器を売らない。[五邪命]
             詐欺・暴力・拘束・強盗などもしない。
      八斎戒・・・・一日一食        [禁欲戒]
             娯楽視聴・お洒落手入れをしない
             贅沢寝具を使わない
      沙弥十戒・・・お金を受け取らない
      出家八戒・・・最低限以外の財産放棄・肉食OK[出家戒]
             庭仕事禁止・売買禁止・お使い禁止
             世間話禁止・論争禁止・占い全般禁止
             予言禁止・宗教行為禁止・医療行為禁止
      頭陀戒 ・・・糞掃衣(ふんぞうえ)・三衣・乞食・林住・他
      無学戒 ・・・五不可能処をはじめとする阿羅漢の戒



  〔正命 Lv.up〕 
  五戒正命→在家正命→八斎戒正命→沙弥正命→出家正命→頭陀正命→無学正命
     

    【まとめ】

     在家  他者を傷付けない正業・正語・正命   
     出家  自他双方を傷付けない正業・正語・正命 

       有欲在家  五戒
       禁欲在家  五戒+禁欲戒
       精舎出家  五戒+禁欲戒+出家戒
       頭陀出家  五戒+禁欲戒+出家戒+頭陀戒

      サンガ出家  集団で修行するから律を守り戒も守る
      単独出家   一人で修行するから律は無く戒のみを守る


       「人畜無害」が戒の基本。
       戒を守れば守るほど瞑想には有利。
       しかし破戒者でも瞑想は可能。
       戒が苦手な人は先にそのまま瞑想へ。






2.心学

 Lv.1 第一禅那   欲望のない快楽と集中

    「離欲・離悪・有尋有伺・離生喜楽」

  離欲:五感の快楽への欲望を滅する。 
  離悪:五蓋[欲望・怒り・眠気とぼんやり・躁と鬱・疑]も滅する。
  有尋:心の中で言葉を使って考える状態は許される。
  有伺:心の中で言葉を使わずに考える状態も許される。
  離生喜楽:欲と悪法を離れることによって生じる心の喜びと体の安楽。

   悪を生じさせない努力:欲望や心の汚れ等が生じないように念じる。
   生じた悪を断つ努力 :欲望や心の汚れ等がなくなるように念じる。
   善を生じさせる努力 :無欲想や念や自覚等が生じるように念じる。
   生じた善を極める努力:無欲想や念や自覚等が完成するように念じる。

   このように正精進[四正勤]と正念[四念処]によって正定を達成。

   【まとめ】

    第一禅那は「欲望のない快楽」。
    従って「欲望をなくせばいいんだ」と覚えれば良い。
  


 Lv.2 第二禅那   考えない快楽と集中
 
    「無尋無伺・歓喜・心一境・定生喜楽」
   
  無尋:心の中で言葉を使って考える状態を滅する。
  無伺:心の中で言葉を使わずに考える状態も滅する。
  歓喜:考えないことによって純浄な歓喜が生じる。
  心一境:考えないことによって心が統一される。
  定生喜楽:考えない心の統一によって生じる喜びと安楽。

   悪を生じさせない努力:尋伺等が生じないように念じる。
   生じた悪を断つ努力 :尋伺等がなくなるように念じる。
   善を生じさせる努力 :無尋無伺想や念や自覚等が生じるように念じる。
   生じた善を極める努力:無尋無伺想や念や自覚等が完成するように念じる。

   【まとめ】

    第二禅那は「考えない快楽」。
    従って「考えなければいいんだ」と覚えれば良い。
  


 Lv.3 第三禅那   喜びのない快楽と集中

    「喜離貪・捨住・念自覚・身楽受・捨念楽住」

  喜離貪:無尋無伺によって生じる喜びを貪らずに滅する。
  捨住:喜びを滅して捨てる意識を維持し続ける。
  念自覚:念と自覚があり心と体の状態を熟知し続ける。
  身楽受:身体に安楽を感じる。
  捨念楽住:捨と念と、あるいは捨の念によって安楽に住する。

   悪を生じさせない努力:喜び等が生じないように念じる。
   生じた悪を断つ努力 :喜び等がなくなるように念じる。
   善を生じさせる努力 :捨や念や自覚等が生じるように念じる。
   生じた善を極める努力:捨や念や自覚等が完成するように念じる。

