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2018年08月19日08:31

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「未来のミライ」

細田守作品は「時をかける少女」だけがズバ抜けて面白く、それ以外イマイチと思っている。
しかし今回はかなり期待ができるのではないか、と思って観に行ったが、期待とはやや違う作品になっていた。

主人公のくんちゃんは電車好きの4歳の男の子で、お父さんがフリーの建築家でお母さんは編集者をしている。
まだ甘えたい盛りだが、妹ができたためお母さんに甘えることができなくなってしまった。
寂しさから妹に嫉妬したりする。
そして妹に優しくできず、お母さんから怒られたくんちゃんは、中庭にある椎の木の前に立つと、飼い犬のゆっこが人間の姿をして現れたり、妹の未来が女子高生の姿で現れたりする。
過去に戻るなど不思議な体験をした中で、くんちゃんは少しずつ成長していくのであった。

映画を観に行く前は、未来とくんちゃんの冒険ストーリーだと思っていた。
二人で力を合わせて目標を成し遂げる、そういう展開の作品だと思った。
しかし実際には、くんちゃんはほとんど一人で行動する。
「未来のミライ」が登場するのは、ストーリー全体の1/3程度だ。
それでも映画としてはそれほど悪くはない。
ちょっとバラエティ番組の「はじめてのおつかい」テイストで、スクリーンのくんちゃんを思わず応援したくなってしまう。
子どもがいる人であればなおさらだろう。

だが映画を観終わった後で、「この映画のタイトルは『未来のミライ』じゃないよな」、と思う。
くんちゃんの成長ストーリーの中に、未来が少し出てくるだけなのだ。
少々ネタバレになってしまうが、ラストでくんちゃんが未来に「もう会えないの?」と尋ねる。
しかしそうやって尋ねたくなるほど、くんちゃんと未来が親密になっていたようには見えなかった。

未来の東京駅の描き方などは秀逸だと思うし、全体の出来は悪くないと思うが、その分逆に内容とタイトルがマッチしていない部分が気になってしまった。


91.未来のミライ
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