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ニコラ・フラメルコミュのサン・ジノサン墓地のレリーフとフラメルの紋章

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トップ画像に使ってる絵ですが、小さいのでこちらに再掲しておきます。
(ちなみに画像データの出典はウィキペディア英語版
http://en.wikipedia.org/wiki/Nicholas_Flamel
に置かれているもので、JPEGに変換しています)

この絵のそれぞれの部分について、錬金術的なイメージの解釈法を書いているのが「象形寓意図の書」なわけです。

しかし最近では、左手中段の「十字架に巻き付く蛇」の図の方が「フラメルの紋章」として有名ですね。ただし、ハガレンで用いられている図は、これを図案化した上に更に「王冠と翼」と見られる意匠がついています。
(関連コミュニティ「フラメル」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=268351)

錬金術も色んな所へ伝播していろんな解釈が出されてますんで、どのあたりでこれが「フラメルの紋章」として定着したのかも気になるところです。
これが十字架でなくて杖だと、医術の象徴として用いられるアスクレピオスの杖なんですが(星座の蛇使い座にまつわるギリシア神話)。一方、一本の杖に二匹の蛇が絡みついているものはヘルメスの杖(ケーリュケイオンまたはカドウケスcaduceus)として広まっているとか。

ヘルメスの象徴なら、エジプトの神トートと習合して、錬金術の神ヘルメス・トリスメギス(三重に偉大なるヘルメス、か)となるものなので、「錬金術師フラメル」のイメージに合うとして広まったのか、などと推測しますが、その間の変遷が気になります。

情報の他、皆様のこの絵に感じるところをこちらのトピックでどうぞ。

コメント(8)

 フラメルの「蛇が釘づけられている十字架(?)」について、「このようなイメージがこの図を描かせたのでは」という私の想像ですが、少しだけ書いておきたいと思います。


 まず、17世紀の薔薇十字団員J.A.コメニウス著『世界図絵』の「ユダヤ教」の項に、蛇が十字架のようなものに絡まった奇妙な絵を見出すことができます。この絵はとてもフラメルの「蛇」に似ていますが、蛇が掛けられているのは「十字架」ではありません。「T字型」です(写真左参照)。

 コメニウスはそれに「荒野でへびがかむことに対抗して銅製のへびを建立することを命じられました」と説明していますが、当然この説明は『旧約聖書』第4巻、民数記に由来する故事を踏まえてのものです。モーセが神の指示によって銅製の蛇(Nehushtan)を旗竿に掲げたことが、毒蛇よけになったという故事のことです。

 「雑談」トピの方でも、写真を掲載しましたが、これを描いた宗教画が16世紀には実在しますので、よく知られた故事だったのかもしれません。そして、掲載させていただいた写真は「十字架」に蛇が掛けられていたことを思い出していただきたいと思います(写真右参照)。
 ここで「T字型」ではなく、「十字架」が描かれたわけですが、もしかすれば、『新約聖書』のヨハネによる福音書(第四福音書)の中で、この「銅製の蛇」が「キリスト」に喩えられていることからくるイメージからかもしれません。
 
(つづく)
 さて、キリスト教的な解釈から申し上げれば、以上(↑)のような説明で終わるのでしょうけれど、もうひとつ、「異教」的なイメージもあるかと思います。

 それが「アスクレピオス(あるいは「アスクレピオスの蛇杖」)」です。
 医神「アスクレピオス」に関しては、ヘルメス文書『アスクレピオス』などがありますが、ここで取り上げたいのはローマの詩人オウィディウス(紀元前43-後18)の『変身物語』です。

 『変身物語』の「アスクレピオス」には、アスクレピオスが「蛇」へ変身する場面があります。
 これはとても重要で、「蛇」はこの神のシンボルとしての存在だけではなく、神自身だということができます。
 この「蛇」に変じたアスクレピオスは、ギリシャからイタリアに移住するのですが、そのときの様子が次のように描写されています。

 「はやくも、船は、世界の首府であるローマの都へはいっていた。蛇は、高く背伸びすると、マストのてっぺんに頸をもたせかけ、それを動かしながら、住むのに適した場所を求めてあたりを見回していた。」

 「マスト」に絡む「蛇」の姿は、まさに「蛇が釘づけられている十字架(?)」図を想起させます。

(つづく)
 医神アスクレピオスは「死者をも蘇らせる」神ですが、この墓地のモチーフとしては、適切なものだといえるかもしれません。
 このイメージは、実に錬金術で言う、「霊薬」「万能薬」「テリアカ」などを想起させます。

 さて、モーセの「銅製の蛇」ですが、錬金術的には「銅」というのが問題で、これは「銅=金星=ウェヌス女神」をあらわすものとも考えられます。
 突然、「このイメージの飛躍は何だ」という意見もあるかと思いますが、七惑星と七つの鉱物の照応関係から申し上げれば、妥当かと思います。「蛇が釘づけられている十字架(?)」の絵の全体像から、「♀」記号を見出すのもあながち穿ち過ぎだともいえないと思います。

 そして、フラメルの「蛇が釘づけられている十字架(?)」の「蛇」の口元には「←」形の「舌」が突き出されているのがお分かりかと思います。
 これは恐らく「秘密の火」を指すのではないか、と私は愚考しております。
 16〜17世紀の錬金術の図版を眺めておりますと、ウエヌス女神はよく燃え盛るハート(心臓)を持っていたり、弓矢(これも火の象徴です)や松明を掲げるクピドを伴っていたりします。

 そういった絵のイメージが、ここに凝縮されているのかも、と思わされます。
 この絵のあらわす錬金術の作業についての詳細ですが、残念ながら私には未だよく分かりません。

 以上、現在私が愚考している「蛇が釘づけられている十字架(?)」の解釈について記してみました。
 長文、失礼致しました。
※書き込み5の文に不適切な部分がありましたので、お詫びして訂正致したく思います。

>5
【誤】↓
そして、掲載させていただいた写真は「十字架」に蛇が掛けられていたことを思い出していただきたいと思います(写真右参照)。
 ここで「T字型」ではなく、「十字架」が描かれたわけですが、もしかすれば、『新約聖書』のヨハネによる福音書(第四福音書)の中で、この「銅製の蛇」が「キリスト」に喩えられていることからくるイメージからかもしれません。

【正】↓
そして、掲載させていただいた写真には、「十字架」に「蛇」が掛けられています(写真右参照)。
 ここで「T字型」ではなく、「十字架」が描かれた理由ですが、もしかすれば、『新約聖書』のヨハネによる福音書(第四福音書)の中で、この「銅製の蛇」が「キリスト」に喩えられていることからくるイメージからかもしれません。

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