   【まとめ】

    第三禅那は「喜びのない快楽」。
    従って「喜ばなければいいんだ」と覚えれば良い。
  


 Lv.4 第四禅那   身体の楽がない快楽と集中

    「無苦無楽・無喜無憂・捨念遍浄」

  無苦無楽:苦を滅し楽を滅する。
  無喜無憂:第三禅で喜と憂は滅している。
  捨念遍浄:捨てる念によって完全に清浄となった精神状態。

   悪を生じさせない努力:楽等が生じないように念じる。
   生じた悪を断つ努力 :楽等がなくなるように念じる。
   善を生じさせる努力 :捨や念や自覚等が生じるように念じる。
   生じた善を極める努力:捨や念や自覚等が完成するように念じる。

   【まとめ】

    第四禅那は「身体の楽がない快楽」。
    従って「身体の楽がなければいいんだ」と覚えれば良い。
    以上の四禅那が「基本のサマタ」になります。



   【心学のまとめ】

    第四禅那を「絶対の安楽」と原始仏典にあり、
    第三禅那までは「絶対の安楽への道」と名付けられている。

     邪念雑住 欲望・怒・惛眠・躁鬱・疑
           ↓
     第一禅那 無欲 尋・伺・喜・楽・定
     第二禅那        喜・楽・定
     第三禅那          楽・定
     第四禅那            定


     瞑想ができればできるほど慧学に有利。
     しかし瞑想ができなくても慧学は可能。
     瞑想が苦手な人は先にそのまま慧学へ。








3.慧学

 Lv.1 苦諦 「何が苦か」と努力し念じて集中する。
      「これが苦だ」と知った分は苦の滅に心が傾く。
      「これが苦だ」と知り尽くしたときは完全に苦滅に向かう。
       苦滅に向かう→苦因滅に向かう→苦因滅道の修行に向かう→修行完成!

 Lv.2 集諦 「何が苦因か」と努力し念じて集中する。
      「これが苦因だ」と知った分は苦因の滅に心が傾く。 
      「これが苦因だ」と知り尽くしたときは完全に苦因の滅に向かう。
       苦因滅に向かう→苦因滅道の修行に向かう→修行完成!

 Lv.3 滅諦 「何が苦滅か」と努力し念じて集中する。 
      「これが苦滅だ」と知った分は苦の滅に心が傾く。
      「これが苦滅だ」と知り尽くしたときは完全に苦滅に向かう。
       苦滅に向かう→苦因滅に向かう→苦因滅道の修行に向かう→修行完成!

 Lv.4 道諦 「何が苦滅道か」と努力し念じて集中する。
      「これが苦滅道だ」と知った分は苦滅道の修行に心が傾く。 
      「これが苦滅道だ」と知り尽くしたときは完全に苦滅道の修行に向かう。
       苦滅道の修行に向かう→修行完成!


      以上の四諦知が「基本のヴィパッサナー」になります。


       智慧があればあるほど戒と瞑想に有利。
       しかし智慧がなくても三学は可能。
       智慧が苦手な人は三学と聖八支道と無貪を
       「ひたすら信じて修行」すればいずれ全部完成。








4.成績発表

    戒学 心学 慧学 
 Lv.1  ◎  △  △  → 預流果   三結断 貪瞋癡が薄くない
 Lv.2  ◎  △  △  → 一来果   三結断 貪瞋癡が薄い
 Lv.3  ◎  ◎  △  → 不還果   五下分結断
 Lv.4  ◎  ◎  ◎  → 阿羅漢果  倶分解脱


  【称号】
  不動沙門[サマナ・マチャラ  ]→ 預流者
  白蓮沙門[サマナ・プンダリーカ]→ 阿羅漢
  紅蓮沙門[サマナ・パドゥマ  ]→ 阿羅漢+八解脱
  優雅沙門[サマナ・スクマーラ ]→ 阿羅漢+多楽少苦
  
  長老[テーラ] → 具戒+多聞+四禅容易+倶分解脱


   三学を学び終わり、阿羅漢として卒業した後は自由です。
   サンガに住むのもサンガを捨てるのも自由です。
   利他行をするしないも、いつ身体を捨てるかも自由です。
  
