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チベットを知るための夏コミュの【NOW@ルンタ以外のチベ記事】

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  中原氏のブログ『チベットNOW@ルンタ』以外の記事や情報を貼るトピです。
         チベット関連物に限らせてくださいね。
 
       ニュースや情報は本日5月19日前後の分からにします。
    見つけた方はどんどん貼ってくださいませ。一緒に勉強しましょう。


 ************************************
   写真は現在書店に並んでいる集英社の文芸誌『すばる』6月号表紙です。
http://www.shueisha.co.jp/CGI/magazine/rack.cgi/magazine/subaru.html?key=detail&zashimei=subaru&janru=lite
   絵を描いたのはイラストレーターの沢田としき氏(実は世話人の1人)。

 この『すばる』の前号(5月号)には『チベット、三月十日 その背景として』
    というエッセイが雪山蓮子さんという仮名で載っています。
   この内容はそのまま『第3の眼通信』というニュースレターにも掲載。
    『すばる』バックナンバーはこちらで確認してくださいまし。
http://www.shueisha.co.jp/CGI/magazine/kodoku_back.cgi/kodoku/subaru_back.html?key=detail&zashimei=subaru

コメント(208)

前からの続き

今回特別会議が招集されました理由は次の通りです。中国の容赦ない極左
政策に対して、今年3月以降チベットのほとんど全土で抗議運動が発生しま
した。言論と思想の自由を完全に無視した政策に対する怒りは過去60年に
わたり鬱積していました。老若男女を問わず、僧侶も尼僧も俗人も皆が自発
的に、そして勇敢に、命がけでその怒りをあらわにしたのです。抗議運動は
平和的なおかつ合法的に行われましたがそれを中国政府はあらゆる暴力を
もって鎮圧しました。そんな悲惨な状況の中にあるチベットの人々にとって、
自由世界で生活するチベット人は頼みの綱なのです。彼らの悲痛な叫びを無視
することはできません。我々は団結して同胞のためにできる限りのことをしな
ければなりません。これに関してダライ・ラマ法王は大変なご尽力をなさって
おいでです。
ダライ・ラマ法王は主要な世界の指導者や国際社会に協力を求め、特に
亡命チベット人や中国人民、中国の仏教徒らに呼びかけました。胡錦濤国家
主席には直接書簡をお書きになり、5月4日には四川省に特使を送り非公式の
対話がもたれ、その後7月には北京において7回目の会談が実現されました。
しかしこのようなダライ・ラマ法王のご努力も今のところよい結果を導いたと
は言えない状況が続いています。中国政府の強硬路線によるチベットとチベッ
ト人への抑制は益々強まっており、状況が改善される兆しは見られません。
今月4日、5日の両日行われた8回目の会談では、「全チベット人民が真の
自治を享受するための覚書」が提出されました。覚書の内容は中華人民共和国
憲法に正式に記されている自治権の範囲内での提案であります。しかし中国側
はこれを「分離主義者の主張」であるとして退けました。

通常、議会を構成する議員は大衆を代表する者たちであり、議会で可決された
政策は国の大多数に支持されていると一般的に考えることができます。自由
国家においてはそれが最も適したシステムですが、亡命チベット社会ではその
ようにはいきません。複数政党制の民主国家では一番議席数を多く獲得した
政党が政府を組織し、政党の政策実現を目指して最善を尽くします。それに
対して我々のシステムは民主制ではありますが政党の存在がありません。
代議員は規定された選挙区から選ばれるのではなく、異なる宗教宗派および
チベットの伝統的な州の出身者からそれぞれ代表が選出されます。そのため
代議員が日常的に一般市民と交流する機会は自然と限られてきます。だから
こそ亡命チベット人憲章には、一般大衆の意見が求められる緊急非常時に招集
される特別会議に関する項目が盛り込まれているのです。これは他の民主国家
には例がありません。

つづく
前からの続き

主席大臣(Kalon Tripa)は亡命チベット人によって直接選出されますが、
これは比較的新しいシステムです。主席大臣を選ぶにあたっては、立候補者の
人となりに注目せず、その人の政治的な主張によって支持するかを決めるべき
です。人々によって選ばれた指導者が政治的方向を示して人々を導くことを
せず、一般市民の意見を求めるようなやり方をとっているようでは指導者と
しての責務を果たしているとは言えないのではないかという指摘をいただきま
した。
しかし先にも述べましたが、我々のおかれている状況は他の自由国家には
みられない緊急非常事態であり、日々何が起こるかも分からないような状況な
のです。このような急を要する重大な課題に対して一般大衆の意見を求める
ことは解決を導くための極めて民主的な方策であり、私たちだけでなく他の
指導的立場にある人たちも見倣うべき姿勢だと信じます。ですから今回特別
会議が招集されたことは亡命チベット人憲章の民主的精神に則ったものである
と言えるのです。
私たちはこの会議を通じて、チベットの切迫した状況、世界情勢、そして中国
指導部の動きを考慮に入れながら一般チベット人の見解や希望を理解し、これ
からのチベットの進むべき最良の道を探っていかなければなりません。我々
内閣は、皆さんが英知を駆使してオープンで率直な議論に参加し貢献してくだ
さることを期待しております。この会議には政治的組織や凝り固まったイデオ
ロギーの対立は不要です。あえて強調いたしますが、この会議にあたりCTAが
密かに何か計画しているというようなことは一切ございません。取り上げられ
る議題についての是非を私たちが論ずることもありません。会議参加者に余計
な先入観を与えていると思われるのを避けるためです。内閣は皆さまの英知を
信じております。
チベット在住のチベット人から、この度の特別会議についての統計を取りまし
たが、その資料は議会議長および副議長に提出してあります。
今回の特別会議の主たる目的は以下の通りです。

1・危機的状況下でのチベット問題に関して、チベット一般大衆がオープンかつ
率直な討論をすること。

2・CTAの現行の政策および方針に対する意見を収集すること。批判的な意見も
この公の場で発表していただきたい。

3・チベットの将来についてどのような立場がとられることになるとしても、
人々の承認のもとに結論が導かれるようにすること。国際社会にもその明白さ
が示されるようにすること。

ダライ・ラマ法王がこれからもご健勝であらせられますように。そしてまた
法王の願いが現実のものとなりますように祈りつつ、声明文を締めくくらせて
いただきます。チベットの前途に光明がさしますように。

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チベット亡命政府内閣(カシャック)
ダライラマ法王日本代表部事務所より
http://www.tibethouse.jp/home.html
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チベット人の為の真の自治権に関する覚書きー要約
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081116_autonomy_summary.html
2008年11月16日


序文
2008年7月1日と2日の、北京での7回目の対談において、中国人民政治
協商会議副主席で中共中央統戦部部長の杜青林氏は、ダライ・ラマ法王に
チベットの安定と発展の為の提案を明白に尋ねた。中共中央統戦部副部長の
朱維群氏はさらに、我々の求める自治権の程度や形式に関する見方と、中華
人民共和国憲法の範囲内での地方自治権に関する全貌を知りたいと述べた。

それに応じて、最近の8回目の対談で我々はチベット人の為の真の自治権に
関する覚書きを副主席の杜青林氏に提出し、中国側との広範囲にわたる議論を
11月4日と5日に北京で行った。

近日、中共中央統戦部は、北京での対談、特に我々が中国側に提出した覚書き
の内容に関する報告書を発行した。これらの中国政府の報告書は、我々が書面
で概説した立場と提案を歪曲している。公衆、関心を寄せている政府、議会人、非政府組織、そして個人の方々に、チベット人の為の真の自治権に関する
チベットの立場を総合的に十分な理解していただく為に、今日私たちはこの
覚書きを発表する。

この覚書きは、我々の真の自治権に対する見解と、チベット民族の自律と自治
への特定の要求が、我々の理解する中華人民共和国憲法における自治権の規則
の適用を通してどのように達成されるか、という事を述べている。


覚書きの概要
中華人民共和国の憲法には、現在のチベット人の要求や熱望と両立生のある、
自律と自治に関する根本的な規則が含まれている。この地方自治権は漢民族
優越主義と局地的民族主義を排除する事で圧制や民族の分離に抵抗するねらい
がある。これは少数民族に権利付与し彼ら自ら独立して事務をとることによっ
て少数民族の文化とアイデンティティーの保護を保証を目指している。

チベット人の要求は、この憲法の自治権に関する規則内で、相当な広範囲に
わたって達成されることが可能である。幾つかの点においては、この憲法は
地方機関に意思決定と自治制度の運営においてかなりの自由裁量権を与える。
これらの自由裁量権はチベット人の真の自治権を、チベット独自の状況に応え
て促進するためにも使用できる。双方に善意があれば、憲法の自治権に関する
規則内で様々な重要な問題が解決できる。このようなやり方で、国家の統一、
安定、そしてチベット人と他の民族間の調和のとれた関係が築けるのである。

チベット人の抱負
チベット人は独特で豊かな歴史と文化、そして宗教的伝統を持っており、その
どれもが人類の遺産の貴重な部分を形成する。チベット人は自らの大切にして
いる伝統を保護したいと思うだけでなく、同様にチベットの文化と宗教的生活
と知識を、特に21世紀の人類の要求と状態に適したかたちで発展させたいと
望んでいる。

多民族国家の中華人民共和国の一部として、チベット人は中国が遂げている
急速な経済と化学発展から多くの利益を得る事ができる。これらの発展に積極
的に参加したいと思いつつ、我々はその参加がチベット人がチベット人として
のアイデンティティー、文化、本質を失う事無く、また独特で繊細なチベット
人固有のチベット高原の環境を危険にさらす事無く行われることを確保したい。

ダライ・ラマ法王が、チベット人の為の解決法を中華人民共和国範囲内で求め
ようとする決意は、明確ではっきりしている。この姿勢は主要指導者である
トウ小平が、独立以外はその他の問題は全て対話によって解決できると強調し
た声明と完全に一致し従っている。それ故に我々は中華人民共和国の領土保全
を全面的に顧慮することに打ち込んでおり、中央人民政府がチベット民族の保
全と中国範囲内での真の自治を行う権利を認め顧慮することを期待している。
私達は、これが双方の違いを解決し、民族間の統一、安定、そして調和への
基礎となると信じている。

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前からの続き

チベット人の基本的な要求
自治の内容
1)言語
2)文化
3)宗教
4)教育
5)環境保護
6)天然資源の利用
7)経済発展と貿易
8)公衆衛生
9)公衆安全
10)人口移住の規定
11)他国との文化、教育、宗教交流


