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2020年03月08日10:47

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「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人」

評判になった前作から強引に続編を作ったのかと思ったら、元々原作も3部作として発表されているようだ。
監督も引き続き中田秀夫という事もあり、想像よりかなりきちんとまとめられた作品になっていた。

前作で連続殺人鬼の浦野(成田凌)に狙われた稲葉麻美(北川景子)は、無事富田(田中圭)と挙式することができた。
その疲労パーティには、麻美を救った刑事加賀谷(千葉雄大)とその恋人松田美乃里(白石麻衣)も出席していた。
幸せそうな麻美を見て美乃里も結婚への意欲が高まったが、加賀谷は一向にその気になってくれない。
そんな気持ちの行き違いもあり、美乃里は勢いで加賀谷に別れを告げてしまう。
美乃里は加賀谷と別れて入ったカフェでスマホをフリーWi-Fiに接続するのだが、そこでスマホのデータをすべて抜き取られたうえに、リモートでコントロールされるようになってしまう。
もちろん美乃里はそのことに気づいていない。

加賀谷には美乃里との結婚に前向きになれない理由があった。
一つは、逮捕した浦野が被害者を埋めた現場近くから、新たなる死体が発見されたことだ。
被害者が、浦野が固執した黒髪ではなかったため、別の人物の犯行であることが予測される。
捜査に行き詰っていた県警本部は、加賀谷に浦野から情報を聞き出すよう要請していた。
浦野は加賀谷に、自分が尊敬していたハッカー「M」が関連していると告げる。
そして浦野は、捜査に協力するためにハイスペックのPCとネットワーク環境の提供を求めてきた。
さらに同時期、仮想通貨をだまし取った「M」に対抗するホワイトハッカーが何者かによって殺害される。
県警や止む無く、浦野の操作をすべてミラーリングできる環境のもと、浦野の要求に応じることにした。

浦野の提案により、加賀谷はMに対して罠を仕掛けたブログを開設、そこに浦野がプログラムしたウィルスを仕込み、MのPCへのアクセスに成功する。
PCを操作しているのは顔が焼けただれた男で、美乃里のスマホを乗っ取った男と同一人物だった。

ストーリーはテンポよく進み、いくつかのどんでん返しも用意されている。
いい意味でも悪い意味でもサスペンスの王道を行く展開なのだが、登場するキャラの設定がきっちり確立しているため、作品としてはきちんと仕上がっていた。
加賀谷の過去を深堀りするなど、個人的には前作よりも起承転結がきっちり付けられているように思えた。
成田凌演じる浦野も、前作よりキャラが確立されキーマンとして機能していたように思う。
唯一整合性がうまくあっていないのは、クライマックスシーンの兵藤(井浦新)と根岸(音尾琢真)の運転中の通話だ。
この部分は全体の登場人物の構成と、整合性があっていなかった。

原作はもう1作発表されているらしいので、おそらく映画も次作が作られるだろう。
監督が引き続き中田秀夫なら、期待できる作品になると思う。


45.スマホを落としただけなのに 囚われの殺人
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