焦ることなく今日の充実を

同期入社の友人が亡くなった。つくづく人生は有り余るものだと思い知らされる。まだまだ若かったはずなのに、もう二度と会えないなんて信じられない。

これからは、もっと身の回りの同年代の人が亡くなるケースが増えてくるだろう。学生時代に川で遊んだ仲間、同じ時期に就職した後輩、子供の運動会で一緒に汗を流した父兄。みんな年を重ねるにつれ、だんだん姿を消していく。

必ず衰えは来る。若さと健康に酔っていた頃が、恩恵に気づかぬうちに過ぎ去ってしまう。いずれは自分の身にも訪れる。でも、そこに怖れるべきことはない。人生にはそういう当たり前のサイクルがあるのだから。

だからこそ、最後まで淡々と生きよう。焦ることなく、今この瞬間を大切に。周りを見渡せば、毎日が新鮮な驚きに満ちている。ささやかな喜びを心に留めながら、この人生の旅路を歩み続けたい。

そうしてこそ、今日の充実を目指せる。昨日の悔いは引きずらず、明日の不安をあえて払拭して。ただ今この瞬間に全存在を捧げることで、かけがえのない輝きを放つことができる。人生の最後には、そういった積み重ねが、豊かな宝物となって残るに違いない。