チベット民族保全の顧慮
チベット人は、現在の行政分割にかかわらず少数民族の一つにに属する。
チベット民族の保全は尊重されなければならない。これが民族地方自治の
精神、意図、そして根本的な原則であるからであり、民族平等の原則なので
ある。

チベット人が同じ言語、文化、宗教的伝統、本質、そして習慣を共有して
おり、チベット人が一つの同じ民族に属し共通の強いアイデンティティーを
持っているという事実に議論の余地はありません。チベット人は一つの歴史
を共有し、政治的、行政的分裂のあった時代にもかかわらず、継続して、
宗教、文化、教育、言語、暮らし方、そしてチベット人特有の高原の環境を
通して結束してきた。

チベット民族は、千年以上居住してきた、つまりチベット人が原住民である
近隣付近のチベット高原に生活している。憲法の地方自治権の本質の趣旨と
して、中華人民共和国内のチベット人は実際に一つの民族としてチベット高原
全域に暮らしている。

チベット民族がこのチベットの独特なアイデンティティー、文化、宗教的伝統
を上記のチベット人の基本的な要求を満たす自治の実行を通して発展、繁栄さ
せるために、現在中華人民共和国によってチベット自治区を指定されている全
ての地域から成る全コミュニティーは一つの行政機関に置かれるべきである。
現在のような、チベット人社会が中華人民共和国のそれぞれの省と地域で
異って統治、管理されている行政分割は、断片化を助長し不平等な発展を
促進させ、チベット民族が共有の文化的、宗教的、民族的アイデンティティー
を保護し促進する能力を衰えさせてしまう。このような政策は、民族の保全を
尊重するよりも、民族の断片化を促進させ、自治の精神を軽視してしまう。

自治の性質と構成
真の自治の実行はチベット人が自身の地方政府、政府機関、チベット人の要求
と特質に最も適した進行をつくる権利を含む。これは自治区の人民代表大会が
地域の権能限内の全ての事柄において法律を定める権力を持て、その他の自治
政府の機関が自律して決断を執り行う権力がもてる事を必須とする。自治は
また、中央政府における国家の意思決定への代表権と有意義な参加も伴う。
中央 政府と地方政府の共通の関心の事柄における有効な協議と親密な協力、
又は合同決議の行程もまた、自治が効果的である為になくてはならない。

真の自治の決定的な要素は、憲法や他の法律が定める、自治区に分配された
権力と責任が一方的に変わったり破棄されたりしないという保証である。
これはつまり、中央政府と自治政府のどちらも、互いの承諾なく自治の基本的
な形成を変えられないということである。

真の自治の実施は、例えば、中央政府と自治政府の権能の明確な権力と責任の
分割を必須とする。現在このような明確さはなく、自治区のの立法範囲は不確
かな上、厳しく取り締まわれている。従って、憲法が、自治区の多岐にわたる
関心事項について法律を定める特別な要請を認識するよう意図されているの
に、条項116の中央政府上層部-全国人民代表大会常務委員会-からの事前
承諾を要するという事は自治の原則の実施を抑制してしまう。実際に、自治
地方大会のみがこの様な承諾を要するのであって、中華人民共和国の通常の
(自治ではない)省の大会はこのような事前の承諾は不必要でただ法規可決
を「記録として」報告するだけでよいことになっている。

自治の実施は憲法の条項115によりさらに多数の法律と規定の対象となって
いる。ある法律は効果的に自治区の自治を制限し、またある法律は必ずしも他
の法律と噛み合ないこともある。結果として、上層政府の法定によって一方的
に変えられてしまったがために、自治のはっきりした範囲は不明確で不確定
なのである。そしてまた、自治の範囲と実施を視野に入れた十分な協議や中央
政府と地方政府間に浮上する問題解決のための過程がない。実際、このような
不明確さが地方権力の主導性を制限し、今日のチベット人による真の自治の
実施を妨げてしまっているのである。

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チベット亡命政府
ダラムサラ、2008年11月16日

ダライラマ法王日本代表部事務所より
http://www.tibethouse.jp/home.html
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2008年11月22日

亡命チベット人憲章59条により招集された
第一回特別全体会議からの提案
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081122_artical59.html

はじめに
ダライ・ラマ法王のオフィスから亡命チベット代表者議会および内閣
(カシャック)宛に2008年9月11日付けで書簡が届いた。「ダライ・
ラマ法王は亡命チベット人憲章第59条の規定に基づいて今年の11月あるい
は 12月に特別全体会議の招集を要請しておられます。昨今のチベットの
危機的状況とチベットを取り巻く世界情勢を再考しながらチベット問題につい
て広く意見を求め討論していただくことを望んでおいでです。亡命チベット
代表者議会はできるだけ早急に日程を決定し、会議参加者を選出するように。
その詳細が決まり次第法王オフィスに通達すること。」という内容であった。

亡命チベット代表者議会が会期中であったため特別全体会議の日程は議会と
カシャックが共同で決定し、十分な検討の後議会全体の賛成を得、ダライ・
ラマ法王の承認もいただいた。

以上のような経過を経て、チベット暦2135年9月20日(西暦2008年
11月17日)、歴史に残る第一回特別全体会議が開催される運びとなった。
特別招待されたのは最高司法委員長および最高司法委員会の司法委員2名、
選挙管理委員長(公共事業委員長兼任)、会計監査委員長、主席大臣を含む
8名の内閣大臣、亡命チベット代表者議会の41議員、元大臣18名、元議員
32名、CTA職員66名、特使とダライ・ラマ法王特使各1名、海外ダライ・
ラマ法王事務所代表10名、インド・ネパール・ブータンの地域住民議会代表
およびその他地域議会をもたない地区からの代表78名、各地の自由運動委員
会代表60名、海外のチベット人協会代表32名、NGO代表20名、チベット
人学校校長代表58名、チベット仏教4宗派およびボン教の僧侶・尼僧代表
30名、その他種々の独立機関代表11名、インド・ネパール・ブータン
および他国でチベット問題に携わる人48名。合計560名が世界19カ国
から開会式に参加するためチベット子ども村ホールに集まった。

まず、ナムギャル寺の僧侶が経を唱える中、二人の議会議長と主席大臣が
ダライ・ラマ法王のお写真を掲げてホールに入場。チベットの伝統的三地区に
伝わる民族衣装を身につけた若者らが続いた。チベット舞台芸術研究所の学生
らがチベット国歌を斉唱した後、今年3月10日以降チベット中で起きた抗議
行動の犠牲者と中国政府の圧政に苦しむ人々のために一分間の黙祷が捧げられた。

カルマ・チュペル議長によって第一回特別全体会議開会の辞が述べられ、
サムドン・リンポチェ尊師(ロプサン・テンジン)の挨拶の後、参加者は15
の部会に分かれ、CTAが拠点とするガンチェン・キションで三日半にわたって
「昨今のチベットの危機的状況と、チベットを取り巻く世界情勢を再考しなが
らチベット問題について」話し合った。今回は会議参加者からだけでなく
チベット在住チベット人やチベット居住区のチベット人、更に様々な組織や
教育機関、その他個人からも多くの意見が寄せられた。

11月21日、参加者全員が再びTCVホールに招集され、各部会議長からそれ
ぞれ討論報告があった。翌22日午前8時、各部会議長、特別全体会議組織
委員会メンバーおよび亡命チベット代表者議会常任委員会メンバーが15部会
の意見をまとめるために集まった。午後1時半、集約された意見が全体会議で
発表された。その内容は以下の通りである。

次のページ
前からの続き

チベット人の政教両面における指導者としてのダライ・ラマ法王について 

1・ダライ・ラマ法王は全チベット人の委任のもと、チベット人にとっての
宗教的、政治的最高指導者の地位にお就きになられた。中国を含む隣国も
これを受け入れており、ダライ・ラマ法王が我々の政教両面における指導者
であることは明白である。同時に、CTAはチベット内外のチベット民族の唯一
正当な代表機関であり、これは何世紀にもわたり継承されてきた伝統でも
ある。ダライ・ラマ法王とCTAには、チベットとその民族を代表する権利は
ない、という中国政府のレトリックとプロパガンダが荒唐無稽であることは
歴史が証言している。チベット内外のチベット人は中国政府のそのような見解
には真っ向から対抗する。

2・今回の特別全体会議は、ダライ・ラマ法王に危機的状況にあるチベットの
宗教的、政治的指導者として(引退、半引退などとおっしゃらずに)今まで
通りの任務をお引き受けいただけるように強くお願い申し上げる。ダライ・
ラマの転生者であらせられる現ダライ・ラマ法王以外に雪国チベットの民を
加護し続けられる方はおいでにならない。

3・今回の特別全体会議を通じて我々は中国政府に対し、ダライ・ラマ法王に
対 する事実無根の理解不可能な非難中傷を直ちに止めるよう要請する。彼ら
の中傷によって世界中のチベット人、中国人を含むチベット仏教信奉者、
そして正義を愛する世界中の人々の心が傷つけられた。更に、チベット人と
中国人民間の民族的な溝も深くなり、その結果将来的な民族間の協調と調和に
も影響が出ることが必至となった。

CTAの政策と方針について

1・チベット内外から寄せられた意見と、今回の会議で出された提案を集約した
結果、その時々の状況に応じながらダライ・ラマ法王のお導きに従うという
意見で一致した。大多数は引き続き中道政策を支持しているが、加えて、
これまでの中国政府の対応を考えると特使を派遣するのを見送り、近い将来
前向きな結果が得られなければ完全独立や民族自決への政策転換も考えるべき
だという意見も目立った。

2・中道、独立、民族自決、どのような道がとられようとも、我々は目的達成
のために非暴力を貫き通す。


中華人民共和国政府と中国人民について

1・ダライ・ラマ法王とCTAは中国−チベット問題を中道のアプローチによって
解決すべく努力してきた。我々は最近、チベット人のための真の自治について
の覚書を中国政府に提出したが、中国憲法の枠組みに沿った内容であるにもか
かわらず、中国政府は前向きな反応を示すどころか、どの条項も独立、半独立
あるいは偽装した独立を狙うCTAの画策だとして全く取り合わなかった。対話
は前進のないまま終わった。この全責任は中国政府にある。

