ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

公平性の経済学コミュの【投稿】経済成長は無かった!!

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2008.10.27(JST)記

遂に、日経平均がバブル後の最安値を更新して引けた。実に1年前の半分以下という異常な現象である。

さて、少しだけ歴史を振り返ってみよう。
私は二つの数字に着目した。
一つがTOPIX(東証一部の時価総額の指標。1968年を100とする。)
もう一つが、大卒初任給である。

1968年  TOPIX:100  大卒の平均初任給:28500円
1985年  TOPIX:1000 大卒の平均初任給:140000円
2008年  TOPIX:800  大卒の平均初任給:210000円

これだけを比較しても面白いなあと思う。
1968年から2008年の40年で大卒初任給も、TOPIXも、
約7.5倍になっている。
これは物価上昇率とも比例して容易に説明が出来る。

では、1985年と2008年は、どう説明したら良いのか。
企業の時価総額は20%下落し、初任給は1.5倍になっている。

仮説はいろいろある。
1.現在の株価が異常に低く評価されている。
2.逆に、1985年の株価が高く評価され過ぎていた。
3.実態に合わない初任給の伸びが、正規雇用/非正規雇用の格差を生んでいる
等々・・・

それにしてもだ。
私が言いたいのは、1985年から2008年までの23年間で、本当に「経済成長はあったのか」ということだ。もちろん、GDPの定義、実質GDP、名目GDPの推移、その背景にあるGDPデフレーターの仕組みなどは承知している。私が指摘したいのは、GDPで定義される経済成長ではなく、もっと広い意味での経済成長なのだ。

確かに技術革新、生産性向上、付加価値の増加は明白だ。1985年と言えば、携帯電話も普及していなければ、WINDOWSも無い時代だ。社会資本にしても、道路や鉄道や箱物は増えただろう。

しかしである。この23年で制度的社会資本はむしろ大きく毀損されたのではあるまいか。その象徴が医療であり教育なのではあるまいか。少子高齢化という動かしがたい背景があったにせよ、政策的な怠慢が制度的社会資本を毀損してきたと言っても過言ではあるまい。

1985年といえば、経済学では、ミルトン・フリードマンの「選択の自由」がもてはやされ、マネー・サプライ一本で経済をコントロール出来るかの如き神話が世間に蔓延していた時期である。最近の某経済学者の著書に「容疑者ケインズ」があるが、現在の金融危機を見るならば、容疑者は明らかにフリードマンだろう。

私は何もケインズが正しいと主張しているのではない。いまや、景気刺激策としての公共事業を主張する経済学者は一部の御用学者に過ぎない。

私は経済成長を、富や豊かさの増加と定義してきた従来の経済学に対して、本質的な意義申し立てをしたい。真の経済成長とは、実のところ経済の制度的安定度や効率性、あるいは公平や満足という内的な充実を指すべきだあというのが私の主張である。

乱高下を繰り返しカジノを楽しむ階級と、何も分からず金持ちのカジノに生活を振りまわされる人々の社会など、誰が望んだのだろう。もっとも、庶民の投資ブームというのもあったのではあるが。

本稿の表題は「経済成長は無かった!!」である。
むしろ、日本の1985年と2008年を比較するならば、経済は成長どころか劣化した。

さらに世界はどうだろうか。金融資本主義、金融自由化の中で、複雑な数学を用いた金融商品(つまりは一部の特権階級にしか理解できない商品)が、実物経済よりも巨大化し、まさに尻尾が頭を支配するという状況、すなわち現在の金融危機が生じている。G7だG20は、規制を強化することで安定化に向けた協調、協力をするであろうが、それがどの程度の効果を発揮するかは私には未知数だ。

一部には、金融資本主義の終焉や、さらには資本主義の終焉を唱える気の早い人々もいるようだが、私にはそうは思えない。もはや、尻尾こそ頭なのだと考えてしかるべきなのである。(ロングテイル現象とは関係ない。笑)

今後、どのような金融システムが形作られるかは未知数だが、金融の役割は増大こそすれ減少することはないだろう。さらに、金融工学が衰退することはあり得ないことは断言しても良い。

ただ、繰り返しになるが、経済成長という概念は根本的に見直されなければならない。これは、もちろん経済学者の役割である。経済の成熟とともに、成長は量から質へと移行する。インフレ誘導の下でで数字の上での成長率に一喜一憂するなど実に馬鹿げた話である。

真に考えるべきは経済成長率などという内実の無い数字ではなく「経済成長とは何か」を真剣に問うことだ。なにしろ、この23年間、ここ日本では、経済成長は無かったのだから。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

公平性の経済学 更新情報

公平性の経済学のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング