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2019年10月24日23:21

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妄想探偵社

〜見知らぬ乗客〜

雷雨も通り過ぎお昼も食べて落ち着いたところで
次の捜査場所に移動することにした
まずは京都駅へと伴尾君の指示に従い
今度は迷わずJRの稲荷駅まで歩いた

「あれ?もう電車来るけど藍尾君は?」
『百合谷姉と八部さんを誘って参道のお店見てから
追いかけますって言ってました』
「百合谷姉ねぇ‥」
『彼女が何か?』
「あっいや何でもない 電車来たから乗ろう」
『藍尾さん達は‥』
「大丈夫々々 なんだかんだで乗ってるよ」

昼過ぎでさすがに車内も空いている
ただ二人掛けで打ち合わせをしようと思ったが
なかなかうまい具合に空いていない

「おっ あそこの四人掛けボックスにしよう
手前に二人並んで座っているから向かいに座ろう」
『そうですね 横並びでも打ち合わせは出来ますし』

僕と伴尾君は《すみませーん》と声を掛けながら
手刀を切る様に先に居る二人の目の前に並んで座った

「……」
『……』
向かいの二人を見た瞬間動揺が走る

「え えーっと どこで乗換だっけ伴尾君」
京都までは直通のJR奈良線なのに変な確認をしてしまう

『あっ はい き東福寺だった気がします』
それは京阪本線に乘ったらの話だがもう会話がかみ合わない

打合せなのに目の前の二人が気になって気になって
でも至近距離だから電車内でありがちなヒソヒソ話も出来ないので
僕は窓から外の景色を見ながら話す
伴尾君も通路越しに反対の景色を見ながら話す

ふと気が付くと車両の僕達の正面の方向からこっちに
藍尾君がやって来るのが見えた
《ままずい 藍尾君お願いだから僕達に気づかず手前で座ってくれ》
僕は祈った
《あっ藍尾さんだ 私達に気が付いてないのかも》
『藍尾さーん! こっちでーっす!』
えー!?この状況で藍尾君を呼び寄せるか?

車両の通路を猛烈なダッシュで藍尾君が僕達の座るボックス席の横に来て
そして向かいに座る二人の見知らぬ乗客を見た
万事休す

『あーっ!? おかめとひょっとこ!』

言っちゃった……
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