2・今年チベット中で起こった抗議運動は長年鬱積してきたチベット人の不満や
苦痛のあらわれである。チベットが侵略を受けて以来続いてきたチベットと
チベット民族に対する圧政が人々の怒りを爆発させたのだ。チベットの天然
資源の組織的な略奪、チベットの伝統・習慣の破壊、ダライ・ラマ法王を
強制的に非難させるいわゆる「愛国教育」の実施、大規模な漢民族のチベット
への移住などが、抗議行動が今なお続いている理由である。漢民族の移住政策
はチベットの宗教や文化を蝕み、チベットの生態系破壊の原因にもなって
いる。基本的な全人権の侵害も抗議運動の一因である。

3・チベットで起きた騒乱は「ダライ集団」によって扇動・画策されたと中国
政府 は断言している。ダライ・ラマ法王もCTAも国際調査団にチベット調査を
依頼し、中国政府の主張を裏付ける証拠を提示してもらえるよう要請した。
さらにダラムサラの調査も受け入れる旨を伝えた。しかし中国政府はどちらの
提案にも積極的な態度を見せず、国際社会に対して自らの主張を裏付ける立っ
た一つの証拠も提示できずにいる。この事実からも分かるように、今年三月
からの抗議運動の原因は明らかに侵略以来の中国のチベット政策にある。
中国政府は自らの過ちを認め責任を取るべきだ。


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前からの続き


4・今会議で何度も念を押し確認したことであるが、チベットの闘争はチベット
民族の権利回復のためのものである。チベットとチベット民族に対する誤った
政策に対する闘争だ。中国政府が流布しようとしているように、中国人民が
相手ではない。

5・チベット仏教の破壊目的の一策として、中国政府はラマつまり活仏の認定に
関する新法規を制定した。我々は信仰を持たない政府が宗教に干渉し、政治の
ために悪用することを決して認めない。同様にチベット内の寺院で益々ひどく
強要されるようになっている「愛国教育」キャンペーンにも強く反対する。

各機関および事業の改善について

亡命チベット代表者議会の事務局は、教育・情報・厚生・財務の各分野の行政
管理についての提案を近々報告書に作成する予定である。今回チベット内外の
チベット人から集められた情報と今会議で収集された情報を集約した内容に
なる。これからの指針を決める参考になるよう、関係部署に配布される。


チベットを支援してくださる全ての人たちへの感謝

我々はこの機会に、チベットとチベット民族をサポートしてくださる世界中
の支援グループ・政府・一般の方々・議会・その他の国際機関に、そして
長年惜しみないご支援をしてくださっているインド政府とインド国民の皆様に
対して心からお礼を述べさせていただきます。

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第一回特別全体会議参加者を代表して
チベット暦2135年9月25日(西暦2008年11月22日)

亡命チベット代表者議会議長 カルマ・チュペル
同副議長 ギャリ・ドルマ
ダライラマ法王日本代表部事務所より
http://www.tibethouse.jp/home.html
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世界各国のチベット支援団体が集合、国際会議を開催
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081129_tsg.html
2008年11月29日

(グルガオン)国際チベット支援団体特別会議が3日間に渡って開催され
る。主催はインドのチベット支援団体で、チベットで現在も続いている深刻
な状況と現在の国際情勢を踏まえて話し合いを行なう。

会議は11月29日からデリーに近いグルガオンにおいて開催され、30カ国
から100名の代表者が集まる。主賓としてチベット亡命政府内閣主席大臣の
サムドン・リンポチェ教授が参加するほか、チベット亡命政府議会議長の
カルマ・チョペル氏、大臣でデリーのダライ・ラマ法王事務所の代表も務める
テンパ・ツェリン氏が参加。国際会議の議長を務めるのはインドのチベット
支援団体(Core Group for Tibetan Cause)のN・K・トリカ博士で副議長は
ビジェイ・クランティ氏。

世界各国のチベット支援者たちにチベット本土での現況と11月17日から
22日までの6日間に渡ってダラムサラで開催された亡命チベット人による
特別緊急会議の概要を伝えるのがこの会議の目的だが、チベット運動をさらに
強力に進めていくための話し合いも行なわれる。

会議の開催にあたり、テンパ・ツェリン大臣がダライ・ラマ法王の
メッセージを読み上げた。

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前からの続き

以下、ダライ・ラマ法王のメッセージ:

「チベットを支援してくださる世界各地のみなさんがインドで特別会議を
開催されることを大変うれしく思います。チベットの人々の苦しみを終わら
せるためにチベット運動をいかに進展させていけるかという課題について話し
合うために遠方より起こしくださった参加者のみなさんにお礼を申し上げ
ます。

 常々申し上げておりますように、チベット問題は道徳と正義の問題です
から、みなさん全員がチベットの専門家であられる必要があるとは私は考え
ていません。いうならば、みなさんは正義の専門家です。
 チベット問題はチベットの人々の権利のみならず、世界的な局面に関わる
問題でもあります。チベットの文化遺産は仏教哲学の不殺生と慈悲に基づく
ものです。つまり、600万人のチベット人だけでなく、仏教文化を共有し、
この世の平和と調和に寄与していると考えられる1300万人の問題なの
です。
 第二に、チベット問題は環境問題でもあります。チベットの自然環境は壊れ
やすく、何十億もの人々に広範囲におよぶ影響を与えることになるという報告
を科学者たちはまとめています。
 第三に、チベット問題はインドと中国というふたつの大国と密接に関わり
合っています。チベット問題を有意に解決するということは、両国を合わせ
れば世界人口の三分の一になるインドと中国の国家間に平和をもたらすのに
貢献することになります。

 民主的に選ばれた我々の政治指導部が、先日ダラムサラで開かれた特別緊急
会議の結果をみなさんにご報告します。特別緊急会議は、私が招集するよう
提案しました。民主的に選ばれた我々の指導部が、チベットの人々の意見の
相違、悪化の一途を辿っているチベットの現況、現在の国際社会のシナリオ
を十分に把握し、さらには、チベットの人々のために、今までとは違うアプ
ローチについて考えてもらいたかったからです。
 チベット人の代表者たちが行なった特別緊急会議での提案に基づいて、
みなさんも今後のチベット運動についてフランクで腹蔵のない話し合いをな
されますよう願っております。チベットの人々の心の底からの願いを実現する
ために、我々が取り得る最善の方法を、民主的に選ばれた我々の指導部に提案
していただきたいのです。

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前からの続き

 みなさんの会議は、チベットの人々とチベット本土の社会がまさに試練の
真っ只中にある時期に開催されます。今年の3月以降、チベットの人々は果敢に
も中華人民共和国の政策に対する不満を表明し、長年こらえてきた憤りをあら
わにしました。自国の人々の利を最優先に考える政府ならば、どこの政府で
あれ、チベットという土地で起きている問題の重さに気づき、事態を改善する
ための手段を考えたでしょう。しかしながら、中国政府はそのような措置を
取るどころか、正義と平等を求めるチベットの人々の叫びを完全に無視し、
チベット人全体を弾圧しました。チベットでは厳しい状況が続き、多くの市街
において膨大な数の警察と軍隊の姿があります。事実、チベットのいくつかの
地域では事実上の戒厳令が敷かれており、チベット人は非常事態下で暮らして
います。チベット本土のチベットの人々の暮らしは非常に危機的な状況に達し
ています。我々を支援してくださる方々のあらゆる援助を、彼らは必要として
いるのです。

 ご承知のように、私は、チベットと中国の双方が納得のいくチベット問題の
解決策を見いだすべく中国指導部に誠意を尽くしてまいりました。
 私の特使は、中国指導部に対し、チベットの人々の悲願のみならず中華人民
共和国の統一と安定を考慮した中道のアプローチに全力で取り組むという私の
公約を明確に伝えました。2002年に中国指導部との対話が再開されて
以来、そのような解決に向かうものと私は期待していたのです。
 私の特使は先日の第8回目の対話の場で、中国指導部に対し、チベットの
人々の基本的要求の明確なアウトラインを提示しました。このような要求は
中国憲法に明記されている権利です。
 残念なことに、特使は、道理をわきまえた対話に繋がり得るあらゆる扉が
閉ざされてしまったことをはっきり知って帰ってくる結果となりました。
中国政府は私の個人的な安寧についてのみしか話し合おうとしないのです。

 チベット問題はチベットの人々全体の安寧についての問題であり、私個人に
ついての問題ではありません。チベットの人々の公益に基づいて考え、決定し
ていかねばならないのです。
 しかし、中国指導部の硬直した姿勢や政策を改善するよう説得するには、
チベットの人々の声だけでは不十分であることが明らかになってきています。
チベットの人々の苦しみを多少なりとも軽くできますように、私は、国際社会
に引き続きのご尽力をお願い申し上げます。
 このようなご尽力をいただくなかで、世界中の支援団体のみなさんは重要な
役割を担ってくださっています。

 窮地にあるチベットの人々のために毅然と立ちはだかってくださったチベッ
ト支援団体のみなさまに、心からの感謝の念を表明させていただき、話を締め
くくりたいと思います。
 みなさんは我々に対する支援の光源です。それにはただ続けるということ
だけではなく、さらに支援していこうと努力する意志を要してくださっている
ことを、私は確信しています」

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式辞のなかで主席大臣は、チベット支援団体の会議は中央チベット行政府の
手段として使うために開かれるのではないと述べた。
 会議のメンバーは自発的に智恵と資財を使って、チベット問題の解決策を
見つけるためのこの会議を開催してくれた、と主席大臣は語った。
 また、ダラムサラで開かれた特別緊急会議の概要を語るなかで、特別緊急
会議は今年3月にチベットの人々によって払われた犠牲に報いるために召集
された、と主席大臣は語った。
 我々は自由な世界に住んでいるのであり、中国政府の圧政下で苦しんでいる
チベットにいるチベット人のことを見過ごしたままでいることはできない。
彼らの苦しみを軽くするために我々が取り得るベストの方法とは何であるのか
考えている、と主席大臣は語った。
 チベット内外のチベット人の圧倒的大多数が中道のアプローチを支持して
いるのは水晶のように透明な事実であり、このことは特別緊急会議のなかで
明確に立証された、と主席大臣は語った。

主席大臣は、国際チベット支援団体特別会議を主催したインドのチベット
支援 団体のメンバーに謝意を表明した。

カルマ・チョペル議長は、先般の特別緊急会議の提案について詳しく報告。
この会議をチベット史における節目とし、チベット問題解決のための一貫
した 支援の継続を支援団体のメンバーに呼びかけた。

ダライラマ法王日本代表部事務所より
http://www.tibethouse.jp/home.html
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ダライ・ラマ法王プラハを訪問―1日目
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081130_prague.html
 2008年11月30日 Phayul.com

