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チャイルドサポーターズネットコミュの☆雑談☆

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子ども以外の事など、ご自由にお使いください。

コメント(1)

朝日新聞に掲載された記事です。

「無料塾 貧しさに挑む」
 事務所に電話をしてきた女性は、中学校の教師だと名乗った。きっと放課後なのだろう。「うちの生徒をおたくに通わせたいんです。成績が振るわず、このままでは全日制の高校に合格するのは難しい。何とかしてあげたい」
 東京のNPO法人キッズドア。片貝英行事務局長(32)は無料塾「タダゼミ」の案内を送る約束をした。昨夏から始め、教師からの打診はこれで3回目。もう驚かない。秋のことだ。
 高校受験向けの塾へ行きたい。でも家にお金がない。そんな貧困家庭の中学生のための「無料塾」があちこちに生まれている。いわば福祉施策としての塾だ。
 年末年始。タダゼミの集中講座には30人ほどが通った。ボランティアの大学生が横につき、わかるまで一緒に問題を解く。隣にいられるのって嫌じゃない? 理科をやっていた藤掛あいりさん(15)に聞くと「全然。分からないところをすぐに聞けるもん」。
 もともとは子ども向けの無料音楽会などを開いていた。だが引率する母親たちのおしゃれな姿を見て、理事長の渡辺由美子さん(46)は考え直した。本当に助けが必要な子どもに手が届いていない。
 でも貧しさがどういうものか、よく分かっていなかった。受験対策のために偏差値を知ろうにも、模試代4300円を払えない生徒がいた。賞味期限が残り少なくなった食品などを企業から寄付してもらう「フードバンク」の利用を募ると、生徒を通じて15件余りの申し込みがあった。「教育の問題を掘り下げていたら、福祉の問題が出てきた」と片貝さんは言う。行政とどう連携するか。それが今後の課題だ。
 親の収入で子どもの進路が左右される。進路が決まれば将来の収入が決まる。
 公立高の募集定員は十分ではなく、誰もが入れるわけではない。「都立に落ちたら私立は無理。家計が苦しい」というつぶやきを、江戸川中3勉強会の若井田崇さん(38)は聞いてきた。東京都江戸川区で、生活保護家庭の子どもに勉強を教える。「九九もできないような子に都立高進学を勧めて甘やかす――。私たちはそう見られているかもしれません。でも高校受験は、その子が生まれ変わるチャンスなんです」
 荒川区では、区議の瀬野喜代さんが建設会社の社長室を借りて「無料塾」を11月から開いている。小さな台所と応接セット、社長の机。部屋はそれでほぼいっぱいだ。
 通ってくる中3のうち、1人は大家族の長女。一番下の幼児まで、ほぼ2、3年おきに弟妹がいるが、自宅はここより少し広いくらいと言う。勉強する環境がない。「本当は学校で出来たらいいのに」。瀬野さんは首をかしげる。
 教師の側はどう思っているのだろう。キッズドアに連絡してきた教員が、匿名を条件に取材に応じてくれた。「タダゼミを私が勧めていいのか。ジレンマはあります」。学校の壁の月間予定表にチョークの細かな字で会議などの日程が並ぶ。「学校で個別に教えてあげられたらとは思います。でも生徒たちの部活や掃除もつきっきりで見て、やっと職員室に戻るのが午後4時過ぎ。余裕がないんです」
 もう待っていられない、と片貝さんは言う。「学校が変わるのに10年かかる。でも目の前で子どもたちは貧困の連鎖に落ちていく」。教育と福祉。二つの世界が重なり始めている。
 (谷津憲郎)

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