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先生のストーリーテリングコミュの大人の小話

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 つい先日、遺伝子の権威でノーベル賞候補の村上先生(筑波大学名誉教授)と直にお会いし、お話をすることが出来た。
 名古屋で公演をした後、筑波に帰る途中、東京駅近くのビルに寄ってくれた。
 若干足下がおぼつかない風情で、大丈夫なんだろうかと案じてしまったが、話し出したら、みるみるうちに生気が溢れ、抜群の知性とユーモアを発揮してくれた。

 ここで、遺伝子学の権威が放つ、ごくかるーい小咄をひとつ。

「ある男に、5人の息子があった。
 男は大学教授で、それなりの知性を自認していた。
 だから自分の息子達が優秀であることを、当然の様に思っていた。
 事実、息子達は優秀であった。一人をのぞいて。
 5人の内、4人が優秀で、ひとりは、とんだ「でくの坊」だった。
 もっとも、これは遺伝という次元では、よくある話だ。
 だが、素行も悪く、品性などみじんも感じられなかった。
 
 男は、悩んだ。私の息子は、私に相応しく4人はとても優秀だ。
 しかし、あいつだけが、、、、。
 いや、まてよ。ひょっとして、、、やつは本当に私の子なのだろうか?
 
 男はますます不安になった。
 そんな不安を抱えていたある日のこと、男の妻は、重い病に伏してしま  い、とうとう臨終の時を迎えてしまった。

 男は、忌野の際の妻に、今まで尽くしてくれた礼を言い、最後に、思い切 って尋ねてみた。
 「で、最後に一つだけ教えて欲しいことがあるんだ。
  君の言ったことは、きちんと受け入れるから、本当のことを
  教えて欲しい。あいつは、本当に私の子か?」

 すると、伏した妻は涙を浮かべ、男の手を取り、言った。
 「あなた、まもなく逝く私をどうか、許してちょうだい。
  あの子だけが、あなたの子なの。」

遺伝学の高尚な話の合間合間に、こんな小咄を入れてくる。
村上先生が好きになった。

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