(プラハ)11月29日早朝、ダライ・ラマ法王がドイツのフランクフルトから
専用機にてチェコ共和国の首都プラハに到着されました。今回法王は、
前大統領ヴァ―ツラフ・ハヴェル氏及びフォーラム2000の招待で、2008年
11月29日から12月1日までプラハに滞在されます。

空港ではインド大使館の第一秘書官と、フォーラム2000の代表取締役である
オルダ・チェルニー氏が法王をお迎えし、法王のホテル到着時にはチベット人
コミュニティーのメンバーが法王を歓迎しました。

チェコTVにご出演された際には、法王は長年にわたるチェコ共和国との
つながりと、特にハヴェル前大統領との関係についてお話され、中国との
対話の現状についても言及されました。今回で法王のチェコ共和国訪問は
7回目になります。

警備体制も素晴らしく、パトカーとバイクが法王の車列を先導し、滞在ホテル
では24時間体制で警官による警備がつきました。 �

■写真■
プラハに到着したダライ・ラマ法王を出迎えるインド大使館の第一秘書官と、
フォーラム2000の代表取締役であるオルダ・チェルニー氏
ダライラマ法王日本代表部事務所より
http://www.tibethouse.jp/home.html
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ダライ・ラマ法王、チェコ首相と会見
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081201_czech_pm.html
 2008年12月1日 Phatyl.com

プラハ: 11月30日夕方、ダライ・ラマ法王とチェコ首相ミレク・トポラー
ネク氏(Mirek Topolanek )は首相官邸に於いて会見しました。チェコ首相
は、官邸の玄関にて法王をお迎えし、二人の主導者は1時間以上にわたり会見し
ました。会見でダライ・ラマ法王は、チベットの現状についてチェコ首相に
ご説明されました。首相は法王のチェコ訪問を歓迎し、チベット問題に対して
懸念を表明しました。

会見に先立ち、この日の午後ダライ・ラマ法王は約3,000人の聴衆に対し、
幸福の基礎的要素である「慈しみの心」について講演されました。この講演の
チケットは11月中旬に発売され、2日以内に売り切れとなりました。 講演は2つ
のウェブサイトにてライブ放送されましたが、過重負荷によりクラッシュが生
じる事態になりました。

法王は、他者に対する慈しみと寛大な姿勢は、内面の平安に到達するために
大切な能力であると説かれました。また、共感と慈しみは気候変動などの
世界的な問題を解決するのにも重要な役割を担うと述べられました。

午前中には、国際的に活躍するスイス生まれの写真家ミッシェル・コント氏が
ダライ・ラマ法王にインタビューをしました。 コント氏は1986年にチベット
を訪問し、その後2008年6月にはダラムサラを訪問。コント氏の新たなプロジェ
クトとして、ダラムサラ近郊に新しい医学校を設立するために、チベット医学
暦法研究所に対してどのような支援ができるか相談をしています。

コント氏のインタビューの後は、北京オリンピックのメダリストであるイタリ
ア人フェンシング選手、マルゲリータ・グランバッシさんがダライ・ラマ法王
にフェンシングのマスクをプレゼントしました。グランバッシ選手は「北京で
防具として私を守ってくれたこのマスクが、法王がチベットの皆様をお守り
するのにも役立ちますように」と挨拶しました。

法王はハンガリーやオーストリアから来たチベット人達にもお会いになりま
した。チベット支援グループのメンバーは法王との集合写真撮影を行いまし
た。法王は、チベットは困難な時期に直面しており、皆の援助が必要だとおっ
しゃり、またメンバーの支援に対して感謝の意を表明されました。

仏大統領、ダライ・ラマと会談 中国は猛反発

2008年12月7日 産経新聞

【ベルリン=黒沢潤】欧州連合(EU)の議長国、フランスのサルコジ
大統領は6日、ポーランド北部のグダニスクで、チベット仏教最高指導者の
ダライ・ラマ14世と会談した。大統領は会談後の会見で、チベット情勢に
関するダライ・ラマの懸念を欧州が共有していると強調。これに対し、
中国は激しく抗議した。

 サルコジ大統領とダライ・ラマの会談は、約30分にわたって行われた。
同大統領は会見で、会談がフランスと中国との関係悪化につながるとの
懸念について、「(中国側が)事態を大げさにしようとする必要はない」
と強く牽制(けんせい)。その上で、「(ダライ・ラマの)懸念を欧州も
共有している」と強調した。フランス通信(AFP)によれば、これまで
EU議長国の首脳がダライ・ラマと会談した例はないという。

 サルコジ大統領は「ダライ・ラマはチベットの独立を求めないと会談で
述べるとともに、私も中国とダライ・ラマの対話の重要性を説いた」と
強調した。ダライ・ラマは、大統領の北京五輪開会式への出席も支持した
という。

 中国は今回の会談に猛反発している。ロイター通信によれば、中国政府は
「会談は実に思慮の浅い行為だ。中国人の感情だけでなく、中仏関係をも
傷つけた。フランスはチベット問題に関して、ご都合主義的で、近視眼的な
行動をとった」と厳しく非難した。

 ただフランス政府高官によれば、中国国内では6日現在、目立った
フランス製品のボイコット運動は起きていないという。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/081207/chn0812071046000-n1.htm
中国 ダライ・ラマとの会談に過激な反応 背景に国内事情?

2008.12.7 19:51

【北京=矢板明夫】7日付の中国の各メディアは、フランスのサルコジ大統領がダライ・ラマ14世と会談したことについて、「思慮のない行動で中国人民の感情を傷つけた」(新華社通信)などといっせいに非難した。この表現は3年前に靖国神社を参拝した際の小泉純一郎首相(当時)に対する批判をほうふつさせる。中国にとって外交の“敵”は日本からフランスに移ったことを印象づけた。

 ここ数年、世界中を遊説してチベットへの支持を求めるダライ・ラマに対し、中国は外務省報道官による不快感表明などの形で抗議を行ってきた。しかし、今回のフランスに対する反応は異例の激しさといえる。会談の実施が伝えられると、中国は事前に予定されていた欧州連合(EU)と中国の首脳会議の延期を決めたほか、エアバス社の航空機購入契約の延期も通告した。会談が行われた後、何亜非外務次官はラドゥス駐中国フランス大使を呼び、「両国の協力関係を損なった責任はすべてフランス側にある」と抗議した。共産党機関紙の人民日報は「中国に対する悪意の挑発であり、必ず重い代償を払うことになるだろう」と、フランスに対して経済制裁を加える可能性にも言及した。

 フランスと中国は1964年に国交を樹立し、長年、良好な関係を保ってきた。中国がかつてない強硬な態度を示したのは、最近の景気低迷で工場の倒産が相次ぎ、失業者が行政機関などを襲撃する事件が多発している国内事情が背景にありそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/081207/chn0812071954002-n1.htm

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外部に仮想敵を作ることにより、国民の不満を外に向けさせることは中国外交の常套(じようとう)手段であり、江沢民政権時代には日本の保守勢力がその的にされてきた。しかし、日本たたきが度を過ぎると、国内の反日感情に一気に火が付き、2005年の反日デモのように、政府が民衆をコントロールできなくなる事態に発展する危険性がある。以後、胡錦濤政権は日本批判を控えるようになっており、自衛隊幹部の論文問題が先月に話題となった際も、中国外務省の反応は極めて抑制されていた。

 07年のフランスと中国の貿易総額は336億ドル(約3兆1194億円)で、日本の7分1程度しかない。フランスと対立しても経済面などへの影響は少なく、国民の不満を発散させるもっとも“手ごろな国”だと中国当局が判断したのかもしれない。

 中国国内の各ネットの掲示板には「中国人民を侮ってはいけない」「政府を断固支持する」といった書き込みが殺到しているが、この反応も小泉元首相の靖国参拝に対し中国当局が強硬姿勢を示したときと酷似している。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/081207/chn0812071954002-n2.htm
中国、ラサ一斉検挙でチベット人59人逮捕
 2008年12月25日 ロイター


[ダラムサラ]前夜の中国新聞社の報道によると、チベット自治区ラサで
行われた警察による一斉検挙で59人のチベット人が逮捕された。

逮捕された59人は、チベット人の精神的指導者ダライ・ラマ法王の扇動に
より、チベット内で分離独立主義を助長する「反動的」な音楽をダウンロー
ドしたため告発されたとのこと。

中国新聞社はこの報道で、「2008年3月の暴動事件の後、ダライ集団の陰謀と
扇動に影響された複数の人間が、意図的に流言と扇動的な道徳感情を広め、
国家および個人の安全を驚異にさらした」と伝えている。

また、警察がインターネットから違法にダウンロードした曲の販売を取り
締まる目的でラサの市場を捜査中であったことを付け加えた。

中国政府は、分離主義者の行動を未然に防ぐという口実のもと、拷問や根拠の
ない勾留、チベット人に対するダライ・ラマ法王非難の強要といった弾圧的な
手段を取っている。

国際社会では、2008年3月10日の暴動(チベット人の死者219人、負傷者
1,294人、約5,600人が未だ拘禁または拘束中、行方不明者は1,000人を超え
る)以来、中国政府の誤った政策に反対するチベット人の平和的抵抗を
中国側が暴力で弾圧していることについて、非難する声が高まっている。

チベット全土のチベット人活動家は、ダライ・ラマ法王の帰国とチベットに
おける基本的人権を求めている。

月曜日午前、ワシントンに本部を置く人権グループは、中国法廷が、チベット
状況に関する情報を外部に流しているという理由で、非政府系組織に所属する
チベット人1名に終身刑を科したことを伝えた。

「インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット(ICT)」より電子
メール配信された声明(11月8日付、チベットの地方新聞掲載記事からの引用)
によると、先月ワンデュという人物が終身刑を言い渡されている。

人権グループは、その他にも6人のチベット人が長期刑の宣告を受けたと述べて
いる。

「チベット外部の人々に情報を流したために科される刑としては、前例のない
厳しさである」と、同グループは言う。

「この新たな状況は、現在のチベットにおける弾圧についての情報入手がより
困難になることを示しており、またチベットでのNGOの活動においても難題となる。」


チベット反政府デモから1年 犠牲者を追悼<2/28 18:40>

 中国のチベット自治区で起こった大規模な反政府デモからまもなく1年。
東京・新宿区では28日午後、デモの犠牲者を追悼する法要が行われた。
 中国では去年3月、チベット自治区を中心に大規模な反政府デモが発生し
た。チベット亡命政府は286人が犠牲になったとしており、在日チベット人
らが犠牲者の冥福を祈った。

