〜東福寺〜ただ散策するだけじゃ百合谷さんの気持ちが判るはずがないまずはアップされた写真を撮った場所に立ってみなければ「伴尾君 一番最初に百合谷さんがインスタにアップしたこの寺の場所は何処だか判る?」本堂を見上げながら なんで京都奈良のお寺っ
〜東福寺〜僕は捜査対象人である百合谷さんが依頼人の江成にも話さなかった突然旅に出るという理由は何なのかインスタにアップした写真でそれを伝えたかったのか裏に潜む想いの尻尾でもいいから掴んでみたく境内を散策した聞き込みをしながら足取りを辿る捜査
〜東福寺〜すったもんだのあげく一時間半もかけてようやく東福寺日下門に辿り着いたJR奈良線で京都駅からたった一駅なのに道すがら伴尾君から依頼人である江成さんからの足どり捜査対象人である百合谷さん情報を確認した出来れば僕自身が江成さんから訊きた
〜おのぼりさん〜最初の足どり検証の地は東福寺京都から一駅という事でとにかく駅の外に出た『先生 京都タワーがありません』『先生 五重塔が見当たりません』「あのねえ 京都に着けばやれ京都タワーやれ五重塔って君達 事前学習なさすぎじゃない?」そう
〜京都駅〜点と線の情報ゆくゆく伴尾君から訊くとしてあっという間に京都眠っていた藍尾君にとってはあっという間どころか瞬間移動した感覚だろう駅のコンコースに入り伴尾君と藍尾君は僕から離れてはしゃぎまくっているねえねえ京土産の人気ナンバーワンって
〜捜査依頼人〜米原を通過する辺りで藍尾君がようやく目を覚ました『あれっ!?いつの間に眠ってしまったのかしら?』「いつの間にも何も東京を出てワンコインモーニングセットを食べてすぐにアイスクリームを食べて新横浜に着く前には瞼を閉じてたよ」『でも
〜捜査対象人〜名古屋近くで藍尾君が《白黒抹茶小豆珈琲柚子桜‥》と寝言を再開す中 伴尾君と今回の仕事の打ち合わせに入ったクライアントと捜査対象人」の関係は後で訊くとしてまずは捜査対象人の百合谷さんの特徴を確認することにした「伴尾君 捜査対象人
〜クライアント〜《焼きそばありますか?…》藍尾君の突然のしかもはっきりとした寝言に自分と伴尾君はもちろん半径3m内の乗客は驚きたまたま近くにいた車内販売の冷静沈着のお姉さんが《申し訳ございませんが焼きそばは…》と言いかけたところで問いかけが
〜ウォーリーはどこだ?〜《曇りで富士山が見えない》とボヤキながら藍尾君は車内販売のアイスクリームを食べているまだ品川にも着いていないのに「伴尾君 到着まであとどれくらい?」『はい 今高輪ゲートウェイの近くですからあと二時間ちょっとです』「う
〜移動〜「八重洲側の高層ビルが近くに見えるって事はここは新幹線の始発の駅っていう事になるよね」『はい』「根拠は?」『訊かれると思いました二枚の写真は一つが赤いテールランプでもう一つは明るい前照灯いずれも左手奥に距離は少し違うけど同じビルが写
〜移動〜早朝の新幹線ホームはビジネスマンが多くこれから旅行!というハイな気分の人は少ない…けど『ねえねえ伴尾さん』『はい 何でしょう?』『新幹線って車内販売あるかしら?』『はい のぞみは継続します』『えへへ アイスクリーム食べちゃおっと』藍
〜晩夏と初秋の狭間で〜四季に境目があるとしたら何日くらいだろう二十四節もあるけどやっぱりそれにも境目はあるはず今日の気温と風と空気と雲と空と蝉とこおろぎの声間違いなく今日は夏と秋の狭間を感じたそして思いっきり至近距離で接してくれた蝶と蜥蜴と