  
  「欲するがままに行き、
   欲するがままに住し、
   欲するがままに座り、
   欲するがままに臥し、
   涼風、彼を吹く」

  それが阿羅漢です。








《解説》


1.三学

 戒学:正業・正語・正命   [三身善行・四語善行・不邪命]
 心学:正精進・正念・正定  [四正勤・四念処・四禅那]
 慧学:正見・正思      [四諦知・三善思]

 聖八支道:正見・正思・正語・正業・正命・
      正精進・正念・正定→正知・正解脱


戒学のみ一部に在家と出家の相違がありますが、瞑想方法である心学と考察方法である慧学は在家も出家も全く同じカリキュラムになっています。また「在家の方の瞑想は無理ですし危険です」とか「師や先生につかない限り無理」などと言って素質のある在家の方のやる気をそぐ方がいますが、事実と異なっており間違っています。原始仏典では四禅那の瞑想ができるチッタという在家の記述もありますし、僕もまた初禅をある程度作り出すことができます。従って、僕の実体験からもこの瞑想は在家でも可能です。やる気を出して頑張ってください。


 【三学の関係】
 戒を守るほうが瞑想は有利。瞑想できるほうが慧学は有利。
 しかし破戒者でも瞑想は可能。いずれ戒も守れるようになる。
 瞑想できない者でも慧学は可能。いずれ瞑想もできるようになる。
 破戒で瞑想できなくても慧学は可能。いずれ戒も瞑想もできるようになる。
 慧学さえ学べば破戒者でも流れに入り、いずれ戒も瞑想もできるようになる。
 殺し好き・盗み好き・不倫好き・嘘好き・酒好きでも三学を学べば向上する。
 戒と瞑想と智慧のうち得意なものからやればよい。いずれ全部完成する。
 原始仏教は善人でも悪人でも帰依が許される。
 破戒者でも仏法僧に帰依すれば優婆塞・優婆夷と呼ばれる。

  仏法僧に帰依    → 優婆塞・優婆夷
  破戒・仏法僧に帰依 → 破戒の優婆塞・破戒の優婆夷
  具戒・仏法僧に帰依 → 具戒の優婆塞・具戒の優婆夷

 このように「破戒の優婆塞」と「具戒の優婆塞」が存在する。





2.戒学

 殺すと寿命が縮む。
  殺し過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 盗むと財産の損失がある。
  盗み過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 不倫をすると恨まれ敵が生じる。
  不倫し過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 嘘をつくと虚偽の誹謗中傷がある。
  嘘をつき過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。 
 告げ口すると友人を失う。
  告げ口し過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 不快語を言うと不快な言葉を聞く。
  不快語を言い過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 無駄話をすると信用できない話を聞く。
  無駄話をし過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。
 酒を飲むと忘念となる。
  酒を飲み過ぎると地獄・畜生胎・餓鬼境へ。

  以上を信じるゆえに戒を守る。
  後に天眼通によって自分で確認するべき。
  「信じていること」と「確認したこと」の区別と自覚は大切。


 【八戒】

 出家八戒は僕の造語ですが、三学の記述に当てはめたものです。
 在家八戒も僕の造語ですが、八正道の記述に当てはめたものです。

 「五戒・八斎戒・沙弥十戒・小戒・十善戒」という単語は全て原始仏典にありません。
 五戒の正式名称は「五学足」(パンチャ・シッカーパダー、pañca sikkhāpadā)。
 沙弥十戒の正式名称は「十学足」(ダサ・シッカーパダー、dasa sikkhāpadā)。
 十善戒の正式名称は「十善業道」です。
 厳密には意行の三つは戒ではありませんが、戒として覚えてもよいものです。 
 八斎戒の正式名称はありません。あえて言えば「八分成就のウポーサタ」。
 出家八戒・在家八戒の正式名称もありません。それゆえ僕が命名しました。
 在家八戒に五邪命を禁じる項目を入れたのは僕独自の組み合わせ法です。
 僕が勝手に造ったと言っても八正道の記述に五邪命を加えただけです。
 心の戒律も戒ですが、基本的に「善戒は正業正語正命」の定義に従いました。

 戒についての僕の造語は「在家八戒」「出家八戒」「大人二十戒」「五邪命」など
 ですが、いずれもその内容は原始仏典に記述してある通りのものです。
 式叉摩那は18歳の女性が20歳になるまでの二年間、六法を学ぶ女性のことです。
 ちなみに比丘が樹を切ったら樹神の腕が切られてゴータマに訴えて別の樹に
 樹神を住ませて、比丘に対しては「草木に心はないが、人々は心があると考える
 ので草木を刈ることは禁止する」とのこと。第11パーチッティヤ。
 在家の庭仕事はOKですが、樹の精が困ったりすることもあるようです。