 法要の参加者は、今も弾圧が続くチベットの現状を知ってほしいと訴えた。

日テレnews24
http://www.ntv.co.jp/news/130122.html



チベット僧侶、抗議の焼身=警官が発砲か−中国四川省

 【北京28日時事】28日の新華社電によると、中国四川省のアバ・
チベット族チャン族自治州アバ県で27日、チベット仏教寺院「キルティ・
ゴンパ」(格爾登寺)から出てきた僧侶が街頭で焼身自殺を図った。僧侶の
生死は不明。
 チベット動乱50周年を3月10日に控え、チベット自治区とその周辺では
抗議の動きをめぐり緊張が高まっている。独立派の「チベットの声」放送
(電子版)は、焼身を図った僧侶に警官が発砲し、命中したと伝えた。
 同放送によれば、キルティ・ゴンパで予定された僧侶約1000人による
大法会が公安当局に阻止された後、若い僧侶がガソリンをかぶって同寺院から
飛び出し、自分に火を付けた。
 その際、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の肖像を掲げ、スロー
ガンを叫んだという。新華社電は「警官が火を消し、僧侶を病院に運んだ」
とし、発砲には触れていない。(2009/02/28-19:42)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009022800310
焼身自殺図ったチベットの僧侶を銃撃、死亡
 
中国・四川省東部のアバ・チベット族チャン族自治州で27日午後、チベット
仏教の僧侶がチベット独立を叫び焼身自殺を図ったところ、治安部隊の発砲に
より死亡し、チベット問題をめぐる緊張が高まっている。

AP、AFP通信がフリー・チベット・キャンペーン(本部ロンドン)など人権
団体の情報を引用して伝えたところによると、発砲があったのは、同自治州
アバ県にある市場付近の交差点で、「タペイ」という名の20代後半の僧侶が
ダライ・ラマの写真とチベットの旗を持ち、反中スローガンを叫びながら、
全身に石油をかぶって火を付け、焼身自殺を図った。この僧侶はその後、
治安部隊に銃撃され、移送先の病院で死亡したという。

今回の事件は、10日のチベット蜂起50周年と14日のチベット暴動1周年を
控えた時期に起きた。

人権団体「チベットのための国際キャンペーン」のサウンダーズ広報担当は、
米ワシントンポストに対し、「警察が3回にわたり銃撃を加え、タペイは最初の
銃撃で倒れた」と語った。

今回の事件が起きたアバ県では昨年3月のチベット暴動でも警察の発砲で僧侶
と人権運動家ら7人が死亡し、暴動を悪化させた。

一方、米自由アジア放送(RFA)によると、青海省海北チベット族自治州貴
南県では2月25日、僧侶100人余りが30分にわたりろうそく集会を開いた。
また、チベット人権民主主義センターによれば、四川省省カンゼ・チベット族
自治州理塘県でも最近、大規模な独立デモがあったという。中国は先月から
チベット自治区を事実上封鎖し、隣接する四川省、青海省でも警戒を強化して
いる。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、チベット自治区の
ラサで昨年起きた暴動の中心地となったジョカン寺(大昭寺)の周辺では、
商店の大半が営業を取りやめ、午後8時以降は外出禁止令が下されていると
いう。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/news/20090302000015
ダライ・ラマ法王、インドで初のチベット大学の除幕へ
(phayul.com)

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インドで初のチベット大学「ダライ・ラマ高等教育大学」がIT都市
バンガロール近郊に開校

(ダラムサラ)亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ法王は
16日、亡命チベット人社会がインドに創立する初めてのチベット大学の
除幕式を執り行ない、大学名を明らかにした。

「ダライ・ラマ高等教育大学」と命名された同大学は「チベット子ども村」
が創立。インド南部、バンガロール市内から27キロ離れたマイソールロード
沿いに位置する。

16日の式典には、周辺のチベット人居住区から集まったチベット人を
はじめ、バンガロールで学ぶ300名のブータン人の学生など3000名が
参加した。

ダライ・ラマ法王は式辞のなかで、南インドにおけるチベット人居住区と
チベットの文化や仏教を学ぶための教育機関の創立を支援してきたカルナタカ
州に対し、感謝の念を表明した。

ダライ・ラマ法王は、仏陀の教えの基礎はチベット人とブータン人の精神性に
おける類似性を学ぶことからはじまると語り、とくにブータン人の学生に向け
て仏教の勉強に励むよう激励した。

この式典には、カルナタカ州の前高等教育大臣であるパラメシュワール博士、
南インドのチベット人居留区の代表を務めるクンガ・ドルジェ氏をはじめ、
教育機関関連の役人が参列した。

パラメシュワール博士は、インドで初めてのチベット大学を創立したチベット
子ども村の開拓者精神を称え、「ここで築きあげられるアカデミックなカリ
キュラムが、ゆくゆくはチベット本土の教育機関においても実施される日が
来ることを願いたい」と期待を込めて語った。

 (翻訳:小池美和)
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=23836
チベット問題に理解を 日本代表部のラクパ氏訴え
 一燈園で国際宗教同志会総会
 
平成21年(2009年)2月17日 中外日報
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国際宗教同志会(理事長=三宅光雄金光教泉尾教会会長、事務局=大阪市
大正区・泉尾教会内)の平成21年度総会が10日、京都市山科区四ノ宮の一燈園
で開かれた。チベット亡命政府「ダライ・ラマ法王日本代表部事務所」の
ラクパ・ツォコ代表が「チベットの現状と特別会議について」のテーマで
講演し、チベット問題に対する日本の「理解」を呼び掛けた。

 ラクパ氏は1958年、チベット南部シェンカル県生まれ。インド・デリー大学
卒業後、ダライ・ラマ法王インド・デリー代表部事務所事務局長などを経て、
2007年6月に同日本代表部事務所・代表に就任した。

 講演したラクパ氏は、「日本の仏教者がチベットのことを忘れていないこと
を信じている」と滑らかな日本語で切り出し、「120万人が死に、6,000の寺を
破壊した」「チベットが中国の一部だというのは自分たちに都合の良い解釈」
などと中国のチベット「侵略」の歴史を説明。天然資源や水の豊富なチベッ
トは、環境問題を通じて日本とも関係しており、「アジアで存在感を持つ日本
は、『見ざる言わざる聞かざる』でなく、世界の中でモラルに貢献する責任が
ある」と強調した。

 その上で、ダライ・ラマ十四世の三つの誓い ?人間の「価値の種」を促進
する?世界の宗教との和を促進する?チベット問題を解決する―を紹介。「力
を持っている皆さんにチベットへの理解を宜しくお願いしたい」と呼び掛けた。

 ラクパ氏の講演に先立ち平成21年度の総会が開かれ、20年度事業報告・収支
報告、21年度事業計画・予算が承認された。今夏にモンゴルへの代表団派遣が
計画されている。
http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090217_kyoto.html
中国が外国人のチベット訪問を全面禁止
(2009年2月18日 テレグラフ紙)

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ダライ・ラマ法王の亡命50周年を前に、中国政府はチベットおよび周辺広域へ
の外国人の立ち入りを禁止した。

中国当局は水曜、すべてのツアーを当面キャンセルするよう旅行代理店に
通知した。「チベット観光局との話し合いで、少なくともここ2ヶ月間は
チベットへの訪問を全面的に禁止するよう言い渡されました」とチベット・
ヤック・トラベルのワン・フェン氏は語る。

外国人がチベットを訪れる際には許可証が必要であるが、大手旅行代理店の
ひとつであるユース・トラベル・サービスは、「許可証がおりるケースは
ほとんどない」という。

「現在、許可証を入手することは非常に困難です。いつ再開するのか、成り行
きを見守るしかありません」と関係者は話す。

ツェダン・チャイナ・トラベルは、4月にチベット周辺への訪問が可能どうか
についてもはっきり分からないと語っている。ワン氏は、この外国人への禁止
令は、「政治上の微妙な理由」によるものだという。

この禁止令は、チベットに加え、チベット人居住区のある3つの周辺地域をも
包括している。甘粛省当局は、追って通知があるまではチベット自治区から
観光客を退去させていることを認めており、四川省当局は、チベットへ向かう
旅行者は足止めすると通告している。青海省当局は、中国で最も美しい名所と
して知られる祁連山(きれんさん)を含むチベット人居住区へは、これまでも
外国人の立ち入りは禁止されてきたと話す。

中国は、ダライ・ラマ法王が亡命して50周年にあたる3月10日を前にして、
チベットへの弾圧を強化している。昨年、チベット蜂起を記念して200人の
僧侶が行った平和的な抗議行動は暴力を伴う衝突へと発展した。中国政府は、
この抗議で22人が死亡したと伝えているが、人権活動家らは、これよりもはる
かに多くの人々が武装警察の犠牲になったと確信している。

今年に入り、緊張はすでに高まっている。中国公安部は、四川省のチベット人
居住区であるリタン郡で抗議行動を行った24人あまりのチベット人を殴打し
逮捕したとも伝えられている。この抗議行動は、先週の日曜に、ネコル寺院の
僧侶であるロブサン・ルンダップ(39)が、繁華街でダライ・ラマ法王の写真
を掲げ「フリー・チベット!」と叫んだことが発端となり起こった。

また今年は、多数のチベット人が中国の旧正月の祝いに参加することを
拒否し、チベットに住む漢民族との間に緊迫感が高まっている。さらに、
中国の兵士が寺院に配属されているという複数の報告や、ラサの主要寺院で、
屋根に狙撃兵が配置されているのを見たという目撃者の情報もある。

これまで中国政府は、彼らが「農奴解放記念日」と称する記念行事を3月に
取材する外国人ジャーナリストを歓迎すると述べていた。同政府は、ダライ・
ラマ法王の亡命は、封建制度を捨てて何百万人もの奴隷を自由にしたチベット
の近代化の始まりを示すものだという。しかしながら中国は、この記念日の
ためにチベット入りの準備を整えようとするジャーナリストをかたくなに拒絶
している。

 翻訳:パドマサマディ
http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090218_tibet.html
在日中国人・チベット人友好会、日本で結成
(2009年2月25日 チベットハウス・ジャパン)

