mixiユーザー(id:2083345)

2023年04月25日10:53

325 view

4/23 TOPコレクション セレンディピティ 日常の中の予期せぬ素敵な発見・土門拳の古寺巡礼@東京都写真美術館

深瀬昌久を見た後ですぐに土門拳には移りづらいので、TOPコレクション展を見ることに。

【TOPコレクション セレンディピティ 日常の中の予期せぬ素敵な発見】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4530.html

フォト
「セレンディピティ」という言葉がある。「セレンディップの三人の王子」というペルシアのおとぎ話を由来とするこの言葉には、「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」という意味がある。
たとえば、こんな経験はないだろうか。偶然見つけたポストカードの写真に心が動いたり癒やされて、壁に貼っておいたり、大切に手帳にはさんでとっておいたり。あるいは、撮りためたたくさんの写真を見返してみたら、そのうちの2枚が撮影した場所や時間を越えてつながって、それまで気づかなかった何かを発見したり。それはまさしくセレンディピティの産物といえるだろう。
本展では、約3万7千点に及ぶ同館の収蔵作品のなかから、セレンディピティをキーワードに、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探る。そしてまた、展覧会を見るという行為自体も、予期しない出来事との出会いにあふれた、セレンディピティな体験だ。何年も続く制限された日々のなかで、様々な辛い出来事や不都合な出来事をたくさん経験してきた私たちだが、こうした写真家たちの視点をヒントに、セレンディピティの産物としての癒やしや心の豊かさを回復する種を見つけることができるかもしれない。

「セレンディピティ」はペルシアのおとぎ話に由来する造語で「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」という意味だそうだ。言いづらい、覚えづらい、、、見るのに挫けそうになったが、見たら至極面白い展覧会だった。いや、写真とは得てしてそういうものだ。ピッタリじゃないか。

静かな視線、満たされる時間
世界を切り取って表現する写真というメディアを使って、日常のなかのささやかな発見をとらえた作品。小さな幸せ。
牛腸茂雄《日々》より
フォト

フォト


島尾伸三〈朝食を独り占めしようというのか。〉
フォト


窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ
作家たちが「ただ、そこにあるものを写しとる」という行為によって得られたイメージが、それを鑑賞する人におこすセレンディピティを考える。

葛西秀樹〈池袋から目白までの風景〉
車窓から景色が流れる様を一駅ごと写したもの。《バーコード記号に変換された東京の風景》のシリーズの中の一つ。脳裏に過ぎていく東京の風景ってこんなものかもしれない。
フォト


ふたつの写真を編みなおす
「撮影した場所や時間を越えてふたつの写真が、写真家が全く予期していなかった何かの関係性で結ばれることがある、それはまさしくセレンディピティの産物と言えるだろう。写真は、編みなおされることにより、それぞれを別にみた時の意味に加えて、二つが並ぶことで生まれる意味を帯び、作品としての豊かさを増す」
このセクションの提案に自身の体験を重ねることができ、最も興味深く、最も共感できた。

大好きなアーウィットの作品
フォト

フォト

フォト

奈良美智の写真は初めてみたが、面白い。写真の才能もあるんだなぁ。
フォト

フォト

フォト

フォト

中平卓馬の晩年の作品。個展の際に自身がセレクトしてペアにしたという。
フォト

フォト

フォト

フォト

フォト

フォト

フォト

フォト


作品にまつわるセレンディピティ
毎日のなかでセレンディピティが訪れ、制作のきっかけになることもあるという。

本城直季〈東京 日本 2005〉
大判カメラで偶然ジオラマのように撮れたという。
フォト

井上佐由紀《私は初めてみた光を覚えてない》より
臨終の祖父を撮影する際にその瞳に映る「最後に見た光」がきっかけとなり、生まれたばかりの乳児の瞳の「初めて見た光」を撮り始めた。
フォト

フォト

7月9日まで

写真撮影可なので、アルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120769976&owner_id=2083345


【土門拳の古寺巡礼】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4317.html
フォト
キュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳。ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎える。戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫いた。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。
本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の弥勒仏坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観する。土門が対象の本質に迫った、力強く個性的な「日本の美」が楽しめる。

フォト

最後に見たのがこの展覧会。一番混んでいた。入口で、藤森武氏が師・土門拳を語るビデオが上映されていた。そうそう、銀座ノエビアで藤森武の熊谷守一写真展があるので、それも行きたい。
「古寺巡礼」第何集のか忘れたが、確か父の蔵書にもあった。例えば臼杵の石仏と言ったらこれ、浄瑠璃寺吉祥天と言ったらこれ、と土門拳の写真の刷り込みが大きい。
今回改めて見て、土門拳の撮る仏像は重厚で威厳に満ち満ちていることを痛感。クローズアップが多いからだろうが、建造物の一部の切り取り方を見ても、力強く、強固なものに対して畏敬の念を持っていらしたことがわかる。
最近東博で見た、高山寺の明恵上人像や少林寺の十一面観音立像などにもハッとさせられた。
フォト

フォト

フォト

フォト

フォト

5月14日まで
15 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年04月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30