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超自然芸術研究所コミュのインターディメンショナル アート ショー

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2009.3.14





カナダ モントリオールのほうのヴィジョナリー アート イベントの様子がコーディネーターのクリス ダイヤーさんのメールによって伺えるようになった。去年のポルトガルのときのように作品の一つが横倒しのまま展示されてしまっている。

 それとは別に、今年から数年ぶりに学校の仕事を始めた。通信制高校の非常勤という立場なのだが、報酬は月の酒代ほどである。金のためというより、世の中で何が起こっているのか肌で感じるためのフィールドワークの一貫としての動機づけである。昨日、最初の授業のために学校へ行き、そのことが自分の中に風穴を開けてしまったような、なんともいえない気分をもたらしているようで、これは言葉にしておいたほうがいいような気がしてきた。


 一言でいうなら、「日本の美術教育は終わった。」ということである。美術という教科は教科の一つとして捉えるのなら数学や社会、音楽と同等でその価値を取分けて主張すべきものではないのかもしれない。それにしても公立の芸術の先生の授業が激減し、数校を掛け持ちして定年間際のベテランの先生も含めて非常勤講師という立場で自分の居場所を失っていたという現実は頭では知っていても目の当たりにすると殺伐とした気持ちにならざるを得ない。この前死んだ忌野清志郎が歌っていた「ぼくの好きな先生」に象徴されてきた風景はもうどこにもないのである。

 その代わり私が出会ったのは、主を失った美術室にだだ一人毎日来ている美術部の少年であった。彼は美術室のどこに何があるのかを詳細に知っており、鍵の管理や、毎週の清掃も自分一人で誰に頼まれずもやっている。小学校のころからひたすら龍の絵ばかり描いているそうなのだが、その量は半端なものではなく、学校の全部の壁を使っても展示しきれないだろうと言っていた。一人旅行愛好家で四国以外の全ての日本の県にはすでに行っているのだという。
 こういう独創的な少年に対して「君は面白い。」と言ってくれる教師が居なくなったこの現状はどう解釈したらいいのだろう。

十年間、毎日、朝から晩まで美術教師をやり、高教研にも毎年出席して全国的な問題も聞き知ってきたのだが、最終的にこの世界には未来は無いと独自判断して辞めてしまったのが数年前で、そのことはようやく忘れかけてきたのだが、今、あの十年はただではすまないものであることがじわじわ体に応えてきた。

 それでヴィジョナリー アート ムーブメントというものに関わり始めた今とがどのように関連しているのかも思い起こさずにはいられない気持ちにもなってくる。結局この芸術的に不毛になった現代という時代に帰結するのだろう。いったい人間社会のどこに美があるのだろう。俗物的な情報と俗物的な食べ物と俗物的な教育に満ちていて、目に見えない世界に関する価値に関してはこれまた俗物的な新興宗教が担当し、どう転んでもせいぜいアイロニーに安住するしかない状況を反転させる見込みに関して真摯に議論する機運は未来を待つしか無いのだろうか。

ヴィジョナリー アートにこそ未来があるとは、そこまで楽観的な考えはもっていないのだが、ここまで美そのものをターミネートしようとしてきた現代文明とはなんだったのか、その手がかりを彼らの活動から知ることができる気はしてきている。

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