ティグレ族の家庭と学校見学で1時間ほど過ごした。エチオピアの生の村落生活が見られたのは、この旅の望外の幸運だった。
◎大きなワディ(涸れ川)の河川敷に停車、ここで昼食
僕たちは4輪駆動車に分乗し、先を急ぐ。
荒野を伸びる1本道を、1時間強、突っ走ると、車は大きなワディ(涸れ川)の河川敷に停まった。乾季なので、水は一滴も流れていない(写真)。
やや小高くなった自然堤防上には、粗末な小屋が並んでいる(写真=中央に横に走る灰色の帯がワディで、雨季にはここに川が流れる)。僕たちは、ここで昼食をとるようだった。
◎トゲだらけのアカシアの木の対ジラフ防衛策
ここで僕は、トゲだらけの枝のアフリカ・サバンナに特有のアカシアの木を見つけた(写真)。マメ科のこの植物は、草食動物の食害から身を守るために樹体のほぼ全体をトゲで武装している。人が刺さったら大怪我しそうだ。ところがジラフ(キリン)は、トゲに苦もなく葉をむしり取って食う。
しかしアカシアもさるもの、さらに防衛策を進化させた。ジラフにむしり食われ始めると、周辺のアカシアに向けてジラフにとって美味しくない苦み物質タンニンを分泌させる化学物質を周囲に放出するという。ジラフは、もう隣の木を食べられない。
◎進化の軍拡競争
ここに捕食者と被捕食者との進化の軍拡競争が展開されるのである。その競争は、現在進行形だが、現時点で見れば、均衡が取れていることになるのだろう(「進化の軍拡競争」については、18年2月4日付日記:「NZミルフォード・トラックを歩く(5);進化の軍拡競争、ランスウッドという木の葉の『変態』」、及び06年5月10日付日記:「興味深い進化の軍拡競争」を参照)。
◎日本の「アカシア」は実は「ニセアカシア」
なお西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』の歌、作家・清岡卓行の芥川受賞作『アカシヤの大連』で有名な、北海道など冷温帯に分布するアカシアの木は、同じマメ科だが、写真に挙げたアフリカ・サバンナのアカシアとは別種である。こちらは、「ニセアカシア」というのが本当の名だ。ただ「ニセアカシア」では叙情も何もないけれど。
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昨年の今日の日記:「ベネズエラの独裁者マドゥロが違法の大統領最就任、国家崩壊なのにスターリニスト中国とプーチンのロシアが支援」
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