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2019年10月14日05:46

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トルコのシリア北部への軍事侵攻、ウクライナ疑惑、さらには北朝鮮ならず者集団への生ぬるい対応――すべてはトランプ氏の私的利益の追求

 トランプ大統領の私的利益のために、世界の安全保障とアメリカの国益が脅かされている。

◎エルドアンに軍事侵攻の了解を与えたトランプ大統領
 その1つが、9日にトルコ軍がシリア北東部のクルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」の支配地域に軍事侵攻を始めたことだ(写真=軍事侵攻を始めたトルコ軍部隊)。かねてからトルコのエルドアン政権は、SDFを自らの政権を脅かすテロリストと非難しており、いつでも侵攻する構えを見せていたが、ついに侵攻とSDF殲滅に乗り出した。
 その背景には、トランプ大統領のトルコ軍侵攻への了解がある。トランプ大統領は6日、エルドアンとの電話協議後にシリアからのアメリカ軍撤収を表明、トルコの軍事作戦に了解を与えた。

◎IS打倒の盟友シリア民主軍を裏切る
 その決定は、アメリカ軍事筋や議会に衝撃と深い憂慮を与えた。これまでアメリカは、SDFに軍事援助を与え、IS(自称「イスラム国」)の掃討に当たらせた。直接、アメリカ軍を投入できないために、SDFに援助してIS討伐を行ったのだ。
 ISの伸張と「国家」樹立まで許したシリアのアサド政権軍やイラク軍と違って、クルド人部隊は勇猛だった。2014年9月にはトルコとの国境地帯にある要衝コバニをめぐってクルド人部隊は攻勢をかけるISと死闘を展開し、5カ月間の防衛戦の後についにISを敗退させた。これが分水嶺となって、後にSDFはISの「首都」ラッカを攻め落とし(写真=SDFの旗を振ってラッカ解放を喜ぶクルド人兵士)、ついにはシリア全土を解放したのである。
 その盟友であるSDFを、トランプ大統領はいとも簡単に、それこそ古草履のように捨て去ったのだ。マティス前国防長官なら、決して認めなかった愚挙・盲動である。

◎私的利益のためだけに同盟軍と自国兵士を裏切る
 トランプ大統領のトルコ侵攻容認は、盟友を見捨てることでアメリカへの信頼感を損なうという道義的問題以外に、トルコ軍によってSDFがシリア北部地域から排除されたら、ISが息を吹き返す恐れ、という軍事的懸念もある。
 それでもマティス元長官が強く反対していたSDFへの裏切りは、来年の大統領選挙を睨んだトランプ氏の私的利害があるからだ。つまり有権者に対し、シリア、イラクからアメリカ軍を撤退させたとアピールし、支持を稼ごうというものだ。
 シリア北東部でSDFの支援に当たってきたアメリカ軍特殊部隊兵士が、撤退命令を受けて、アメリカのテレビ局のカメラの前で「自分の任務をこれほど恥ずかしいと思ったことはない」と吐き捨てたそうだが、自分の利益のためだけに前線のアメリカ軍兵士に恥辱を思わせるトランプ氏とは、それだけでも大統領の資格はない。

◎ウクライナ疑惑も自身の再選睨み
 この自分の利益のためだけに世界を見て、国家を動かしているのは、下院で始まろうとするトランプ大統領のウクライナ疑惑も、そうだ(10月9日付日記:「新たなトランプ疑惑で、大統領弾劾の機運が再燃;性懲りもない無法者を止める人がいないWH」を参照)。
 民主党の有力大統領候補のバイデン氏の人気を失墜させるために、プーチンとも気脈を通じるように、ウクライナに圧力をかける。
 つい最近も、ロシアからウクライナ東部の侵略を受けていることに対し、ウクライナ支援策を担っていた国務省外交官を辞任に追いやった。プーチンの歓心をかうため、としか思えない愚挙だ。
 かつてトランプ大統領の選対部長だったマナフォート氏は、ウクライナで親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領(当時)の顧問を務めていた人物で、同政権から多額の不正資金を受け取っていた。
 今回の反バイデン氏の策謀でも、間接的にロシアの助けを借りている節がある。

◎北朝鮮ならず者集団の11回のミサイル発射を容認
 今年5月からの北朝鮮ならず者集団の11回に及ぶ短距離ミサイル発射(10月3日の11回目の発射は、短距離ミサイルではなく、中射程のSLBMだった=写真)も、トランプ大統領は金正恩の安保理決議違反行為を黙認している。その間実験で、北朝鮮ならず者集団はミサイル技術をさらに洗練化させている(これについては、別の機会に論じる)。
 これも、金正恩とのボス交渉で核実験とICBM発射実験を停止させていることの見返りで、来年の大統領選挙で成果として誇りたいためだ。
 民主党の大統領も嫌だが、来年の大統領選挙でのトランプ再選は見たくない姿である。

注 オーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「オホーツク海沿岸、北辺の超過疎村の猿払村は、全国第3位の金持ち自治体、その秘密は」

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