〜移動〜『わー誰もいないっ 不思議』始発で来たにせよ確かに誰もいないのは珍しいていうか藍尾君が変な仕草を始めた『藍尾さん何してるんですか?』伴尾君が目の前の光景より不思議な藍尾君の仕草に反応する『細菌兵器に人間が感染して誰も居なくなったビル
〜足取り〜伴尾君が京都一泊二日の根拠をホワイトボードに貼り付けた京都の観光スポットらしき写真を基に時系列的に説明し始めた『今回の依頼は家出人捜査です マル対はその依頼人の一人息子です』「あのね ここは民間のしがない探偵社だからマル対じゃなく
〜足取り〜伴尾君が依頼人からの手紙を思い出しながらデータ化しているところに藍尾君が出社して来た『おはようございまーす えへへ』彼女は えへへ とか でへへ が会話の最初か最後に付く「やあ 藍尾君おはよう」彼女は現場での捜査や尾行の助手彼女の
〜足取り〜扇風機だけの探偵社の事務所はひたすら暑い心頭滅却火もまた涼し…と行きたいところだが心頭滅却の意味がいまいち判らないのでちっとも涼しくない「伴尾君!クーラーどっかに落ちてない?」心頭が滅却しない僕は助手の伴尾君に無茶を言う『はいクー
〜葡萄〜名前も初めて聞くような高級葡萄をいただくいい加減に名前くらい聞いたらメモりなさいと自分を叱咤したところで形状と味に対する感動が記憶するという心構えを駆逐してしまう様だ‥と言い訳するとにかく大きい葡萄なのに柿みたいなくびれがあって葡萄
〜All About Us 〜DANGEROUS AND MOVING が終わるとそれまで空口笛を吹いてしらばっくれてたはやちゃんが訊いてきた『二つ目に訊きたい事って何ですか?』「うん このデモって何処で誰と録ったのかなって演奏は音桶さん達の
〜事情通〜《りえな と ゆりあ かぁ …》『汐ゐ君が最近空を見上げてぶつぶつ言ってる』外畑さんが切り出した『そうみたいですね 最近夢の国にも来てくれませんし』有賀さんがそう言いながら〈ひょっとしてあなた達番人が意地悪して通してあげないから?
〜素敵な来客〜ひらひらとアオスジアゲハが舞い降りた人間を無害な生き物と決めつけているのか近づいても動じないここんと雨らしい雨が降らなくて道具を洗って湿ったコンクリの僅かな水を飲んでいる子供の時は親指と人差し指で捕まえることが楽しかったけど大
〜DANGEROUS AND MOVING〜僕が次に何を訊こうとするのか苗木さんが凛として でも心の中に何かを想って浮かべる僅かな笑みで心と心に少し距離を置いて僕を見つめる佐良さんは逸るようにでも幾つもの想いを押さえて慎重に選ぶようなまなざ
〜 んっ? 〜苺チーズ蒸しパンが食べたい苺チーズ蒸しパンが食べたいそんなわけで朝前日冷蔵庫に入れた苺チーズ蒸しパンを袋ごと食卓に置いてコーヒーとか梨とかサラダとか色々準備していざ袋から取り出してあらビックリプレートの絵柄は意図的に合わせたけ
〜りんご〜今シーズン初収穫のりんごをいただくシナノ…冷蔵庫に入れたところまでは覚えていたのにいざ食べたらすっぱさと甘さとみずみずしさがハンパなくて品種を失念してしまったシナノ…ゴールドでもレッドでもスイートでもなくてなんかシナノ‥の後に顔の
〜HOW SOON IS NOW?〜店内に響き渡るデモに鳥肌が立った「えーっと色々訊いていい?」『はいっ』二人は双子の様に声を揃えて返事をするまずは鳥肌の最大の要因である声質について確認せねば「低いパートは苗木さん‥かな?」『はい私 苗木りえ