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2009年2月14日(土)、東京において、近郊に住む大勢の中国人とチベット人
が、新宿厚生年金会館でこの夜初めて顔を合わせ、地域の友好会結成を祝った。
100人近い中国人とチベット人が、午後5時から2時間の懇親夕食会を兼ねた会合
に集まった。

この会合を企画したのは在日チベット人会である。在日チベット人会代表
カルサン・ドンドゥプ氏は開会の挨拶において、この集いを歓迎し、二つの
コミュニティが対立していないこと、互いに愛と尊敬の念を持っていること、
平和的に共存していけることを、共に世界に示す喜びを述べた。

日本および東アジアにおけるダライ・ラマ法王代表であるラクパ・ツォコ氏
は、会の結成を歓迎し、常に愛と慈悲、非暴力、世界的兄弟愛を説くダライ・
ラマ法王の理念に沿うものだと語った。また、友好会が二つのコミュニティの
間にある多くの疑念や誤解をなくすことに大いに貢献するだろうと語り、この
会は政治団体ではなくコミュニティレベルで結成された友好会であり、中国と
チベットに平和と安定をもたらす大きな助けになると語った。

友好会の代表には西倉ツェワン医師、副代表に劉波氏と李小松氏、事務局長に
カルサン・ドンドゥプ氏が指名された。ツェワン医師はこの任務を受け、両
コミュニティに、平和と友好の方針をまもり、理解を深めることで、中国と
チベットそれぞれの人々に良いメッセージを送るよう促した。

劉波副会長はスピーチの中で、会の結成に対する大きな喜びの気持ちを述べ
た。劉氏はチベットを何度か訪れ、多くのチベット人と良い友達になったと
いう。
チベットには独特な仏教的伝統による平和と利他の思想があり、中国人は
チベット人から学ぶことがたくさんあると語り、両コミュニティのさらなる
コミュニケーションの必要性を示唆した。そして、「中国政府が何をしたと
しても、それは政府の立場を示しているにすぎず、中国人を代表しているわけ
ではない」と語り、友好会の成功を祈ってスピーチを締めくくった。

その後、出席者達は夕食を共にし、語り合い、意見を交換した。多くの人が
会合に大いに満足しており、多くの誤解や疑念をなくすのにとても役立ったと
述べた。また多くの人が、中国人とチベット人が何ら対立していないことを
世界に伝えるために、このような会合をもっと開くべきだと提案した。

チベット人と中国人のグループが、部屋の隅で気軽にチベットの踊りを踊って
いた。ある年配の中国人男性が、とても楽しいのでこの場に歌を捧げたいと
言い、ハーモニカを吹いた。あるチベット人の少女はチベットの歌を歌った。
パフォーマンスは観客から大好評で、喝采を受けていた。会合は、今後また
開催されることを告げるアナウンスで締めくくられた。

日本の公式記録によれば、日本には現在606,899人の中国人がおり、最大の
外国人コミュニティを形成し、総外国人口の30パーセント近くにあたると
いう。これは、それまでに日本国籍を取得した中国人約11万人を除いたもの
である。一方、チベット人の人口は、日本国籍を取得した者を含めて、やっと
100人を超える程度である。

(訳:熊谷惠雲) 
http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090225_friendship.html
チベット人がカルゼ、ナクチュ、マングラ、ガパで平和的抗議:16人が拘束
2009年3月15日 Tibet.net

ダラムサラ:3月13日のチベットからの情報によると、5日に四川省のカルゼ
チベット自治区、カルゼ郡(中国名:甘孜)で平和的な抗議を行った尼僧1人
と僧侶1人を含む4人のチベット人が拘束された。

中国の抑圧に対するチベット民族の蜂起50周年を迎えるにあたり、中国政府は
大規模な自警武装集団をチベット全域に敷いており、宣告はされていないも
のの、チベットは事実上戒厳令下に置かれている。

3日の朝10時20分ごろ(現地時間)、カルゼのセンゴ町、シルダ村に住むペマ・
ヤンツォというチベット人尼僧が平和的な抗議を行った。現地公安省の当局者
が彼女の身柄を拘束したと情報筋は伝えている。

午後1時ごろには、3人のチベット人が同様の抗議を行い、リンチェン・
プンツォク(15歳)、ツェリン・ダクパ(16歳)と僧侶、チョーニ・ギャッ
ツォ(18歳)であると確認されている。3人は現在公安省に身柄を拘束され
ている。

ナクチュ郡のニマ町では、2月26日、太い青字で「チベットの独立」と書かれ
たスローガンが郡政府機関の建物の壁に見られた。公安当局は、近くにある
Drong Ngu寺とタナ寺の僧侶によるものとみている。僧侶らは集合させられ、
壁に書かれた文字と比べるために筆跡のチェックを受けた。関係者筋による
と、当局が犯人探しをするにあたり、周辺には緊張と厳しい規制が続いてい
るという。

青海省(ツォンゴン)にあるチベット自治区からの情報によると、マングラ県
(中国名:貴南)、Tharshul、スムド(中国名:同徳)の居住区やマングラ、
ゴマンでの弾圧を強化するために、12日には武装治安部隊に新たに派遣部隊
が追加された可能性がある。ルツァンやカグヤの寺院にはさらに軍隊が送り
こまれ、弾圧が強化されている。

さらに、13日から70人以上の警備員が上記の地域や寺院を包囲し、私服の
軍隊も多数配置されている。加えて、電話線が切断されたという情報もある。

10日夜、「チベットの独立」や「ダライ・ラマ法王のチベット帰還」と書か
れた多数のスローガンが出回り、ナグパチベット自治県のゾルゲ(中国名:
若爾康)にあるスムド寺や近辺に貼りだされたという情報もある。この事件
後、スムド寺の僧侶らは中国警察より取り調べや厳しい尋問を受けた。

また、タクツァン・ラモ・キルティ寺には大規模な民兵組織が敷かれている
という情報もある。厳しい制約のもと、僧侶らは寺院内に閉じ込められ、訪
問者は許されていない。

一方、情報筋によると、3日から9日の間に拘束された9人のキルティ寺の僧
侶のうち、確認されたGyatso Gurli、ジャムヤン、ウーサーの3人の老師は
5日ごろ逮捕された。

ガパのゴマン寺で抗議をしていた3人の僧侶が逮捕されたという情報もある。
セ寺では、未確定数の僧侶が拘束された。地域一帯に敷かれている厳しい治安
対策のため、詳細はわかっていない。

ダライ・ラマ法王とカシャック(内閣)は、チベット内のチベット民族に、
抗議活動に参加せず、無用な投獄や監禁、被害を引き起こすような行動は避
けるよう訴えた。

昨年3月10日以来、チベット全域で抗議するチベット人に対する中国政府の
非情な弾圧により、これまで220人以上が殺害され、1,294人が負傷した。

5,600人以上が現在もなお逮捕されたままであるか軟禁状態にあり、1,000人
以上が依然として行方不明であるといわれている。

(翻訳者:パドマサマディ) 

http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090315_tibet.html
南アフリカがダライ・ラマ法王のビザ発給を拒否
 2009年3月22日 AFP

ヨハネスブルグ−ニューデリーの南アフリカ大使館が、ヨハネスブルグで
開かれる平和会議に参加予定であった亡命中のチベット仏教最高指導者
ダライ・ラマ法王の査証(ビザ)発行を拒否したと活動家が日曜日に伝えた。

南アフリカは2010年に予定されているワールドカップのホスト国として準備を
すすめており、法王は、ネルソン・マンデラ氏やフレデリック・ウィレム・
デクラーク氏などのノーベル平和賞受賞者らと共に金曜日の会議に出席し、
人種差別や排外主義の克服に向けたサッカーの役割について議論する予定で
あった。

サウス・アフリカン・フレンズ・オブ・チベット(South African Friends
of Tibet)は声明で、ニューデリーの南アフリカ高等弁務官が法王に対し
渡航を延期するよう要請し、ビザの発給を拒否したと述べた。

「法王の平和会議出席が拒否されれば、会議が台無しになってしまいます」と
同団体はいう。

サンデー・インディペンデント紙は、プレトリアの中国大使館公使参事官
ダイ・ビン氏が両国の関係を損なうと南アフリカに警告し、法王へのビザ
発給を拒否するよう要求したと伝えている。

同紙に対しビン氏は、チベット蜂起50年周年直後の法王の訪問は「時期的に
不適当」であると述べた。チベットで最も尊敬されていたチベット仏教最高
指導者ダライ・ラマ法王は、中国の支配に対して起こった蜂起が失敗に終わっ
たことで亡命を余儀なくされた。

同紙は、デクラーク氏のスポークスマンとデスモンド・ツツ大主教が、法王の
渡航が許されないのであれば、自分たちの参加を検討し直すと発言したと報じた。

「我々は、中国の圧力に屈しそうになっている。非常に心を痛めていると
同時に恥ずかしさを感じる」とツツ氏は同紙に語った。

デクラーク財団のスポークスマン、デイブ・スチュワード氏によると、デク
ラーク氏はビザの発給に関し、南アフリカの大統領と外務大臣に懸念を表明
したという。

「ビザが発給されなければ、デクラーク氏をはじめ他のノーベル平和賞受賞
者も会議への参加を再検討するでしょう。それは、南アフリカにとっても
ワールドカップにとっても望ましいことではありません」とスチュワード氏
は同紙に述べた。

(翻訳者:パドマサマディ)

http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090322_south_africa.html

ビデオ動画:暴かれた中国の残虐行為
2009年3月 チベット亡命政府 情報・国際関係省

※警告:このビデオクリップには凄惨な暴力シーンなど、不快感を与える
可能性のある映像が含まれます。ご視聴の際はご注意ください。



昨年、チベット全土で起きた抗議運動の模様を捉えた数々の映像が世界中の
メディアで大々的に放映された。ここに紹介するのは、抗議活動に参加した
チベット人に暴行を加える中国武装警察部隊の様子、苦痛に喘ぐ囚人の姿、
そしてラサに駐留する武装警察部隊の様子をおさめた貴重な映像で、中国外
に持ち出された数少ない記録の一つである。

中央チベット行政府(CTA)が収集した情報によると、2009年1月31日
現在、何らかの暴行が原因で死亡したチベット人はおよそ220人に上る。
重傷を負った者は1294人以上。5600人以上が逮捕され、290人が
有罪判決を受けた。そして1000人以上のチベット人が行方不明であると
いう。

チベット外で公開されている、中国武装警察部隊による抗議活動家弾圧の様子
を記録した過去の映像で、最も凄惨で衝撃的だったのは、1988年、ジョカ
ン寺の僧侶に対する暴行を記録したものである。その映像は初めて中国武装警
察の残虐行為を記録したものであり、現在世界中で公開されている。

