mixiユーザー(id:411965)

2015年08月11日00:55

214 view

殺センセーのマッハ20の設定

 『暗殺教室』の第151話のラストのセリフを読んでびっくりした。なんやかんやで日本の有人実験宇宙船を奪取して宇宙ステーションをハイジャックに向かった渚とカルマ。でラストのセリフが

「ロケットが地球を脱出するときの速度は」
「マッハ23」
「今日ぼくらは初めて殺センセーの速度を越えた」

 うわあ初期からある“マッハ20で移動する”という殺センセーの設定をてっきりものすごい速さのアイコンとして適当につけていたのだと思っていた。違うのだ、作者は最初のコマからもうこの主人公がロケットで宇宙に向かうという展開までをきっちりと計算していたのだ。だから殺センセーの速度がマッハ20ということだったのだ。ロケットの速度が殺センセーを越える=教え子たちが殺センセーを越えるというなんかすごい象徴的なシーンが最初から計算されていたのだ。すごいなあ。

 実は先日新書で出た、評判のマンガ評論の大著を手に取った。様々なマンガを学術的に研究している労作でもある。ところがちらちらと読んでいたら『暗殺教室』が評価されているのに対して「こんなありえないギャグのくだらない話をなぜベストなどと評価するのか」という文に当たって「あ、これは僕にはダメだわ」と買うのを止めた。もう設定だけ見たらバカバカしいとしか思えないようなこの作品がいかにきっちりとしたテーマを読者に納得させながら楽しませて読ませるにはどうしたらいいかを考え抜かれて作られていることが読み取れない学者さんなのだ。
 最後のコマを見ながら感動に震えながらついそう思ってしまった。


4 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年08月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031