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認知症と高齢化社会コミュの認知症の病棟にて その2

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たくさんのお年寄りがひしめく、鍵がかかった病棟。
そこにはさまざまな出来事があります。
気になるおばあさんがいました。
いつもゆらゆら歩きながら、何かを拾うのです。
そして、楽なセーターとパンツを着用しているのに、
何故か所作が着物を着ているそれなのです。
裾を持っています。
時々は見えないまりを手慣れた様子でついていました。
お名前は存じませんので仮に「まりさん」としましょう。

耐え難かったのは。。まりさんが時折、下半身の衣類を脱ぎ捨てたまま、その動作をすることでした。
思わず、上着で隠そうとして、気づいた看護士さんにバトンタッチをしたこともありました。
自分の祖母や母が、いえ、もしかしたら遠い未来の自分がそんな様子でしばらく大勢の人の前を歩いていたら。。と思うと胸がつまりました。

まりさんは、長く行く間に私に慣れて、話しかけてくるようになりました。


最初は、父の食事を手伝っていたとき、
隣で食べていたまりさんが
「おいしくないねぇ。すしが食べたいな」
「ああ、お寿司?」
「うん、ちらし寿司。あれとこれとを入れてね、作るの。昔は人が集まるときにはよくやったんだけど。」
「美味しそうですね。」
まりさんは、嬉しそうににっこりわらいました。
作らせてあげたら、きっと美味しいのを作ってくれるような気がしました。

父はヤキモチをやいて、他の人が話しかけると
「俺の娘に話しかけるな!」と怒るのですが、
父が、私のうるさいおしゃべりで復活したように、もしかしたら聞いてあげることが、この方達の楽しみになってくれたらと思っていました。

また、ある日、まりさんが私を見つけて近づいてきました。
「ねぇ、仕事ないかな。」
「仕事?どんな?」
「そうね、あんまりたいしたことはできないけど、もう身体もいいし、お手伝いていどでいいんだけど。」
「ああ。先生に聞いてみられたら?」
「うん、先生とか色々言ってるんだけどね、人が足りてるって言われてね。仕事したいなあ」
なんでも良いから仕事をさせてあげたいなと思いました。
もちろん、ただの見舞いできている私にそんな権限はありませんが、何かをさせてあげたら、まりさんはもっと生き生きとここで暮らせように思いました。

そして、私がお会いした最後の方には、下半身裸のような事もなくなっていたんですよ。
ホッとしてその姿を見ていました。

コメント(1)

追記:私は専門家ではないのですが・・
前に書いた人達のように、歩きたいとか、仕事をしたいとか、生きようとするが故の衝動を奪ってはならないと思うのです。
歩けるようになれば、
仕事で人の役に立てれば、
希望が生まれるでしょう。
そうしたら、きっともっと生きる力も出てくるでしょう。
シーツを畳むとか、書類を数えるとか、印刷物を綴じるとか、単調な作業で構わない。
歩きたいというおばあさんは、ちょっとした足の運動でも構わない。やらせてあげて・・って心の底でいつもつぶやいてました。

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