中国政府はこれまでチベットで拷問が行われていることを繰り返し否定して
きた。しかし実際は、昨年3月チベット全土に広がった抗議運動弾圧後も、
中国当局は拘束したチベット人に対して残虐な暴行と拷問を行っていたので
ある。中国外交部(外務省)は2008年11月、国際連合(UN)による
「中国武装警察部隊により広く行われている拷問に関するレポート」を、
「事実に反する中傷だ」とはねつけ、「UNの委員会メンバーは中国に対して
偏見を抱いている」と非難した。

しかし、ここに紹介する映像を見れば、実際に現在(少なくとも2008年
まで)チベットで何が起きているかは明らかである。

これは2008年3月10日以降、ラサからチベット中に広まった大規模な
抗議運動に参加したチベット人に暴行を加える中国武装警察の様子を捉えた
数少ない映像である。これらは2008年3月14日以降、ラサ、あるいは
ラサ近郊で撮影されたものだという。
映像には拘束されたチベット人が、手錠をかけられ体を束縛されてからも
暴行される様子がはっきりと映っている。これは身柄を拘束された囚人の
扱いに関する国際法に違反する行為である。

ここで紹介する二つ目の映像は中国の携帯電話会社に勤務していた若いチベッ
ト人、テンダー(Thendar)さんの記録である。彼は中国当局によって暴行され
たうえに、非人道的な扱いを受け、想像を絶する苦痛を受けた。

2008年3月14日、彼はオフィスに向かう途中、中国の役人数名に暴行
される一人の僧侶に遭遇し、それを制止しようと間に入ったというだけの
理由で捕らえられた。
彼は銃で撃たれ、タバコの火を押し付けられ、右足に釘を打ち込まれた。
電撃棒で執拗に殴られもした。傷とあざだらけになった彼の体が、中国当局
の残虐さを証明していた。
チベット自治区人民病院に移送された時、彼の治療に当たった医師および
看護士は、その膿んだ傷跡と残されたあざのひどさに言葉を失った。軍病院
が傷ついた彼に応急処置も施さず放っておいたのは明らかだった。ポリエチ
レンのフィルムで覆われていた傷口が膿んでいく様子が記録されている。

チベット自治区人民病院で、壊死した部分2.5キログラムが彼の体から切除
された。家族は高い治療費を払いできる限りの治療を望んだが、彼がその
傷から回復することはなかった。
2008年6月19日、彼は傷が原因で亡くなった。
亡骸は鳥葬の伝統に従って鳥に捧げられた。その右足からは打ち込まれた
釘が見つかった。

三つ目の映像は、3月10日のチベット民族蜂起50周年を前にラサに駐留
し厳重な警戒にあたる中国武装警察部隊の様子である。

ラサをはじめチベット全土が現在も事実上の戒厳令下におかれたままである。

  
中国青海省:ラマ僧自殺で数千人のチベット人と警察が衝突
【大紀元日本3月23日】(09/03/23 13:20)

中国青海省瑪泌県ラプキャ寺の僧侶タシ・サンポさんが中国軍警察の厳しい
管理に耐え切れなくなり黄河に飛び込み自殺した後、約4千人のチベット人と
中国警察の間で衝突が21日、起きた。チベット亡命政府が伝えた。

 インド西北部山あいの街ダラムサラのチベット亡命政府は信頼できる情報源
を引述し、入水自殺したのはタシ・サンポさん(25)で今月10日の“チベット
暴力抗議記念日”当日、他の者と共にラプキャ寺大経堂屋上の中国旗を降ろ
し、チベット旗に換えた。この結果多くの中国警察がやって来て同寺院を厳し
く管理したと伝えている。

 チベット亡命政府によると中国軍警察は21日午後、サンポさんらラプキャ寺
僧侶の宿坊を捜査した際、多くのチベット旗とチベット独立関連のビラや写真
を発見。この後、サンポさんは、口実を見つけて抜け出した際に、寺院近くの黄河に身を投げたという。

 タシさんが自殺後、約4千人のチベット人がデモを起こし、チベット旗を掲
げ、“チベット独立”や“ダライラマ万歳”などのスローガンを叫び、中国
警察と対峙。現地情勢は厳しいものとなった。

 中国安全当局は国内のチベット区を封鎖し、外国人およびメディアの進入を
禁じたことから亡命政府の情報を他の方面が実証する術はない。

 チベット亡命政府外交及び情報部が発表した声明によると、完全なデータ
ではないが、昨年3月10日中国チベット区における反中国動乱発生から今年
1月31日までに、間に合わせて5千6百人以上のチベット人が中国政府に監禁・
逮捕され、290人が刑罰を受け、220人が不幸にも命を落とした。

 声明では、死者の中で身分が証明されたチベット人は107人。別のチベット
人1294人は負傷し、1千人を超えるチベット人が失踪或いは行方不明となって
いると伝えられている。

 しかし中国政府側は1317人のチベット人が監禁・逮捕され、76人が刑罰を
受け、19人が死亡。623人が負傷し、負傷者には241人の中国警察が含まれ、
失踪の状況はないと指摘している。

 (翻訳・坂本)
http://jp.epochtimes.com/jp/2009/03/html/d98403.html




面従腹背”強めるチベット 大量宣伝と治安部隊で押さえ込み
2009.3.28 00:50 産経ニュース

【北京=野口東秀】中国は28日、チベット地域の統治権確立を宣言してか
ら50年を記念して、政府が新たに制定した「100万農奴解放記念日」を
迎える。この記念日を通じて、政府は共産党によるチベット統治の正当性を
強調し、「主権に危害を及ぼす犯罪活動に打撃を加える」(公安省)と威信を
かけて騒乱を押さえ込んでいる。しかし、治安部隊の大量動員や国営メディア
を通じた当局の大がかりな宣伝活動、チベット族の僧侶に対する愛国教育に
もかかわらず、僧侶らは“面従腹背”の傾向を強めているのが実情だ。


□  □

 27日、北京の人民大会堂で開催された「農奴解放50周年座談会」。
中国政府に認定され、愛国教育を受けたチベット仏教指導者パンチェン・
ラマ11世(19)があいさつに立った。

 「本当のことをみる眼を与えてくれた中国共産党に心から感謝したい」

 座談会には共産党ナンバー4の賈慶林全国政治協商会議主席らが出席し、
共産党によるチベット統治の正当性をアピールした。

 北京市内では、党統一戦線部などの主催で「チベット民主改革50年大型
(写真)展覧」が開催中だ。チベット自治区50年間の「経済発展、社会の
進歩、人権発展の巨大な成果」(同展覧会)を500枚を超える写真などで
紹介し、「貴族などが支配し、残虐な刑を科されていた封建農奴制社会」だっ
たチベットを共産党が「解放した」との見方を印象づけている。

 大量の宣伝工作から透けてみえるのは、チベット社会は伝統的に「政教合
一社会」であり、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が掲げる
「高度の自治」を認めれば、「想像を超える政治的結社を生み出す可能性が
ある」という政府当局の懸念だ。

□  □

 「誰も政府の宣伝なんか信じていない。今後は、宗教の根幹にかかわる
活仏の選定が重大な分岐点になるはず」

 四川省のチベット族僧侶は、当局が、転生する菩薩の化身を活仏とする
宗教観に「干渉」していることに強く反発した。

 政府は、活仏の選定で中央政府の認可を強化した「活仏転世管理弁法」を
07年9月に施行、14世による活仏選定を法的に認められないとした。
しかし14世は中国国内で転生しないと明言している。今後、対立の火種と
なるのは必至だ。

 チベット族にとり、チベット仏教の最高位「ダライ・ラマ」が尊敬の
対象だ。

 14世が死去すれば独立派に対する歯止めが利かなくなる可能性がある
一方、世界的に知られる14世の存在が消えることで当局は、「国際化した
チベット問題を国内問題として処理、解決できる」(中国筋)と考えている
ふしがある。

 だからこそ、四川省のチベット族居住区で「読経」が禁止されるなど宗教
統制が強化され、「(14世の)写真を持っていただけで警官に殴られた」
(僧侶)といった現実が生まれる。

 政府が対チベット政策で強調するのは、経済発展のメリットだ。中央政府が
今年、チベット自治区に投入した予算額は昨年の2倍の240億元(1元約
14円)にのぼる。経済・軍事大国化に向けた「中華民族の復興」の波にか
き消されかねない様相だ。

【写真】
中国・青海省ゴロクのチベット族自治州へ通じる道路で、
1台づつ車両を止め検問する警察官=27日、青海省貴徳県(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/china/090328/chn0903280052000-n2.htm


中国 対 ダライ・ラマ法王
(2009年4月1日 ジャパン・タイムズ紙 ブラマ・シェリアニ)

インドへの亡命から60年が経つ現在、第14世ダライ・ラマ法王の存在は
中国にとって、かつてないほど大きな課題となっている。これは中国が、
法王に対する非難攻勢を強めていることや、チベットをめぐって「生きる
か死ぬかの闘い」に巻き込まれていると認めたことからも明らかである。

1959年3月30日、当時24歳だったダライ・ラマ法王は、変装してインドへ
渡った。側近達と家族で作った小さな一団で、チベット高原を抜ける13日
間のつらく苦しい旅の後のことである。法王の到着が公表されたのは、その
翌日であった。それ以来、法王は、近代世界の歴史において最長で最大の
抵抗運動の一つを象徴する存在となった。法王が最近おっしゃったように、
中国によるチベット支配は、「地上の地獄」を作り出した。 中国政府が、
チベット政策の荒々しさや無常さに匹敵するような呼び方で法王の名を挙げ、
象徴的存在であるダライ・ラマ法王を一番の敵として扱っていることに、驚
きはしない。 中国政府はチベットであらゆること――チベットを分断した
地図を作成すること、歴史を書き換えること、 大規模に移住させたハン民族
の中にチベット民族を埋もれさせること、組織的にチベット機関を弱体化さ
せること――をしてきたのだ。

ダライ・ラマ法王のソフト・パワーは中国の無限の権力に立ち向かってきた。
だが、それにたじろぐこともなく、今日、中国は延々と政治宣伝を行ない、
一方で、ますます反抗的になるチベットの地区を封鎖している。その地区の
半分はチベットから分離し、青海省、甘粛省、四川省、雲南省と統合した。