 肉食については自分のために殺すのを見た場合と聞いた場合、あと
 自分のために殺したに違いないと疑われる場合はその肉を食べるのは禁止です。
 これは「三種の浄肉」(この単語もない)と言われ、在家ではなく出家戒です。





3.心学

 行住坐臥は関係ありません。座禅しても歩いても寝ても瞑想できます。
 心の要素を次々に減らしていけばいくほど、快楽が生じさらに集中。
 欲望は一時的に滅しますが瞑想から出ると大抵は欲望が復活します。
 この瞑想に危険は一切ありません。
 危険なのは「性欲食欲・恨み憎しみ・雑念妄想の心などの五蓋」です。
 五蓋がひどい人は瞑想しようがしまいがいずれ発狂します。
 この瞑想はそれらを否定し拒絶する瞑想であり、危険は完全にゼロです。
 瞑想に役立つ力は「自分の思考内容を完全に知り尽くし続ける自覚力」です。
 自覚なしに瞑想する人は、目隠しされて絵を描くのに似ています。
 四念処を事前に修行しておくと、初禅を成就しやすくなります。
 夏休みに入ったときの解放感と初禅は似ています。
 夏休みは学校という義務がないから、解放感という心の喜びが生じます。
 初禅那は欲望という義務がないから、解放感という心の喜びが生じます。
 解脱の境地の喜びは夏休みの解放感から推測するのが良いと思います。
 初禅への意欲が湧いて来ない場合、「欲望の欠点」と「無欲の利点」を
 考えて現実に確認することが非常に有益です。





4.慧学の仕方
 通常状態からでも、正念をしながらでも、正定をしながらでも良い。
 縁起などの教義を参考にしても教義を無視して自力で一からでも良い。
 自分の苦でも他者の苦でもどちらを対象にしても良い。
 対象にするのは現在ある苦でも過去の苦でも将来生じるであろう苦でも良い。
 輪廻レベルの苦でも瞬間レベルの苦でもどちらを対象にしても良い。
 (しかし、輪廻が実在しないなら修行の必要はないことは基本中の基本)
 心の中で言葉を使って考えても、言葉を使わずに考えても良い。
 考えることをせずにただ念じるだけでも良い。
 四無量心のかわりに「何が苦か」と無限に思いを広げても良い。
 要するに「何が苦か」という想を作れれば何でも良い。
 それを原因として何らかの新しい想が結果。
 何か考えが出た場合は「これが現実に対応しているか」と確認するのが良い。
 正見を検証し続けることは阿羅漢でも行なうこと。





5.成績発表

 【三結】 
 己身見:「これが自分の身体」「これが自分だ」という見解     
 戒禁取:戒やポリシーへの偏執的固着 
     例「全人類を涅槃させなきゃ」「肉食は絶対駄目」など
 疑  :四諦や一切法無我などへの疑い
     →三結を断つと預流にクラスチェンジ

 【五下分結】
 欲貪 :五感の快楽への貪り
 瞋恚 :怒り・敵意
 三結 :己身見・戒禁取・疑
    →貪と瞋を弱めると一来にクラスチェンジ
    →五下分結を断つと不還にクラスチェンジ 

 【五上分結】
 色貪 :地水火風の四大と四大によって造られたものへの貪り
 無色貪:受想行識などへの貪り
 掉挙 :心の浮つき、躁状態
 慢  :五蘊のいずれかを自分と見なしている部分
     頭では「これは自分ではない」と己身見を断っていても
     無意識下では自分に関わる何かに執着している状態
 無明 :大なる無明蘊、無明の固まり
    →五上分結を断つと阿羅漢にクラスチェンジ

 【倶分解脱】
 無漏の心解脱と慧解脱の両方の解脱を獲得すること。
 一般に慧解脱をすれば、不動心解脱だとされる。
 心解脱のみで慧解脱がないと、阿羅漢果を失う可能性がある。
 不動心解脱に至れば、阿羅漢果を失うことはありえないとされる。

 【称号】
 阿羅漢の種類によって「称号」が異なります。
 他にも「如来」「単独ブッダ」「賢者」「大慧者」「○○第一」
 「仙人」「ムニ」などの称号があり、阿羅漢の個性は無限です。

 【多楽少苦の優雅沙門】
 1.衣食住薬資具を請われれば多く使用し、請われなければ少ない。
 2.仲間の身語意の業と進物は可意が多く、不可意は少ない。
 3.体調不良・季節の変化・姿勢の悪さ・業の報いの苦しみは少ない。
 4.四禅那を欲するがままに得て、困難なく苦労なく得る。

 【戒について】 
預流・一還・不還・阿羅漢の全ての者でも「小々学足」(小々戒)を破ることがあるのは「あり得ないことではない」と書いてあります。漏尽・解脱の原因は戒への潔癖性(戒禁取につながる)とは別にあります。戒を守っていても智慧によって三結を断たなければ、流れに入れずに凡夫のままであり、後に堕落しその戒さえも失うと書いてあります。逆に破戒者であっても智慧によって三結を断てば流れに入り、後に戒をも円満すると書いてあります。原始仏教は智慧を重んじ、智慧を最上とする考え方です。智慧の裏付けがない戒は不動ではありませんが、智慧によって戒の意義を知っていればいずれ戒を円満します。


 【クラス】

阿羅漢 如来     説法するブッダ・阿羅漢 
    単独仏陀   説法しないブッダ・阿羅漢
    優雅沙門   多楽少苦の阿羅漢
    紅蓮沙門   八解脱 の阿羅漢
    白蓮沙門   倶分解脱の阿羅漢

不還  [不動沙門   不還以下の預流者]
     中間般涅槃  生じて消えていく
     中間般涅槃  生じて飛んで消えていく
     中間般涅槃  生じて飛んで損害せずに消えていく
     損害般涅槃  生じて飛んで損害して消えていく 
     無行般涅槃  生じて飛んで落ち草木の小山を焼き尽くして消えていく
     有行般涅槃  生じて飛んで落ち草木の大山を焼き尽くして消えていく
     アカニッタガーミン 生じて飛んで落ち草木の大山を焼き尽くして
               全土までをも焼き尽くして消えていく
               色界最上である「最も古き神々」に転生して完成。

一来   一来     神に転生した後に一度人間に還って来て完成
     一種子    一度人間になって完成
     家々     数回人間になって完成

預流   七来最高者  七回神と人間を往復する間に完成

預流向  随法行者   死ぬまでに智慧によって流れに入る
     随信行者   死ぬまでに信によって流れに入る(布施無限功徳)


無欲外道  五感の快楽への貪りを断った他の教えの修行者(布施十兆倍)
具戒凡夫  五感の快楽への貪りはあるが戒律を守る凡人(布施十万倍)
破戒凡夫  五感の快楽への貪りもあり戒律もない凡人(布施千倍)
畜生    動物(動物に布施しても100倍の報いがある)





6.結語

以上の三学を男女共に、在家出家共に、学び続けます。

有学を卒業して無学の阿羅漢になってからも戒・定・慧は続けます。無学は学ぶ必要はありませんが、この三学を実践し続けることによって現世で安楽に過ごすことができるからです。他の戒学・心学・慧学もありますが、この戒・四禅那・四諦知こそが絶対基本の三学です。在家でも戒・四禅・四諦知は可能ですので、頑張ってください。

コメント(11)

三学の結果と「称号」の項目を追加しました。
いやはや、もんのすごく解りやすいですねぇ!

原始仏典の記述は解りやすいんですが、こうしたかたちに記述してもらうとさらに解りやすいです。すごいです。
ぜひ修行に活用させてもらいます。
ありがとうございます。
バケんじさんにそう言っていただけてありがたいです。少しずつ一人よがりな書き込みが減るように努力していきたいと思っています。
戒学と成績発表、その解説部分なども編集しました。
とても重要な質問だと思います。

それで少し考えてみたのですが、僕も八解脱はやはりよくわかりません。もう少し考えてみて何か思うところが出て来ましたら、書き込もうと思います。
沙弥十戒を加えました。八勝処と八解脱の件はまだまだ先になりそうです。
勉強になりました。
ありがとうございます。
わざわざ書き込みありがとうございます。嬉しく思います。
光の輪が書き込んでいるようですが削除すべきでは

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