ダライ・ラマ法王は、世界世論へ確固とした影響を与えるために、ご自身の
国際的な倫理的地位を賭している。これに対し、躍起となった中国政府は、
ますます文化大革命的な言語に頼らざるをえなくなっていった。 最近の中国
の敵への感情的な爆発の一つ――「法衣をまとった狼 、人間の顔と獣の心を
持った悪魔。我々はダライ派と血なまぐさい激しい戦いをしている。」――を
考えてみて欲しい。

ダライ・ラマ法王は20年以上前に、チベットの独立要求を放棄した。だが、
いまだに、中国の政治宣伝機関は、法王が「独立運動の首謀者」であるとし、
温家宝首相は法王に独立運動を辞めるよう要求している。まるで中国が、
歴史的にも法律的にも疑いようのない権利をチベットに対して持っているか
のような発言である。

中国政府が国際的にダライ・ラマ 法王を孤立させようとすればするほど、
中国の悩みの種は大きくなってきた。 最近、中国は、アフリカでその最大の
貿易相手国である南アフリカに圧力をかけ、ヨハネスブルグで行われる平和
会議にダライ・ラマ法王が出席できないようにした。だが、欧州議会と米国
下院議会が、チベットに関する個々の決議を採択し、中国は 苦渋をなめるこ
ととなった。欧州議会は「チベットの本当の自治」を、米国下院議会は「チ
ベット人に対する苛烈な政策を即時辞める」ことを中国政府 に求めた。どち
らの立法府も、チベット問題に対する永続的な政治的解決へのダライ・ラマ
法王のイニシアティブを支持したのだ。

中国に捕らえられる前に、チベットを逃れた法王は幸運であった。 1956年、
法王は釈尊入滅2500年記念祭に参加するためにインドへ渡った。このとき、
ダライ・ラマ法王の相談役たちが、法王の安全を危惧していたにも関わらず、
親中国派のインドのジャワハルラール・ネルー首相は、ラサに帰るよう法王
を説得した。しかし、法王が戻ると、チベットの状況は 容赦なく悪化し始め
た。


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前からの続き

1959年3月17日に、ダライ・ラマ法王が、チベット人兵士に扮して中国軍が
包囲するラサのノルブリンカ宮殿を脱出しなかったら、法王は第11代パンチ
ェン・ラマと同じ運命をたどっていたかもしれない。第11代パンチェン・ラ
マは、6歳で認定された直後、1995年に行方が分からなくなってしまったの
だ。
1959年3月10日、チベットで起こった集団暴動は、ダライ・ラマ法王が中国
軍キャンプで行われる催しにボディーガードなしに来るように言われた後で
誘拐されるかもしれない、という人々の不安を引き金にして起こったのだ。

暴動は、一年におよぶ 大殺戮の中で厳しく鎮圧された。その時以来、100万
人以上のチベット人が、中国政府の公式政策のために、命を落としたと言わ
れている。

亡命中、ダライ・ラマは、学校のネットワークを作ることで、チベットの活
動を存続させたり、チベットの言語や文化を保護する手助けをしたりしてき
た。亡命チベット政府から、民主的に選ばれた行政・立法府への移行は、北京
の独裁者たちに良い手本になるはずである。だが、共産独裁政権は、代わり
に、チベット人を国の農奴にし、先週の土曜日を祝日とした。チベットの征服
により、チベット人を農奴制から解放したことを、遅ればせながら発見したと
いうのだ。

ダライ・ラマ法王が1959年の脱出に成功していなければ、中国はずっと以前
に偽者のダライ・ラマ法王をすえたであろう。中国が拉致した正式な認定者の
代わりに、中国が選んだパンチェン・ラマを置いたのと同じ方法で行われた
だろう。 しかし今や中国は、まがい物をお膳立てする前にダライ・ラマ法王が
亡くなるのを待つしかない。 中国政府の計画を頓挫させるため、現ダライ・
ラマ法王は、継承に関する明快なルールを正式に 定めなければならない。

1950年11月に現法王が15歳で全ての俗権を掌握 するときには、中国軍の侵略
がすでに始まっていた。実際のところ、第13代ダライ・ラマの1933年の死か
ら、このときまで、17年という長い間隔があり、これが、チベットの自由を奪
う結果となった。だが、性急なダライ・ラマ法王の行政職への就任は、中国の
チベット征服の貫徹を防ぐものではないかもしれない。

継承と育成のために同様の長い間隔が今空くことは、自治を取り戻すための
チベットの大義にひどい打撃となりうる。だからこそ、第15代ダライ・ラマ
法王を選ぶルールを明快にすることが不可欠になってきたのだ。それには、
現法王が以前提案したように、次の法王は中国が支配するチベット内からで
はなく、自由世界において選ばれるべきかどうかも含まれる。解決されるべ
きもう一つの問題は、 1999年後半にインドに亡命した第3位のチベットの精
神的指導者である現カルマパ・ラマが、非公式の暫定的なダライ・ラマ法王
の後継者となれるかどうかである。

インドにとって、チベットは、中国間との重要な問題である。中国は地理的
ではなく銃によって、チベットの近隣国になった――伝統的な緩衝材を取り
去ったのだ。

最近の議会の決議は、ダライ・ラマ法王とチベット難民を受け入れている点に
おいて、インドの寛大さを評価している。でもこれは単なる寛大さ以上のもの
である。ダライ・ラマ法王 はインドの戦略的な資産なのだ。なぜなら、法王
なしには、中国に対する軍事的分裂が起きてしまい、国が貧しくなってしま
うからだ。このように、インドは、後継者の訓練や教育の監督も含めて、後
継者問題においては大きな利害関係がある。

--------------------------------------------------------------------------------

※ブラマ・シェリアニは、ニュー・デリーの私立政策研究センターで戦略
研究の教授である。最近の著書に、「アジアの巨人-中国、インド、日本の
台頭」がある。

(翻訳者:廣田優子) 
ラサの死刑判決について
(2009年4月14日 フォーラム2000会議)

(プラハ)4月8日、ラサの中級人民法院において、ロブサン・ギャルツェン
およびロヤクのチベット人二名が死刑を宣告された。両名は、中国人が経営
する事業所に放火し、人を死に至らしめた廉で有罪とされた。同じ法廷で、
その他二名のチベット人活動家、テンジン・プンツォクおよびカンツクが執行
猶予付きの死刑判決を受け、他の1名ダワ・サンポが終身刑を言い渡された。

 2008年の春にラサおよびその他のチベット諸都市で広範に行われた
抗議活動の参加者に対し、中国の法廷が死刑判決を下したのは今回が初めて
である。これらの裁判は外界から完全に隔離された状態で行われ、中立的な
オブザーバーや外国人ジャーナリストは傍聴を認められていない。
このため、被告人は国際的な司法基準に従った公正な裁判らしきものは全く
受けなかった可能性が強く疑われる。

 従って我々は中華人民共和国当局に対し、これらの抗議活動家に対する
死刑判決を無効とし、国際的な基準に則った司法プロセスによって裁きを
受ける機会を彼らに与えるよう訴える。中国はかねてより、同国が国際的な
司法基準を遵守していると主張しているはずである。第一に満たされるべき
基準は、裁判の国際的な検証可能性である。

 一年前の抗議行動に参加し、死刑や終身刑の判決を受けたチベット人の
運命が憂慮されることは言うまでもない。しかし、彼らと同様に拘留され、
いずれラサの地方裁判所で裁きを受ける数百人の行く末をも懸念せざるを
得ない。我々は、今回の死刑判決が端緒となって、正当性の極めて疑わしい
判決が大量に下され、緊張と紛争の種を抱えるチベットの地で死刑執行が憂慮
すべき数に昇るのではないかと考えている。

 中国は今や世界経済に重要な地位を占めるに至った。しかし、国際社会に
おいて中国がこの地位にふさわしい尊敬を受け、抜きん出た経済大国として
の利点を享受するためには不可欠な要件がある。すなわち、チベットにおい
て中国を代表する人々が、少数民族を含む全ての市民に適切な司法プロセス
を適用する必要性を認めることである。

 適切な司法プロセスとの関連において、我々は中国の指導者に対し、国際
コミュニティの代表者がチベットおよび隣接省に立ち入ることを認めるよ
う求める。何故なら、これらの省の大部分は、昨年春にチベットで抗議行動
が激化して以来、国際的な目が届かない地となっているからである。

 中華人共和国は、チベットにおけるルールを国際的に透明なものとするこ
とによってのみ、チベットを覆っている暗い疑いの影を取り除くことができ
る。また中国政府は、外国人がチベットに立ち入り、そこで起こっているこ
とを冷静かつ正確に報道する自由を認めることによってはじめて、中国が
チベットを統治し続ければ少数民族に対する人権侵害は益々深刻化する、
という考え方を払拭することができる。

ヴァーツラフ・ハヴェル(チェコ共和国元大統領)
ハサン・ビン・タラル王子(ヨルダン王国)
デズモンド・ツツ(南アフリカ共和国聖公会元大主教)
笹川陽平(日本船舶振興会会長)

(翻訳者:鈴木 知子) 
チベット亡命政府、チベット人2名に対する死刑判決を憂慮
―政治犯全員の釈放を要求

2009年4月9日 チベット亡命政府内閣(カシャック)

チベット亡命政府内閣(カシャック)は、2名のチベット人が死刑を宣告
され、他の2名が執行猶予2年の死刑判決を受けたことを深く憂慮する。
中華人民共和国には適切な司法手続きが存在せず、法廷は当局の政治的手段
となっているという事実に照らし、内閣はチベット人に対してこのような
恣意的な判決が下されたことを一層深く憂慮する。

昨年、チベット全土に抗議行動が起こり、その弾圧に際して無数のチベット
人が逮捕された。これ以来、内閣は中華人民共和国当局に対し、全ての政治
犯を釈放するとともに、それらの政治犯に適切な医療措置を施すことを求め
てきた。内閣は再び中国当局に対し、良心の囚人となっている全てのチベッ
ト人を釈放することを求める。

現在、チベット国内では、罪のないチベットが無差別に逮捕され、中国政府
による様々な陰謀により刑務所に入れられ、大勢の人々は行方不明となって
いる。

内閣は、中国が大規模な弾圧を継続していることによってチベット人の憤り
は益々強まっていると考える。従って内閣は、チベット問題を解決する最良
の手段は、中国がチベット人の正統な要求に対して誠実かつ真摯に答えるこ
とであると考える。

(翻訳:鈴木知子) 


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